無量大数までの数の単位
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いま入っている数は53桁です。
今よく見る表での読み今の辞書や本でよく見る形(万進で統一・無量大数が1語)。もとの版本には未到達
新編塵劫記での読み国立国会図書館蔵の2冊(刊年不明の1冊と元禄2年刊)。無量と大数が別の単位
寛永の塵劫記での読み京都大学蔵の1冊(寛永8年刊かその再板と推定)。恒河沙から上が万万進
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よくある質問
1兆の次は何ですか?
京(けい)です。1兆の1万倍で、1のあとに0が16こ並びます。ただし、小学校学習指導要領解説(算数編)に出てくる単位は兆までで、京は一度も出てきません。京から先は学校で習う範囲の外にあり、そのせいか、値も本によって違っています。この道具は3つの表での読みを並べて出します。
無量大数はいくつですか?
開く本によって違います。今の本でよく見る表では1のあとに0が68こ(10の68乗)です。ところが京都大学が公開している江戸時代の『塵劫記』では、恒河沙から上が万万進(1万×1万=10の8乗ごと)に進むので、無量大数は0が88こになります。さらに国会図書館の『新編塵劫記』2冊では「無量大数」という1つの単位ではなく、「無量」(0が68こ)と「大数」(0が72こ)という別々の単位です。どれか1つが正解というものではなく、本によって違うこと自体が、実物を開くと分かることです。
無量大数より大きい数はありますか?
数そのものは、いくらでも大きくできます。無量大数に1を足した数も、無量大数の無量大数倍も、ちゃんとした数です。この道具が開いた本の表に載っている名前が無量大数(新編塵劫記では大数)で終わっている、というだけです。名前が付いていることと、数が存在することは別の話です。
万進・万万進とは何ですか?
単位が進む間隔のことです。万進は1万倍(0が4こ増える)ごとに次の単位に進む数え方で、万・億・兆・京…と続きます。万万進は1万×1万=1億倍(0が8こ増える)ごとに進む数え方です。京都大学が公開している『塵劫記』には、恒河沙のところに「万万極ヲ云」(万万倍の極を恒河沙と言う)という注記が実際に刷られていて、極から上だけ万万進になっています。
𥝱はなんと読みますか?
今の表では「じょ」と読まれます。京都大学の『塵劫記』の振り仮名は「ちよ」でした。この字はコンピュータでは拡張漢字(U+25771)にあり、機器によっては表示できず四角が出ることがあります。
どうして本によって値が違うのですか?
この道具に言えるのは「開いた本どうしで実際に違っていた」ことまでです。理由は、開いた本そのものには書かれていませんでした。表の写真は国会図書館・京都大学・東北大学がインターネットに公開しているので、下のリンクから自分の目で確かめられます。
数を入れると、万・億・兆・京…無量大数の単位で読みに直します。 江戸時代の算術書『塵劫記』の公開スキャンを実際に開くと、恒河沙から上の値は本によって違っていたので、 1つに決めずに3つの表を並べて出します。
⭐ 学校で習う単位は兆まで ── 京から先は「範囲の外」です
漢数字の変換で確かめたとおり、 小学校学習指導要領解説(算数編)に出てくる単位は兆までで、 「京」は全文に一度も出てきません。だから兆までの読みは どの本でも同じですが、京から先は決めごとの外にあって、本によって表が違うことが起きます。 「4桁ごとに単位が変わる」しくみそのものの話は数字のカンマ区切りに一次資料つきでまとめてあります。 1より小さい側の名前 ── 分・厘・毛・糸と続く並びは小さい数の単位にあります。
実際に開いて確かめました ── 3冊で表が違います
『塵劫記』は江戸時代の算術の本で、巻頭に「大数の名」の表があります。 インターネットに公開されているスキャンを実際に開いて、表を読みました。
- 京都大学の1冊(寛永8年ごろの版と推定)── 一〜極までは万進(どの位にも十・百・千の小書きがある)なのに、 恒河沙のところに「万万極ヲ云」という注記があり、 そこから上は万万進(10の8乗ごと)。最後の無量大数は黒地の大きな1枠で、10の88乗になります。
- 国会図書館の『新編塵劫記』2冊(1冊は元禄2年=1689年刊)── こちらは恒河沙から上もぜんぶ万進。そして最後が 「無量大数」の1語ではなく、「無量」(10の68乗)と「大数」(10の72乗)の 別々の2枠に分かれています。それぞれに十無量・百無量・千無量、 十大数・百大数・千大数の小書きまで付いています。
- 東北大学の寛永4年版(1627年の序がある本)── 公開されているのは3コマだけで、 大数の表は前半(一〜極・万進)しか見られません。だからこの版の無量大数の値について、このページは何も言いません。
今の本でよく見る「無量大数=10の68乗」の表とそのまま一致する版本には、 まだ到達できていません。だからこのページはそれを「今よく見る表」と呼び、 どの版から来た形なのかは書きません ── 確かめられていないことは書かない、が このサイトの決まりです。
3つの表の比べかた
下の表の数字は「1のあとに0が何こ並ぶか」(10の何乗か)です。極(10の48乗)までは3つとも同じで、恒河沙から食い違います。 「—」はその表にその単位が無いことを表します。
| 単位 | 読み | 今よく見る表 | 新編塵劫記 | 寛永の塵劫記 |
|---|---|---|---|---|
| 万 | まん | 10の4乗 | 10の4乗 | 10の4乗 |
| 億 | おく | 10の8乗 | 10の8乗 | 10の8乗 |
| 兆 | ちょう | 10の12乗 | 10の12乗 | 10の12乗 |
| 京 | けい | 10の16乗 | 10の16乗 | 10の16乗 |
| 垓 | がい | 10の20乗 | 10の20乗 | 10の20乗 |
| 𥝱 | じょ | 10の24乗 | 10の24乗 | 10の24乗 |
| 穣 | じょう | 10の28乗 | 10の28乗 | 10の28乗 |
| 溝 | こう | 10の32乗 | 10の32乗 | 10の32乗 |
| 澗 | かん | 10の36乗 | 10の36乗 | 10の36乗 |
| 正 | せい | 10の40乗 | 10の40乗 | 10の40乗 |
| 載 | さい | 10の44乗 | 10の44乗 | 10の44乗 |
| 極 | ごく | 10の48乗 | 10の48乗 | 10の48乗 |
| 恒河沙 | こうがしゃ | 10の52乗 | 10の52乗 | 10の56乗 |
| 阿僧祇 | あそうぎ | 10の56乗 | 10の56乗 | 10の64乗 |
| 那由他 | なゆた | 10の60乗 | 10の60乗 | 10の72乗 |
| 不可思議 | ふかしぎ | 10の64乗 | 10の64乗 | 10の80乗 |
| 無量大数 | むりょうたいすう | 10の68乗 | — | 10の88乗 |
| 無量 | むりょう | — | 10の68乗 | — |
| 大数 | たいすう | — | 10の72乗 | — |
万万進の表で「五千万極」のような読みが出るのは、恒河沙(万万極)まで 極の係数が1万を超えて伸びるからです。本の表そのものに刷られているのは 十・百・千の段までなので、万を挟んだ読みは注記「万万◯ヲ云」から計算で導いた形です。
3つのうち「今よく見る表」は、漢数字の変換の読み書き(「一恒河沙」→数、など) にもそのまま使われています。
出どころ: 京都大学蔵『塵劫記』は京都大学貴重資料デジタルアーカイブ RB00028548(新しいタブで開きます)(大数の表は6〜7コマ目。「万万極ヲ云」は7コマ目)。 国会図書館蔵『新編塵劫記』は国立国会図書館デジタルコレクション 104-180(4コマ目)(新しいタブで開きます)と同 166-133・元禄2年刊(5コマ目)(新しいタブで開きます)。 東北大学蔵の寛永4年版は東北大学総合知デジタルアーカイブ(新しいタブで開きます)。 兆までしか学校で扱わないことは小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編(新しいタブで開きます)で確認(詳しい引用は漢数字の変換)。 すべて2026年8月21日に閲覧。