手を動かす
「そう言われている」で終わらせず、その場で数えて確かめます。
1から6までの数がほしいとき、大きな乱数を6で割った余りを使う書き方がよく出てきます。ところがこれはわずかに偏ります。元の範囲が6でちょうど割り切れないぶん、小さいほうの数が1回だけ多く当たるからです。押して数えれば、偏りは数字になって出てきます。
ここで面白いのは、「予測できないこと」と「偏らないこと」は別の話だという点です。暗号用の乱数にしても、余りで押し込めば偏りは残ります。逆に Math.random でも、はみ出した値を引き直す方法を使えば範囲の偏りは消えます(そのかわり予測できないことにはなりません)。混同されやすい2つを、押して数えて分けられるようにしてあります。
この分野の道具(7本)
- ランダムな数Math.randomは暗号に使えません。混ぜても出てこないトランプの並びの話も書いています
- ランダムな色完全にランダムだと灰色っぽい色が混ざります。範囲を決めたものと並べます
- 色の組み合わせ「調和」は流儀です。色相を何度回したかだけを書きます
- チェックリストチェック欄には3つ目の状態があります。属性では書けません
- やることの3つの列引きずらずに、← → のボタンだけで動かせます。その決まりの話も書いています
- 押しっぱなしのカウンター押し続けると速くなります。間隔だけ詰めても遠くまで届かない理由を押し比べで確かめられます
- 目の錯覚を測る矢羽のついた線と同じ長さに見えるところまで下の線を動かすと、自分の錯覚の大きさを%で出します。矢羽の角度を変えて記録できます
色の組み合わせは、好みだけでは決められない
文字と背景の色は、見て「読める」と思っても、測ると足りていないことがあります。とくに黄色に白、水色に白のような明るい色どうしは、色味がはっきり違うのに明るさが近いので、比が上がりません。色相の違いは、明るさの比には効かないからです。
色だけで意味を伝えると、色の見え方が違う人には届きません。日本人男性のおよそ20人に1人が、赤と緑の見分けにくさを持つとされています。状態を色で示すときに、形や文字も一緒に変える理由がここにあります。この考え方は、このサイト自身の作り方にもしています。
配色をまとめる決まりとして、色相環で向かい合う色(補色)や、120度ずつ離れた3色を選ぶやり方が知られています。ただしこれは見た目のまとまりの話で、読みやすさとは別ものです。並べて気持ちのよい2色が、文字と背景の組み合わせとしては最悪、ということがふつうに起きます。まとまりと読みやすさは、別々に測る。
順番のあるものを、頭の中だけで持たない
やることを3つの列に分けて動かすやり方は、同時に手をつけている数を目に見えるようにするためのものです。「やる」に10枚あることより、「やっている」に5枚あることのほうが問題で、どれも終わっていないという意味だからです。列に分けると、そこが数で出ます。
チェックリストが効くのは、覚える力を補うからだけではありません。手順を書き出すと、抜けたときに抜けたことが分かります。思い出せるかどうかに頼らない形にする、というのがこの種の道具の効き目です。