日の出・日の入りの時刻
北緯 35.6581 度・東経 139.7414 度・標高 0 メートルとして計算します。 経緯度は国立天文台「各地のこよみ」に載っている値です。
いまの日本の定義 ── 太陽の上辺が地平線に来た瞬間。地平大気差 35′8″ + 視半径 15′59.63″ − 地平視差 8.794″。国立天文台。暦要項として官報に載る値。明治36年暦から。
この日の東京は夜が12分長い。夜の長さは12時間6分です。 昼と夜がちょうど12時間ずつになる 日は、実は春分の日でも秋分の日でもありません。下の解説をご覧ください。
4つの定義で並べると
| 定義 | 日の出 | 日の入り | 昼の長さ |
|---|---|---|---|
| いまの日本太陽の上辺 | 5:34 | 17:28 | 11時間54分 |
| フランス太陽の中心 | 5:35 | 17:27 | 11時間52分 |
| NOAA(アメリカ)太陽の上辺 | 5:34 | 17:28 | 11時間54分 |
| 計算だけ太陽の中心 | 5:38 | 17:24 | 11時間46分 |
いま選んでいる行には左に帯が付いています。 日本の公式値(暦要項・各地のこよみ)と比べられるのは「いまの日本」の行だけです。
よくある質問
日の出とは、太陽のどこが地平線に来た時刻ですか?
日本では太陽の上のふちです。国立天文台は「太陽の上辺が視地平線または水平線に一致する時刻を、日の出・日の入りの時刻と定義しています」と書いています。つまり太陽の姿が見え始める瞬間が日の出、見えなくなる瞬間が日の入りです。フランスは今も太陽の中心で定義しているので、同じ日でも日本より日の出が1分ほど遅くなります。
海外のサイトと時刻が1分ちがうのはなぜですか?
太陽の中心を地平線の下どこに置くかが違うからです。日本は地平大気差35分8秒に太陽の視半径を足し視差を引いて50分58.836秒、アメリカのNOAAはまとめて0.833度で固定します。差は1分角ほどですが、時刻にすると数十秒になり、分に丸めたときに1分ずれる日が出ます。このページで国立天文台の公表値762件と突き合わせたところ、日本の値なら98.4パーセント、0.833度なら89.6パーセントが完全に一致しました。どちらも1分以内には必ず収まります。
この時刻どおりに太陽が見えますか?
見えないことがあります。ここで出るのは標高0メートル・まわりに何も無いと仮定した計算値です。国立天文台も「日の出入りの方向に山・堤防・ビルなど障害物があっても考慮には入れません」と書いています。山の陰なら実際の日の出はもっと遅く、高いビルの上ならもっと早くなります。天気予報ではなく、天体の動きの計算です。
春分の日は昼と夜が同じ長さではないのですか?
同じになりません。東京の2026年3月20日は、日の出5時45分・日の入り17時52分で、昼が12時間7分、夜が11時間53分です。昼のほうが14分長くなります。理由は日の出の定義で、太陽の上のふちで測ることと、大気差で太陽が浮き上がって見えることの両方が、日の出を早め日の入りを遅らせるからです。東京で昼と夜がちょうど同じ長さになるのは3月17日で、春分の日より3日前です。国立天文台は、太陽が赤道を横切る瞬間から数えて4日ほどずれると書いています。
南中はなぜ12時ちょうどではないのですか?
理由が2つあります。1つは経度です。日本標準時は東経135度の時刻なので、そこより東にある場所は南中が早くなります。もう1つは均時差で、地球の軌道が楕円で地軸も傾いているために、太陽の進み方が1年の中でむらになります。2026年1月1日の東京の南中は11時44分でした。経度のぶんが約19分早く、均時差のぶんが約3分遅い、その差し引きです。
太陽が1日じゅう沈まない日があるのですか?
あります。緯度が高いところでは、夏に太陽が沈まない日(白夜)と、冬に太陽が昇らない日があります。日本の中にはありませんが、このページで経緯度を自分で入れれば確かめられます。たとえばノルウェーのトロムソ(北緯69.65度)を入れると、6月は日の出の時刻そのものが存在しない、と出ます。このページはそこに0時0分と書きません。存在しない数だからです。
日付と場所を入れると、日の出・南中・日の入りと昼の長さが出ます。 日本の公式の値(国立天文台)と同じ決まりで計算し、定義を切り替えて、海外との1分の差まで見せます。
明治35年、官報で「日の出」の意味が変わりました
日の出は「太陽が出た時刻」ですが、太陽のどこが出たら日の出なのかは だれかが決めないと決まりません。日本では明治35年(1902年)10月4日に、それが変わっています。文部省告示第165号「暦面記載ノ日出入時刻定メ方」が官報に載りました。
東京帝国大学ニ於テ編纂スル暦面記載ノ日出入時刻ハ従来太陽中心ノ地平線上ニ見ユル時刻ナリシ処明治三十六年暦ヨリハ太陽面最上点ノ地平線上ニ見ユル時刻ヲ以テ日出入時刻ト定ム
むずかしく見えますが、言っていることは1つです。それまでは太陽の真ん中が地平線に来た時刻を日の出と呼んでいた。 明治36年の暦からは、太陽のてっぺんが見えた時刻を日の出と呼ぶことにする。定義が変わった瞬間が、そのまま官報に残っています。
理由も残っています。国立天文台によれば、明治35年1月23日付の 台長から総長への文書に、太陽の中心で定義すると「日光が存在するのに夜中となる」から上辺で定義したい、と書かれています。 太陽の上半分が出ていて、あたりはもう明るいのに、暦の上ではまだ夜。その気持ち悪さを直したかったわけです。
言い方も変わっています。大正12年の暦までは「日面最上点」と書き、 それ以降は「日の上辺」と書いています。 指しているものは同じで、呼び名だけが読みやすくなりました。
そしてフランスは、今も太陽の中心で定義しています(国立天文台)。 つまりいまも世界で定義がそろっていません。 上の道具で「フランス」に切り替えると、同じ日の同じ場所で 日の出が1分ほど遅くなるのが見えます。
日の出の瞬間、太陽はまだ地平線の下にいます
もう1つ、決めておかないといけないことがあります。大気差です。 空気はレンズのように光を曲げるので、天体は実際より高いところから来るように見えます。 地平線の近くでいちばん大きくなり、 国立天文台はその量を35分8秒(35′8″)と決めています。
図のとおりです。太陽のてっぺんが地平線に見えたその瞬間、太陽は本当はまだ地平線の下にいます。見えているのは空気が曲げた光です。
日の出の時刻を出すには、太陽の中心が地平線の下どれだけにいるかを 決めればよいことになります。日本の決まりでは3つを足し引きします。
- 地平大気差
- 35′8″空気が光を曲げて太陽を持ち上げるぶん。そのぶん深く沈んでいても見える
- 太陽の視半径
- 15′59.63″上のふちで測るので、中心はさらに半径ぶん下。距離で変わるので 959.63″ ÷ R(R は太陽までの距離、単位は天文単位)で出す
- 地平視差(引く)
- 8.794″地球の中心から見た向きと、地面の上から見た向きのずれ。これだけは向きが逆なので引く
- 合計
- 50′58.836″日の出の瞬間、太陽の中心はここにいる。度になおすと約0.850度
太陽の見かけの大きさは1年の中で変わります。地球の軌道が真円ではないからです。だから視半径は固定の数ではなく、そのときの距離で割って出します。 上の道具の「いまの日本」は、そこまでやっています。
アメリカの値をそのまま使うと、日本の公式と1割食い違います
ここが、このページを作った理由です。NOAA(アメリカ海洋大気庁)の太陽計算機(新しいタブで開きます)は、説明ページに「日の出と日の入りの計算では 0.833度の大気差を仮定する」と書いています。0.833度で固定です。 日本の0.850度とは1分角ほど違います。
違うのは数だけではありません。日本は「大気差」「太陽の大きさ」「視差」を3つに分けて足し引きし、太陽までの距離でその都度計算し直します。 NOAA はぜんぶまとめて「大気差 0.833度」と呼び、1年じゅう固定です。 考え方の粒がそもそも違うわけです。
たった1分角ですが、時刻に直すと数十秒になります。 分に丸めるときに、そこで答えが割れます。 国立天文台が公表している値(官報に載る暦要項の東京と、各地のこよみの9地点)762件と1件ずつ突き合わせた結果がこれです。
| 使った値 | 分まで完全に一致 | 1分以内 |
|---|---|---|
| 35′8″ + 視半径 − 視差国立天文台と同じ。このページが使っている値 | 98.4% | 100% |
| 0.833度で固定NOAA と、それを移した多くのサイト | 89.6% | 100% |
1割の日で、日本の公式値と1分ずれます。しかも1分以内には必ず収まるので、画面を見ても絶対に気づけません。 「だいたい合っているから同じでしょう」で済ませられない理由がここにあります。 この一致率は、このサイトの単体テストが毎回計算し直して確かめています。
春分の日でも、昼のほうが14分長い
春分の日は「昼と夜が同じ長さの日」と習います。ところが合いません。東京の2026年3月20日(春分の日)は、日の出5時45分・日の入り17時52分。昼は12時間7分で、夜は11時間53分です。昼が14分長い。
犯人は、ここまで読んだ定義そのものです。国立天文台の説明を借りると、 太陽の中心の動きだけを考えれば春分では昼と夜がちょうど12時間ずつになるはずが、上のふちで測るぶん(視半径は約15′。時間にして約1分)と大気差のぶん(約35′。時間にして2分強)が、日の出を早め、日の入りを遅らせます。 しかも日本では太陽が斜めに昇るので、地平線を横切るのにもう少し時間がかかります。
上の道具で、自分で確かめられます。日付を2026年3月20日・場所を東京にして、定義を「いまの日本」から「計算だけ」へ切り替えてみてください。昼が14分長いが、夜が4分長いに変わります。この18分が、「上のふちで測る」と「大気差」のぶんです。
では昼と夜が本当に等しくなるのはいつか。日付を3月17日にしてみてください。東京では「昼と夜がちょうど同じ長さ」と出ます。春分の日より3日も前です。 国立天文台は、等しくなる日は春分・秋分から4日ほどずれると書いています (春分の「日」ではなく、太陽が赤道を横切る「瞬間」から数えた言い方です。 2026年のその瞬間は3月20日の23時46分なので、3月17日はちょうど4日ほど前になります)。 この春分の瞬間は二十四節気のひとつで、太陽黄経がちょうど0度になる瞬間と決められています。
南中も12時ちょうどにはなりません
太陽がいちばん高くなる時刻を南中といいます。 2026年1月1日の東京は11時44分でした。理由は2つあります。
1つは経度です。日本の標準時は明治19年勅令第51号(新しいタブで開きます)で「明治二十一年一月一日ヨリ東経百三十五度ノ子午線ノ時ヲ以テ 本邦一般ノ標準時ト定ム」と決められていて、この勅令は今も生きています。 東京は東経139.74度で、135度より約4.7度も東。 地球は1時間に15度回るので、約19分早く南中します。
もう1つは均時差です。地球の軌道が楕円で、地軸も傾いているので、 太陽の進み方は1年の中でむらになります。1月1日はこれが約3分ぶん遅れる側に効きます。19分早く、3分遅い。差し引き16分早い11時44分、というわけです。 場所を那覇(東経127.67度)に変えると、南中は12時33分まで遅くなります。
これは天気予報ではありません(そして法律の上でもそうです)
天気に関わることを勝手に発表してはいけない、という法律があります。気象業務法です。ではこのページは大丈夫なのか、条文で確かめました。二重に条文の外にあります。
- 気象業務法 第2条第1項
- この法律において「気象」とは、大気(電離層を除く。)の諸現象をいう。日の出は大気の現象ではなく、天体の運行です
- 同 第2条第6項
- この法律において「予報」とは、観測の成果に基づく現象の予想の発表をいう。ここでやっているのは観測ではなく、軌道の式からの計算です
とはいえ、言い方には気をつけます。ここに出る時刻は標高0メートル・まわりに障害物が無いと仮定した計算値であって、 「観測どおりの時刻」ではありません。国立天文台も「日の出入りの方向に山・堤防・ビルなど障害物があっても考慮には入れません」と書いています。山にさえぎられていれば、太陽が見えるのは計算より遅くなります。
天気の予報が知りたいときは、気象庁(新しいタブで開きます)をご覧ください。
持ち帰ってほしいこと
日の出の時刻は、観測して分かるものではなく、定義して決めるものです。太陽のどこを見るか、大気差をいくつにするか。 これを決めないと、時刻は1つに決まりません。
だから、日の出の時刻が書いてある表を見つけたら「どの定義で計算したか」を探してみてください。 書いていなければ、その数はほかの数と比べられません。 1分の違いは、まちがいではなく定義の違いかもしれないからです。
数値の出どころ: 定義と地平大気差 35′8″ は国立天文台 こよみ用語解説(新しいタブで開きます)、定義の変遷と明治35年文部省告示第165号の全文は同 暦Wiki「日の出入りの定義」(新しいタブで開きます)(告示そのものは国立国会図書館デジタルコレクションの官報(新しいタブで開きます)にあります)、視半径 15′59.63″ は同 暦Wiki「視半径」(新しいタブで開きます)、突き合わせた値は暦要項(新しいタブで開きます)と各地のこよみ(新しいタブで開きます)((C) 国立天文台)、太陽の位置の式はアメリカ海軍天文台(新しいタブで開きます)、条文はe-Gov 法令検索(新しいタブで開きます)から取っています。海上保安庁の『天測暦』は令和4年版で廃刊になっており、 海上保安庁自身が国立天文台へ案内しているので使っていません。