学びの道具
式を覚える前に、どこがどこかを目で見るためのジャンルです。
台形の面積の式には上底と下底と高さが出てきますが、図のどこが上底なのか分からないままだと、式はただの呪文です。ここの道具は、数を入れると図のほうが変わります。上底を0にすると三角形になり、下底と同じにすると平行四辺形になる ── 台形の式が三角形の式も平行四辺形の式も含んでいることが、動かすと見えます。
答えだけでなく、なぜその式になるのかまで書いてあります。0で割ってはいけない理由を「無限大になるから」と覚えている人は多いのですが、それは正しくありません。0に右から近づけるとどこまでも大きくなり、左から近づけるとどこまでも小さくなって、1つの値に決まらないというのが理由です。答えが出ないのではなく、答えを1つに決められない、というところが要点です。
この分野の道具(16本)
- 面積と体積数を入れると図が変わります。台形の上底を0にすると三角形、下底と同じにすると平行四辺形
- 立方体の展開図6マスを選ぶと、立方体に組み立てられるかを折って確かめます。6マスの形35種類のうち、立方体になるのは11種類
- 元素の周期表分子量を不確かさつきで出します。原子量が範囲で決まっている元素が14あります
- パーセント計算30%増やしてから30%減らすと元に戻りません。91になります。その理由も説明します
- 概数と四捨五入数と位を選ぶと、四捨五入・切り上げ・切り捨ての概数と、その概数になる数の範囲(何以上何未満)を数直線で出します
- しんけいすいじゃく12・20・30枚から選べます。覚えないと平均で「組の数の2乗」回めくることになります
- 石取りゲーム必勝法があります。2進のけたごとに1を偶数にするだけ。先を読まずに勝てます
- 15パズル・スライドパズルスライドパズルの解けないパターンを判定。転倒数の偶奇は、どう動かしても変わりません
- ○×ゲーム3もく・4もく・5もく。全部数えると先手が有利。でも最善どうしなら引き分けです
- じゃんけん相手の手は暗号用の乱数で、引いた値も出します。あなたの手のクセも数えます
- 3Dサイコロふった回数と出た目を記録します。乱数が公平かどうかを自分で確かめられます
- 図形を描いてSVG出力線・円・四角・三角を並べてSVGのコードにします。数値でも置けます
- 0で割れない訳「無限大になる」は正しくありません。両側から近づけて確かめます
- 行列の計算A×B と B×A で答えが変わります。両方出して並べます
- 内積と外積同じ2つから、片方は数・片方は矢印が出てきます
- 顕微鏡の倍率接眼×対物で総合倍率。視野の広さは接眼の視野数(FN)を対物倍率で割った値で、FN18・対物10倍なら1.8mmです
並べ方そのものが情報になっている表
元素の周期表は、番号順に並べただけの表ではありません。縦の列(族)が同じ元素は、いちばん外側の電子の数が同じで、似た振る舞いをします。縦に並んでいること自体が中身を語っているわけです。メンデレーエフがまだ見つかっていない元素の場所を空け、その性質まで言い当てられたのは、この規則性からでした。
横の行(周期)は、電子の入る殻が1つずつ増えることに対応します。表の下に2列が切り離して置いてあるのは、本来の位置に入れると横に長くなりすぎるためで、あの形は決まりではなく見やすさの都合です。実際、切り離さない長い形の周期表も使われています。
割合どうしは、足せない
2割引きのあとにもう1割引いても、3割引きにはなりません。もとの値に0.8をかけ、その結果にさらに0.9をかけるので、残るのは0.72 ── 2割8分引きです。割合は足し算ではなくかけ算でつながるので、並べたぶんを足した数とは合いません。
増やすほうでも同じです。1割増やしてから1割減らすと 1.1×0.9 で0.99になり、もとには戻りません。先に増やしても先に減らしても答えは同じですが、どちらの順でも出発点より少し小さくなります。
「%」と「%ポイント」が別の言葉なのも、ここから来ています。20%が25%になったとき、増えたぶんは5%ポイントですが、もとの20%に対しては25%増えています。同じ変化を、どちらの言い方でも言えてしまうので、どちらで言っているかを書かないと取り違えられます。
勝ち方が先に決まっているゲームがある
石取りゲーム(ニム)は、最初の並びを見た時点でどちらが勝つか決まっています。各山の個数を2進数で書いて桁ごとに排他的論理和を取り、その値が0なら、いま指す側が負けるというのが答えです。運の入りこむ余地はありません。
○×ゲームも、双方が最善を尽くせば引き分けにしかなりません。勝負がつくのは、どちらかが間違えたときだけです。こういうゲームを触ると、「強い」というのは読みの深さの話であって、盤が小さければ読み切れてしまうということが分かります。
こういうときは、これ
- 面積や体積を出したい
- 面積と体積数を入れると図のほうが変わります
- 割合の計算をしたい
- パーセント計算30%増やして30%減らすと元に戻りません
- 理科の元素を調べたい
- 元素の周期表分子量を不確かさつきで出します
- 確率を自分で確かめたい
- 3Dサイコロふった回数と出た目を記録します
- 図をSVGで書き出したい
- 図形を描いてSVG出力数値でも置けます