調べて分かる道具箱

飽和水蒸気量の計算と湿度の求め方

気温と湿度を入れると、空気1m³の水蒸気の量が出ます。

空気1m³が、あと吸える水の量

12.2g

飽和水蒸気量(いちばん多く入る量)
30.4g/m³
いまの水蒸気量
18.2g/m³

このページが出すのは、入れた気温と湿度の空気1m³の数です。洗濯物が乾く速さは、ぬれた布の温度や日当たりでも変わります。

値: 気象庁「気象観測の手引き」表5-1(2026-09-27 に取得した版)の水の飽和蒸気圧から計算/小数第2位を四捨五入してから引き算

湿度の求め方 ── 水蒸気量と気温から

湿度

50%

この気温の飽和水蒸気量: 12.8g/m³

湿度(%)= 水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100

はじめの数は、気象庁「気象観測ガイドブック」p.35(2026-09-30 に取得した版)の例です。

東京の1月・6月・8月 ── あと吸える水をくらべる

  1. 1月5.4℃・51%あと3.4g
  2. 6月21.9℃・75%あと4.8g
  3. 8月26.9℃・74%あと6.7g

8月の空気は、1月の空気の約2倍の水を吸えます。

気温と湿度: 気象庁「東京(東京都) 平年値(年・月ごとの値) 主な要素」統計期間 1991~2020(2026-09-30 に見た文)。平年値の気温と湿度を入れた値です。

飽和水蒸気量の表(5℃ごと)

気温と、空気1m³の飽和水蒸気量
問い答え
0℃の飽和水蒸気量は?4.9g/m³飽和蒸気圧 6.11hPa
5℃の飽和水蒸気量は?6.8g/m³飽和蒸気圧 8.72hPa
10℃の飽和水蒸気量は?9.4g/m³飽和蒸気圧 12.27hPa
15℃の飽和水蒸気量は?12.8g/m³飽和蒸気圧 17.04hPa
20℃の飽和水蒸気量は?17.3g/m³飽和蒸気圧 23.37hPa
25℃の飽和水蒸気量は?23.1g/m³飽和蒸気圧 31.67hPa
30℃の飽和水蒸気量は?30.4g/m³飽和蒸気圧 42.43hPa
35℃の飽和水蒸気量は?39.6g/m³飽和蒸気圧 56.23hPa

気象庁の表5-1の飽和蒸気圧から計算しました。0.1℃ごとの値は、いちばん上の道具で出せます。

やってみる

1問目 / 全4問

湿度が同じ60%のとき、30℃の空気は10℃の空気の約何倍の水を吸える?

湿度が同じ60%でも、空気1m³があと吸える水は、30℃なら12.2g、10℃なら3.8gで、約3.2倍です。

洗濯物が乾くのは、水が水蒸気になるから

文部科学省の手引き(2011年の版)に「洗濯物が乾くのは,水の自然蒸発によるもの」とあります。ぬれた布の水は、水が気体になった水蒸気として、まわりの空気に入っていきます。

空気1m³に入る水蒸気の量には、気温で決まる上限があります。それが飽和水蒸気量です。

つるして干すか、平らにして干すか、日かげで干すかは、服のタグの洗濯表示の記号で分かります。

飽和水蒸気量とは ── 気温が高いほど多く入る

「単位体積当りの空気に取り込める水蒸気の最大量は温度によって変わり、これを飽和水蒸気量といいます。」(気象庁『気象観測ガイドブック』)

気象庁の手引きには、飽和蒸気圧は「温度が高くなるにつれ急激に大きくなる」とあります。

気象庁の予報用語は、湿った空気を「湿度が高い空気で、目安として湿度がおよそ80%以上の状態をいう。」、乾いた空気を「湿度が低い空気で、目安として湿度がおよそ50%未満の状態をいう。」と説明しています。30℃・湿度80%の湿った空気は、あと6.1g。10℃・湿度40%の乾いた空気は、あと5.6g。湿った30℃の空気のほうが、まだ多くの水を吸えます。ここまでの数は、空気の側の数です。岡田益己の論文(1985年)の蒸発の式は「水面温度における飽和値と大気の値」の差を使うので、洗濯物の乾き方は、ぬれた布の温度でも変わります。

計算のしかた ── 気象庁の表と、217の式

気象庁「気象観測の手引き」の表5-1は、0.0〜39.9℃の水の飽和蒸気圧(hPa)を、0.1℃ごとに並べています。このページは、その値から次の式で飽和水蒸気量を出しています。

飽和水蒸気量(g/m³)= 217 × 飽和蒸気圧(hPa)÷(気温 + 273.15)

217は、岡田益己「湿度および関係諸量の計算法」(1985年)の(5)式「c=εe/RT=0.217 e/T」の0.217を1000倍した数です。この式は水蒸気の量 c を kg/m³ で出すので、g/m³ で出すために1000倍しました。論文は、この式をふくむ関係式を「いずれも気体の方程式から導かれる」と書いています。水蒸気を理想気体とみなした式です。

湿度は、同じ気温なら、水蒸気量÷飽和水蒸気量×100で求められます。気象庁の予報用語は「相対湿度は水蒸気量とそのときの気温における飽和水蒸気量との比を百分率で表したもの。」と書いています。

冷えた空気からは、水のつぶが出てくる ── 霧と、くもる窓

中学校の理科の解説は、霧について「気温が下がると飽和水蒸気量が小さくなるため湿度が上がる」「気温の低下に伴って大気中の水蒸気が凝結して霧が発生する」と書いています。

同じ解説には、「窓や鏡,コップがくもるなど大気中の水蒸気が水滴に変化する」ようすから、露点を測る学習もあります。

地面についた層雲が霧です。空の雲の名前と見分け方は、雲の種類で調べられます。

出典

よくある質問

飽和水蒸気量とは何ですか

気象庁の『気象観測ガイドブック』に「単位体積当りの空気に取り込める水蒸気の最大量は温度によって変わり、これを飽和水蒸気量といいます。」とあります。このページでは、空気1m³あたりのg(グラム)で出しています。

飽和水蒸気量の計算式は?

このページは、気象庁「気象観測の手引き」の表5-1にある水の飽和蒸気圧(hPa)を使い、飽和水蒸気量(g/m³)=217×飽和蒸気圧÷(気温+273.15)で出しています。217は、岡田益己「湿度および関係諸量の計算法」(1985年)の(5)式「c=εe/RT=0.217 e/T」の0.217を1000倍した数です。この式は水蒸気の量 c を kg/m³ で出すので、g/m³ で出すために1000倍しました。論文は、この式をふくむ関係式を「いずれも気体の方程式から導かれる」と書いています。

湿度の求め方と公式は?

気象庁の予報用語は、湿度を「普通は相対湿度のこと。相対湿度は水蒸気量とそのときの気温における飽和水蒸気量との比を百分率で表したもの。」と説明しています。気象庁の『気象観測ガイドブック』は、15℃で空気1m³に6.4gの水蒸気があるときの例を「(6.4÷12.8)×100=50 となり、相対湿度は50%となります。」と書いています。式にすると、湿度(%)=水蒸気量÷飽和水蒸気量×100です。

飽和水蒸気量と湿度は、何年生で習いますか

文部科学省の中学校学習指導要領(平成29年告示)では、理科の第2分野の⑷「気象とその変化」は、「⑶及び⑷は第2学年」の決まりで中学2年に入ります。その中に「気温による飽和水蒸気量の変化が湿度の変化や凝結に関わりがあることを扱うこと。」とあります。

今日は洗濯物が乾きますか

このページは、入れた気温と湿度で、空気1m³の数を出す道具です。これからの天気は、気象庁の天気予報で確かめられます。文部科学省の手引き(2011年の版)には、洗濯物について「日陰より日なたの方が速く乾く」「自然蒸発の様子が気温の高さで変わる」とあります。

湿度が低い冬の空気と、湿度が高い夏の空気、水を多く吸えるのはどちら?

東京の平年値(1991〜2020年)の気温と湿度を入れると、空気1m³があと吸える水は、1月(5.4℃・51%)が3.4g、8月(26.9℃・74%)が6.7gで、8月のほうが多くなります。気温が低い空気は、湿度が低くても、吸える水が少なくなります。