アルキメデスと関孝和の円周率 ── 多角形で追いかける
円の内側と外側に正多角形をかきます。辺の数をえらぶと、周の長さ÷直径が出ます。
正96角形ではさむと
内側の周÷直径 < 円周率 < 外側の周÷直径
範囲の幅 0.00168
- 『塵劫記』(1627年)の円周率 3.16 範囲より大きい
- 学校で使う円周率(概数) 3.14 範囲より小さい
実線は内側、点線は外側の正多角形で、細い線は正6角形から倍にしてきた途中、太い線がえらんだ形です。
アルキメデスは、円周率は3+10/71より大きく、3+1/7より小さいと書きました。3+10/71=3.14085、3+1/7=3.14286(計算)で、正96角形の範囲はこの2つのあいだに入ります。
周÷直径は、このページで計算(直径1の円。円周率を使わずに、辺を倍にするやり方で)/アルキメデスの分数: 国立国会図書館「江戸の数学 コラム 円周率の式(図)」(2026-09-30 に取得した版)/『塵劫記』の3.16: 国立国会図書館「江戸の数学」コラム 円周率(2026-09-30 に見た文)/3.14: 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」p.87(2026-09-23 に取得した版)
自由研究 ── 丸いものをはかって、自分の円周率
缶・お皿・1円玉など丸いものに、ひもを1周まいて長さをはかり、直径もはかって入れます。
あなたの円周率(まわりの長さ÷直径)
はかり方の考え: 文部科学省「【算数編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」p.252(2026-09-27 に取得した版)
やってみる
1問目 / 全4問
円の内側と外側に正多角形をかいて辺の数を倍にすると、周の長さ÷直径が、円周率を両側からはさみます。正96角形では3.14103と3.14271のあいだです(計算)。
円周率の年表 ── アルキメデスから関孝和まで
- 紀元前287年ごろ〜紀元前212年アルキメデス(古代ギリシア)── 正96角形で円周率をはさむ
- 1627年吉田光由『塵劫記』── 円周率に3.16を使う
- 1712年関孝和『括要算法』(弟子たちが出版)── 正131,072角形まで計算
- 今小学5年の算数 ── 円周率は3.14を使う
円周率は、円周の長さが直径の長さの何倍かを表す数で、どんな大きさの円でも同じです。
アルキメデスも関孝和も、円に正多角形をかき、辺の数をふやして円周率を追いかけました。
同じ『塵劫記』に出てくる大きな数の名前は、無量大数までの数の単位で読めます。
アルキメデスは正96角形まで ── 6角形から辺を倍に
アルキメデスは、円の内側と外側に正六角形をかき、辺の数を12、24、48、96と倍にしていきました。
内側の多角形の周は円周より短く、外側の多角形の周は円周より長いので、円周率はそのあいだにはさまれます。
正96角形では3.14103と3.14271(計算)。アルキメデスは「円の計測」という本に、3+10/71より大きく3+1/7より小さいと書きました。
『塵劫記』の3.16 ── 正24角形の範囲より大きい
国立国会図書館「江戸の数学」は「江戸の数学では、吉田光由『塵劫記』(1627)が3.16を使っていますが、この数値は正確でないことが認識され、正確な数値を計算する円理という分野が発達しました。」と書いています。
正24角形の外側の値は3.15966(計算)。3.16は、この範囲より大きい数です。
関孝和は正131,072角形まで ── 小数点以下11けた
- 三尺3.
- 一寸1
- 四分4
- 一釐1
- 五毫5
- 九絲9
- 二忽2
- 六微6
- 五纖5
- 三沙3
- 五塵5
- 九埃9
3.14159265359より、ほんの少し小さい数(小数点以下11けた)
国立国会図書館「江戸の数学」によると、関孝和は『括要算法』巻貞で「直径1の円に内接する正四角形から順に正八角形、正十六角形の周の長さを計算し、最後の正131,072角形の周の長さは3.1415926532…と計算しました。」
そのあと、最後の3つの多角形の周の差を使って「定周」を出し、この表のように書きました。最後の「微弱」は、この数よりほんの少し小さいという意味です。
『括要算法』は、関孝和が亡くなったあと、1712年に弟子たちが出版した本です。
尺・寸のあとに続く分・釐(厘)・毫・絲…埃は、小さい数の名前です。並び方は小さい数の単位で確かめられます。
学校の円周率は3.14 ── 3より大きく4より小さい
国立国会図書館「江戸の数学」コラム 円周率(2026-09-30 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館「江戸の数学 コラム 円周率の式(図)」(2026-09-30 に取得した版)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館「江戸の数学」腕試し問題 解析の問題(2026-09-30 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館「江戸の数学」第2章 関孝和(2026-09-30 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館「江戸の数学」年表(2026-09-30 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館デジタルコレクション「括要算法 4巻.第2冊」33コマ(巻貞 円率解 第一)(2026-09-30 に取得した版)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館デジタルコレクション「括要算法 4巻.第2冊」38コマ(定周)(2026-09-30 に取得した版)(新しいタブで開きます)
日本数学会「アルキメデスの求積法」『数学』55巻2号 p.166(2026-09-30 に見た文)(新しいタブで開きます)
文部科学省「【算数編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」第5学年 エ 円周率(p.252)(2026-09-27 に取得した版)(新しいタブで開きます)
周÷直径の値(内側・外側・範囲の幅)と、3+10/71・3+1/7・円周率の小数は、このページで計算したものです。
よくある質問
アルキメデスは、円周率をどうやって求めたのですか
円の内側と外側に正六角形をかき、辺の数を倍にしながら、周の長さ÷直径ではさみました。国立国会図書館「江戸の数学」には「外接する正六角形の1辺の長さと正十二角形の1辺の長さの関係を求め、これを3度繰り返すと正96角形の1辺の長さが求まります。」とあります。アルキメデスは、円周率は3+10/71より大きく、3+1/7より小さいと書きました。
アルキメデスは、いつの時代の人ですか
古代ギリシアの人で、紀元前287年ごろから紀元前212年まで生きたとされます。
関孝和は、円周率を何けたまで計算したのですか
国立国会図書館「江戸の数学」によると、関孝和は『括要算法』巻貞で「直径1の円に内接する正四角形から順に正八角形、正十六角形の周の長さを計算し、最後の正131,072角形の周の長さは3.1415926532…と計算しました。」。そのあと最後の3つの多角形の周の差を使って出した「定周」を、『括要算法』は「三尺一寸四分一釐五毫九絲二忽六微五纖三沙五塵九埃微弱」と書いています。3.14159265359よりほんの少し小さい数で、小数点以下11けたです。
関孝和は、何をした人ですか
江戸時代に数学を研究した人です。国立国会図書館「江戸の数学」は、関孝和が「生涯の大半を甲府藩主徳川家に勘定を専門とする役人として仕え」たことを書いています。円周率では、正131,072角形の周の長さまで計算しました。
円周率は、なぜ3.14なのですか
小学校学習指導要領には、5年生の算数について「円周率は3.14を用いるものとする。」とあります。円周率は3.14159…(計算)で、小数第3位を四捨五入した概数が3.14です。正96角形の内側の値3.14103(計算)は、もう3.14より大きい数です。
円周率の自由研究は、どうやってはかりますか
缶やお皿など丸いものに、ひもを1周まいて長さをはかり、直径もはかって、まわりの長さを直径でわります。小学校学習指導要領解説(算数編)は「実際に幾つかの円について,直径の長さと円周の長さを測定するなどして帰納的に考えることにより,どんな大きさの円についても,円周の長さの直径の長さに対する割合が一定であることを理解できるようにする。」と書いています。