月の満ち欠け
- 太陽と月の角度(視黄経差)
- 211.2度この角度が形を決めます
- 陰暦(旧暦)の日にち
- 19日朔(新月)を含む日を1日として数えます
- この夜の月の呼び名
- 寝待月(ねまちづき)座っていても待ちきれないので、寝て待つ月。臥待月(ふしまちづき)ともいいます。
- 次の満月(望)
- 2026年10月26日 13時13分そのときの月齢は 15.51
- 次の新月(朔)
- 2026年10月11日 0時51分この回の満ち欠けは 29.52 日かかります
月齢は「正午の値」です。国立天文台は 「正午月齢とは地方標準時の正午における月齢です」と定めていて、暦に載っているのも この値です。だから同じ日でも、夜に見る月は表示より0.3〜0.4ほど進んでいます。 時刻は計算値で、国立天文台の発表(暦要項)と数分ずれることがあります。理由はこのページの下に書いています。
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1問目 / 全6問
よくある質問
月の満ち欠けとは何ですか?
地球から見て、月の光っている部分の形が日ごとに変わることです。形は太陽と月の角度(視黄経差)で決まり、太陽・月・地球が一直線に並ぶ瞬間が新月、太陽と月が地球をはさんで正反対に来る瞬間が満月です。一回りするのに平均で約29.53日かかります。
月齢とは何ですか?
朔(さく・新月)の瞬間からの経過時間を、日を単位にして表したものです。国立天文台は「月齢は朔(または新月)の瞬間からの経過時間(日数単位)で定義されます」と定めています。朔の瞬間に0.0で、1日たつごとに1ずつ増えます。暦に載っているのは「正午月齢」で、これは地方標準時の正午における月齢のことです。
月齢が分かれば月の形も分かりますか?
だいたいは分かりますが、正確には決まりません。国立天文台は「月齢は月の満ち欠けを表します。しかし、満ち欠け具合と月齢が1対1で対応するわけではありません。だいたい対応している程度です」と書いています。満月になるときの月齢が13.9から15.6まで動くので、月齢から形を逆算すると1日弱ずれます。このページは形のほうを、太陽と月の角度(視黄経差)から出しています。
十五夜の月は満月ですか?
限りません。陰暦15日は「月齢14.0を含む日」ですが、満ち欠け周期の半分は29.5÷2でおよそ14.8日です。0.8日ぶん足りないので、望(満月)は後になることが多くなります。国立天文台は「平均的には十五夜月が満月」「十四夜月から十七夜月までが満月となりえます」とまとめています。2026年は中秋の名月が9月25日、満月が9月27日で、まる2日ずれます。
満月の月齢はいつも15ですか?
いいえ、毎回ちがいます。月は地球のまわりを楕円の軌道で回っていて、近いところでは速く、遠いところでは遅く動きます。そのため朔から望までにかかる時間が変わり、国立天文台によれば「およそ13.9日〜15.6日」の幅で動きます。平均はおよそ14.8です。
上弦と下弦はどう見分けますか?
定義のほうは角度で決まっていて、太陽と月の視黄経の差が90度なら上弦、270度なら下弦です。呼び名の由来については、国立天文台は「沈むときに弦(まっすぐな部分)が上にあるか下にあるかによる、という人もいますが、単に陰暦で上旬の弦月、下旬の弦月程度の区別という人もいます」と、両方の説を併記しています。いまも説が分かれています。
満ち欠けの周期は何日ですか?
平均で約29.53日です。ただし一定ではなく、国立天文台は「29.3-29.8日で変化」すると書いています。地球も月も楕円の軌道を速さを変えながら回っているためで、急に変わるのではなく1年ほどかけてゆっくり動きます。月が地球を1周する時間(恒星月)は約27.3日で、こちらとは別のものです。
ブルームーンとは何ですか?
青い月が見えるわけではありません。今は「ひと月に満月が2回あるときの、2回目の満月」を指すことが多いのですが、国立天文台によれば、これは雑誌の記事から広まった誤解が定着したものです。もともとはアメリカの農事暦で「ひとつの季節に満月が4回あるときの、3回目の満月」を指していました。
なぜ「正午」の月齢なのですか?
暦に月齢が載るようになったのは明治43年の暦からで、当時は太陽の位置などを正午の値で載せるのが普通だったからです。第二次世界大戦後に暦象年表の刊行が始まったとき、ほかの値は世界時0時に変えられましたが、月齢だけは正午のまま今日まで続いています(国立天文台)。
日付を入れると、その日の月齢と月の形、次の満月と新月が出ます。月齢は平均の日数で割らずに、 国立天文台が発表している朔(新月)の時刻から数えています。
十五夜は、満月とはかぎりません
「十五夜のまんまるお月さま」と言いますが、十五夜と満月は別のものです。 十五夜は陰暦15日という日付の名前で、 満月(望)は太陽と月が地球をはさんで正反対に来る瞬間のことです。 決め方がまったく違うので、同じ日になるとは限りません。 月と太陽が一直線に並ぶ新月と満月のころには、海の潮の満ち引きも大きくなって大潮になります。
ずれる理由は数で説明できます。陰暦15日とは月齢14.0を含む日です。 いっぽう満ち欠けの周期の半分は29.5 ÷ 2 = およそ14.8日。0.8日ぶん足りないので、満月のほうが後になることが多くなります。 国立天文台はこれを 「平均的には十五夜月が満月」「十四夜月から十七夜月までが満月となりえます」とまとめています。
2026年は、まる2日ずれます
今年(2026年)は、その差がとくに大きく出る年です。中秋の名月は9月25日なのに、望(満月)は9月27日1時49分。まる2日おくれます。このときの満月の月齢は15.6ちかくあり、 動く幅(13.9〜15.6)のいちばん端に来ています。だからこれだけ離れました。
下の表は国立天文台が公表しているもので、計算ではなく発表された値そのものです。10年のうち名月と満月が同じ日なのは4回しかありません。
| 年 | 中秋の名月 | 望(満月) | ずれ |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 9月21日 | 9月21日8時55分・十四〜十五夜の月 | 同じ日 |
| 2022年 | 9月10日 | 9月10日18時59分・十五夜の月 | 同じ日 |
| 2023年 | 9月29日 | 9月29日18時58分・十五夜の月 | 同じ日 |
| 2024年 | 9月17日 | 9月18日11時34分・十五〜十六夜の月 | 1日おそい |
| 2025年 | 10月6日 | 10月7日12時48分・十五〜十六夜の月 | 1日おそい |
| 2026年今年 | 9月25日 | 9月27日1時49分・十六夜の月 | 2日おそい |
| 2027年 | 9月15日 | 9月16日8時04分・十五〜十六夜の月 | 1日おそい |
| 2028年 | 10月3日 | 10月4日1時25分・十五夜の月 | 1日おそい |
| 2029年 | 9月22日 | 9月23日1時29分・十五夜の月 | 1日おそい |
| 2030年 | 9月12日 | 9月12日6時18分・十四夜の月 | 同じ日 |
「十五夜」「十六夜」は陰暦の日付から来た呼び名で、形の名前ではありません。 国立天文台も、三日月について「もとは陰暦3日の月」と書いています。 このページの図が「十五夜の月」と言わずに「満月のころ」と書いているのは、日付の名前と形の名前を混ぜないためです。
月が1周するのは27.3日。なのに満ち欠けは29.5日かかります
月が地球のまわりを1周するのにかかる時間は約27.3日(恒星月)。 ところが満ち欠けが一回りするのは約29.5日(朔望月)。2日以上も長いのは、なぜでしょうか。
答えは地球も動いているからです。月が地球のまわりを回っている 27.3日のあいだに、地球のほうも太陽のまわりを30度ちかく進みます。 だから月が1周してもとの星の方向に戻ってきても、太陽の方向はずれている。 もう一度きれいに一直線(新月)になるには、その30度ぶんを追いかけて回らなければなりません。 これに約2日かかります。
満月の月齢は、毎回ちがいます
満月になったときの月齢を並べると、13.9から15.6までばらつきます (国立天文台)。平均はおよそ14.8。「満月=月齢15」ではありません。
理由は月の軌道が円ではなく楕円だからです。 月は地球に近いところでは速く、遠いところではゆっくり動きます (ケプラーの第2法則)。だから朔から望までにかかる時間が、回ごとに変わります。 朔と望のあいだに近地点が入れば短くなり、遠地点が入れば長くなります。
同じ理由で、上弦の月齢は6.6〜8.2、下弦は21.4〜22.8の間で動きます。 このページの計算でも 1900年から2100年までの2488回ぶんを数え直して、公表されている幅と同じになることを確かめてあります。
立って待つ、座って待つ、寝て待つ
満月をすぎると、月の出は毎日おそくなっていきます。 待ちくたびれる時間がのびていくので、昔の人は待つ姿勢で月に名前を付けました。
- 十七夜=立待月(たちまちづき) ── まだ立って待てる
- 十八夜=居待月(いまちづき) ── 座って待つ(「居る」は座ること)
- 十九夜=寝待月(ねまちづき) ── 寝て待つ
- 二十夜=更待月(ふけまちづき) ── 夜が更けるまで待つ
十六夜(いざよい)も同じ考え方です。「いざよう」はためらうという意味で、 十五夜より少しおくれて、ためらいがちに出てくる月のことです。 上の道具で日付を入れると、その夜の月にこうした呼び名があるかどうかも出ます。
ストロベリームーンは、月が赤いからではありません
6月の満月をストロベリームーンと呼びますが、 これは月が赤く見えるからではありません。 アメリカの農事暦が、月ごとの満月に季節の名前を付けていたもので、6月はイチゴの実る季節だから、というだけです。
国立天文台ははっきり否定しています ──「高度が低くて赤みがかって見えるから、ストロベリームーンと呼ぶわけではありません」。どの季節のどの月も、地平線の近くでは赤みがかって見えます。 4月のピンクムーンも同じで、月が桃色になるのではなく、 そのころ咲くシバザクラ(英語で moss pink)から来た名前です。
月齢が暦に載るようになったのは、明治43年からです
明治5年に太陽暦へ切り替わったあとも、暦には旧暦が長く併記されていました。 名前は太陰暦 → 太陰盈虚(たいいんえいきょ)→ 月盈虚と変わり、明治43年の暦でようやく併記が終わって、 代わりに置かれたのが月齢の欄です。 そこには「月ノ齢 朔ヨリ起算シタル日数」と説明が書かれていました(国立天文台)。
なぜ正午なのかも、このときの事情です。当時は太陽の位置などを正午の値で載せるのが普通でした。 戦後に暦象年表の刊行が始まったとき、 ほかの値は世界時0時に変えられましたが、月齢だけは正午のまま今日まで続いています。 だからいま暦に載っている月齢は「正午月齢」なのです。
この計算でどこまで言えるか
朔(新月)の時刻は、周期のずれを16個の項で補正する式で求めています。係数の原典は紙の本で、こちらでは確認できていません。そこで、係数が正しいことではなく出てきた答えが国立天文台の公表値と合うことを確かめる方針にしました。
- 暦要項(官報で発表されるもの)2025・2026・2027年の朔弦望148件と突き合わせて、ずれは最大でも約3分
- 1911年から2127年までの望33件でも同じ精度
- 満月・上弦・下弦の月齢が動く幅(13.9〜15.6 など)を計算し直して、公表されている幅を再現
平均の朔望月(29.53日)で割るやり方は採っていません。同じ朔と比べると最大14.10時間ずれました。半日を超えるので、朔の日付そのものが1日変わってしまいます。
残っている誤差も書いておきます。この計算は地球時(TT)と世界時(UT)の差(ΔT・2026年でおよそ69秒)を入れていないので、 時刻が1〜3分うしろにずれます。月齢にすると1000分の1日ほどで、 表示には出ません。ただし朔や望が真夜中の前後3分に来る回では、 出す日付が1日ちがう可能性があります。1900年から2100年の朔2488回のうち、 真夜中まで3分以内だったのは7回でした(たとえば2017年2月27日)。正確な日時が要るときは、下の国立天文台の発表を見てください。
数値と定義の出どころは(C) 国立天文台です。月齢と朔弦望の定義はこよみ用語解説「月のあれこれ」(新しいタブで開きます)、月齢の変動幅・名月と満月のずれ・月の呼び名は暦Wiki(新しいタブで開きます)、朔弦望の時刻は暦要項(新しいタブで開きます)(官報で発表されるもの)から取りました。図はすべて自分で描いたもので、 写真や図版は使っていません。