速さの単位の変換とランナーのペース
速さの換算
| 単位 | 値 |
|---|---|
| 時速(キロメートル)km/h・日本の道路標識と車の速度計 | 36 |
| 秒速(メートル)m/s・天気予報の風速はこの単位 | 10 |
| 時速(マイル)mph・アメリカとイギリスの標識 | 22.37 |
| ノットkt・船と飛行機・1時間に1海里(1852m) | 19.44 |
ランナーのペース(1kmあたり何分何秒か)
走る人が知りたいのは時速ではなく「1kmを何分何秒で走っているか」です。 これは速さの逆数なので、上の表とは別の枠にしてあります。 理由は下の説明に書きました。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 1kmあたりこれがペース・1000 ÷ 秒速 | 5分0秒 |
| 100mあたりペースの10分の1 | 30 秒 |
| 秒速になおすとm/s・時速 ÷ 3.6 | 3.33 m/s |
| 5kmかかる時間 | 25分0秒 |
| 10kmかかる時間 | 50分0秒 |
| ハーフマラソン21.0975 km | 1時間45分29秒 |
| フルマラソン42.195 km | 3時間30分59秒 |
上の換算表で時速(キロメートル)に直してから、この欄に入れてください。 ペースは速さの逆数なので、速いほど数は小さくなります。
ペース早見表
よく使うペースを、時速とフルマラソンの所要時間で並べました。上ほど速く、ペースの数は小さくなります。
| 1kmあたり | 時速 | フルマラソン |
|---|---|---|
| 3分0秒 | 20 km/h | 2時間6分35秒 |
| 3分30秒 | 17.14 km/h | 2時間27分41秒 |
| 4分0秒 | 15 km/h | 2時間48分47秒 |
| 4分15秒サブ3(3時間切り)のペース | 14.12 km/h | 2時間59分20秒 |
| 4分30秒 | 13.33 km/h | 3時間9分53秒 |
| 5分0秒 | 12 km/h | 3時間30分59秒 |
| 5分30秒 | 10.91 km/h | 3時間52分4秒 |
| 5分41秒サブ4(4時間切り)の境目 | 10.56 km/h | 3時間59分48秒 |
| 6分0秒 | 10 km/h | 4時間13分10秒 |
| 7分0秒 | 8.57 km/h | 4時間55分22秒 |
| 8分0秒 | 7.5 km/h | 5時間37分34秒 |
| 10分0秒 | 6 km/h | 7時間1分57秒 |
よくある質問
秒速を時速に直すにはどうすればいいですか?
3.6を掛けます。1キロメートルは1000メートル、1時間は3600秒なので、3600を1000で割った3.6が答えです。秒速10メートルなら時速36キロメートル、天気予報でよく聞く風速20メートルなら時速72キロメートルになります。逆に時速から秒速へ戻すときは3.6で割ります。
時速36キロメートルはどれくらいの速さですか?
100メートルを10秒で走る速さです。道路交通法施行令第十一条は、高速道路以外の道路で標識による指定が無いときの最高速度を、自動車は六十キロメートル毎時、原動機付自転車は三十キロメートル毎時と定めています。つまり100メートルを10秒で走る人は、原動機付自転車の法定最高速度より速いことになります。
1キロメートルあたりのペースはどう計算しますか?
1000を秒速で割ります。時速から出すなら3600を時速で割ると1キロメートルの秒数になります。時速12キロメートルなら3600割る12で300秒、つまり5分ちょうどです。速さは1時間に進む距離、ペースは1キロメートルにかかる時間で、分子と分母が入れ替わった逆数の関係にあります。
フルマラソンで3時間を切るには1キロメートル何分ですか?
4分15秒です。フルマラソンの距離42.195キロメートルを3時間ちょうどで走ると、10800秒を42.195で割って1キロメートルあたり255.95秒、つまり4分16秒になります。1秒速い4分15秒で通すと2時間59分20秒でゴールできます。このときの平均の速さは時速14.065キロメートルです。
速さが0のとき、ペースはどうなりますか?
決まりません。止まったままでは1キロメートル先にいつまでも着かないので、かかる時間が無限大になるからです。ここに0分0秒と表示すると、1キロメートルを一瞬で走る、つまり無限に速いという正反対の意味になってしまいます。このページでは0を出さず、決まらない理由を画面に書いています。
マイル毎時とノットは何が違うのですか?
1時間に進む距離の基準が違います。マイル毎時は陸のマイル1609.344メートル、ノットは海里1852メートルを1時間に何本進むかで数えます。差は242.656メートルあるので、同じ数でもノットのほうが約15パーセント大きい速さになります。時速60マイルは96.56キロメートル毎時、60ノットは111.12キロメートル毎時です。
時速・秒速・マイル毎時・ノットをいっぺんに出します。 さらに、掛け算の表には乗らない1kmあたりのペースも別枠で出します。
秒速に3.6を掛けると時速になります
なぜ3.6なのか。1kmは1000m、1時間は3600秒だからです。1秒に1m進む人は3600秒で3600m、つまり3.6km進みます。3600 ÷ 1000 = 3.6。 これだけです。
大事なのは、この3.6が測って出した数ではないことです。 キロが1000倍、1時間が3600秒、という決め方だけから出てきます。 だから丸め誤差が入る余地がなく、ちょうど3.6倍と言い切れます。
使いどころは天気予報です。日本の風速は秒速(メートル毎秒)で発表されます。 「風速20メートル」と聞いたら3.6倍して時速72km── 時速72kmで走る車の窓から手を出したときに当たる風と同じものが、 止まって立っている人にまっすぐ吹きつけている、ということです。
100mを10秒で走ると、時速36kmです
100 ÷ 10 = 秒速10m。3.6を掛けて時速36kmです。 人が全力で走ったときの速さが、乗り物の速度計と同じ土俵に乗ります。
比べる相手は法律で決まっています。道路交通法施行令第十一条が、 高速道路以外の道路で標識による指定が無いときの最高速度を「自動車にあつては60キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては30キロメートル毎時」と定めています。つまり100mを10秒で走る人は、原動機付自転車の法定最高速度より速いわけです。
ただし、ここには読み落としやすい仕掛けがあります。「時速」は、その調子を1時間続けたらどこまで行くか、という言い方です。 時速36kmで走ったからといって、1時間で36km進めるわけではありません。 人が全力で保てるのは10秒ほどで、続けられないことは速さの数字に出てこないのです。だから同じ「時速36km」でも、10秒だけの人と、ずっと走る原動機付自転車とでは 意味がまるで違います。
ペースは速さの逆数なので、掛け算の表には乗りません
速さは「1時間に何km進むか」、ペースは「1kmに何分かかるか」。分子と分母が入れ替わっています。 こういう関係を逆数といいます。
上の換算表は係数を掛けているだけです。km/h に 1/3.6 を掛ければ m/s、 1852分の3600を掛ければノット、という具合に、どの単位も掛け算1つで行き来できます。 ところがペースだけは割り算で、しかも速さで1000を割るという向きになります。同じ表に混ぜると、その列だけ速い行ほど数が小さくなるので、目が滑って読み違えます。 だから別の枠にしました。
計算は難しくありません。1000 ÷ 秒速が1kmの秒数です。 時速から直接出すなら3600 ÷ 時速。時速12kmなら 3600 ÷ 12 = 300秒、 つまり5分ちょうどです。
ここで1か所だけ、答えが出せない入力があります。速さが0のときです。止まったままでは1km先にいつまでも着かないので、 かかる時間は無限大になり、ペースは決まりません。 このとき「0分0秒」と出す道具に出会ったら疑ってください。0分0秒は1kmを一瞬で走る、つまり無限に速いという意味で、 起きていることと正反対です。このページは0を出さず、決まらないと書きます。
サブ3は1kmあたり4分15秒です
フルマラソンの距離は42.195km。ワールドアスレティックスの 競技規則が、ロードレースの標準距離の1つとして「Marathon (42.195km)」と定めているものです。
これを3時間ちょうどで走ると、10800秒 ÷ 42.195 =1kmあたり255.95秒、つまり4分16秒。 だから4分15秒で通せば3時間を切ります。実際に計算すると42.195 × 255 = 10759.7秒 = 2時間59分20秒。 40秒の余裕が生まれます。これが「サブ3」と呼ばれる走り方です。
速さになおすと 42.195 ÷ 3 = 時速14.065km。 言いかえれば100mを25.6秒で走り、それを422本ぶんくり返すということです。1本ずつなら歩ける人もいそうな速さなのに、 続けた瞬間にまるで別の話になる ── 速さの単位が「続けられるかどうか」を含んでいないことが、ここでもよく分かります。
ひとつ下の目標である「サブ4」(4時間切り)は、1kmあたり5分41秒です。この速さで走りきると3時間59分48秒。 たった1秒遅い5分42秒だと4時間0分31秒になり、届きません。 ペースの1秒は、フルマラソンでは42.195秒に化けます ── 距離の数字がそのまま秒に化けるわけです。
マイル毎時とノットは、もとにしている距離が違います
どちらも「1時間に何本ぶん進むか」を数えていますが、1本の長さが違います。
マイル毎時(mph)が数えるのは陸のマイルで、1609.344m ちょうど。1959年の国際ヤード・ポンド協定が 1ヤード = 0.9144m ちょうどと決めたので、その1760倍も端数のない値になります。ノット(kt)が数えるのは海里で、1852m ちょうどです。
差は242.656m。1本あたりでは小さく見えますが、 割合にすると約15%あります。時速60マイルは96.56 km/h、60ノットは111.12 km/h── 同じ「60」でも15km/h ほど違うので、取り違えたまま読むと事故になります。
では、なぜ海だけ別の長さの「マイル」を使うのか。 1852mという半端な数が地球の緯度から決まった経緯は、ノット・時速・海里の変換のページに書いてあります。
面白いのは、陸上競技にもこの長さがそのまま出てくることです。 ワールドアスレティックスの競技規則は、ロードレースの標準距離の1つに「Road Mile (1609.344m)」を挙げています。距離の単位がキロメートルに 揃った今も、スポーツの規則が1959年の度量衡の取り決めを小数第3位まで そのまま引き継いでいるわけです。
数値の出どころ: マイルは1959年の国際ヤード・ポンド協定(1ヤード = 0.9144m ちょうど)、 海里は1929年の国際水路会議(1852m ちょうど)、フルマラソンと1マイルの距離はワールドアスレティックスの競技規則(Book of Rules)(新しいタブで開きます)、法定最高速度は道路交通法施行令 第十一条(新しいタブで開きます)から取っています。単位の換算に使う係数はすべて厳密な定義値で、近似値は使っていません。