調べて分かる道具箱

通話表

どちらの表で引くか(和文と欧文は混ぜられません)

どちらの表で引くか

どちら向きに直すか

どちら向きに直すか

いま和文(かな・数字・記号)の表を、文字 → 言い方の向きに引いています。別表第五号 1 の表です。

見本を入れる

打った字は、この画面の中だけで表を引いています。一度に引けるのは2,000字までで、超えたときは、引くのをまるごと止めます(切ったことに気づけないため)。

送る言い方(そのままコピーできます)

大和のヤ、マツチのマ、煙草のタに濁点

打った字を1字ずつ別表第五号で引いたもの
打った字表の見出し送る言い方
ヤヤ大和のヤよみ: やまとのヤ
マママツチのマ
タタ煙草のタよみ: たばこのタ
゛゛濁点よみ: だくてん

カード4枚(1枚が表の1行です)。 濁音・半濁音は表に行が無く、清音と「濁点」「半濁点」の2枚に割れるので、打った字の数と枚数は合わないことがあります(「バ」=「はがきのハに濁点」)。

濁音・半濁音は表に行がありません。法令の使用例どおり、清音と「濁点」「半濁点」の2枚に割っています(「バ」=「はがきのハに濁点」)。カードの数と字の数が合わないのは、まちがいではありません。

表の見出しはカタカナです。ひらがなはカタカナに直して引いています。

別表第五号 1 和文通話表(法令の表そのまま)

「文字」の枠は 53 セルあります。 内訳は、言い方が書いてある字が 48、 法令が「―」で 空けている枠が 3、 濁点・半濁点が 2。 続けて数字が10行、記号が5行です。

表記は現代の仮名づかいに直していません。「切手(きつて)」「日本(につぽん)」「沼津(ぬまず)」は、公布された当時の 書き方のままです。直すと出典と食い違うので、そのまま出しています。

別表第五号 1 の「文字」の枠を、法令の並びのまま出したもの
字送る言い方
ア朝日のアよみ: あさひのア
イいろはのイ
ウ上野のウよみ: うえののウ
エ英語のエよみ: えいごのエ
オ大阪のオよみ: おおさかのオ
カ為替のカよみ: かわせのカ
キ切手のキよみ: きつてのキ
ククラブのク
ケ景色のケよみ: けしきのケ
コ子供のコよみ: こどものコ
サ桜のサよみ: さくらのサ
シ新聞のシよみ: しんぶんのシ
スすずめのス
セ世界のセよみ: せかいのセ
ソそろばんのソ
タ煙草のタよみ: たばこのタ
チちどりのチ
ツつるかめのツ
テ手紙のテよみ: てがみのテ
ト東京のトよみ: とうきようのト
ナ名古屋のナよみ: なごやのナ
ニ日本のニよみ: につぽんのニ
ヌ沼津のヌよみ: ぬまずのヌ
ネねずみのネ
ノ野原のノよみ: のはらのノ
ハはがきのハ
ヒ飛行機のヒよみ: ひこうきのヒ
フ富士山のフよみ: ふじさんのフ
ヘ平和のヘよみ: へいわのヘ
ホ保険のホよみ: ほけんのホ
ママツチのマ
ミ三笠のミよみ: みかさのミ
ム無線のムよみ: むせんのム
メ明治のメよみ: めいじのメ
モもみじのモ
ヤ大和のヤよみ: やまとのヤ
――ヤ行のイ・エとワ行のウ。その音が無いので枠だけ空けてある
ユ弓矢のユよみ: ゆみやのユ
――ヤ行のイ・エとワ行のウ。その音が無いので枠だけ空けてある
ヨ吉野のヨよみ: よしののヨ
ララジオのラ
リりんごのリ
ルるすいのル
レれんげのレ
ロローマのロ
ワわらびのワ
ヰゐどのヰ
――ヤ行のイ・エとワ行のウ。その音が無いので枠だけ空けてある
ヱかぎのあるヱ
ヲ尾張のヲよみ: をわりのヲ
ンおしまいのン
゛濁点よみ: だくてん
゜半濁点よみ: はんだくてん
別表第五号 1 の数字10行と記号5行
表の見出し打つ字送る言い方
一1数字のひとよみ: すうじのひと
二2数字のによみ: すうじのに
三3数字のさんよみ: すうじのさん
四4数字のよんよみ: すうじのよん
五5数字のごよみ: すうじのご
六6数字のろくよみ: すうじのろく
七7数字のななよみ: すうじのなな
八8数字のはちよみ: すうじのはち
九9数字のきゆうよみ: すうじのきゆう
〇0数字のまるよみ: すうじのまる
ーー長音よみ: ちようおん
、、区切点よみ: くぎりてん
└└段落よみ: だんらく
((下向括弧よみ: したむきかつこ
))上向括弧よみ: うわむきかつこ

数字の見出しは漢数字(一・二・〇)ですが、同じ表の注が例を算用数字(「1500」)で 書いているので、この道具はどちらで打っても同じ行を引きます。 記号の「段落」の字は └(U+2514)で、 同じ規則の別表第一号(モールス符号)の「段落」」(U+300D)とは別の字でした。写し間違いではなく、法令のXMLで実際に違います。

別表第五号 2 欧文通話表(A〜Z と数字)

文字は26行。使用する語と、その発音が並んでいます。 発音が2通り書いてある字が2つあります(C と U)。

別表第五号 2(1) の文字26行
字使用する語発音
AALFAAL FAH
BBRAVOBRAH VOH
CCHARLIECHAR LEE 又は SHAR LEE
DDELTADELL TAH
EECHOECK OH
FFOXTROTFOKS TROT
GGOLFGOLF
HHOTELHOH TELL
IINDIAIN DEE AH
JJULIETTJEW LEE ETT
KKILOKEY LOH
LLIMALEE MAH
MMIKEMIKE
NNOVEMBERNO VEM BER
OOSCAROSS CAH
PPAPAPAH PAH
QQUEBECKEH BECK
RROMEOROW ME OH
SSIERRASEE AIR RAH
TTANGOTANG GO
UUNIFORMYOU NEE FORM 又は OO NEE FORM
VVICTORVIK TAH
WWHISKEYWISS KEY
XX―RAYECKS RAY
YYANKEEYANG KEY
ZZULUZOO LOO

⭐ 法令の使用例は、綴りではなく発音のほうを例にしています ── 「「A」は,「AL FAH」と送る。」。送るのは ALFA という語そのものではなく、 その読み方だ、ということです。

法令の注は「ラテンアルファベットによる英語式の発音の表示において,下線を付してある部分は語勢の強いことを示す。」と書いていますが、この下線はページに再現していません。 法令のXMLでは、この列(国際音標文字による表示)と下線が画像で入っていて、文字として取り出せなかったからです。 取り出せなかったものを、それらしく描き足すことはしません。

数字と記号は17行で、列が3つに分かれています (海上移動業務(国際通信)・海上移動業務(国内通信)・航空移動業務)。 海上移動業務(国内通信)には発音の列がありません。無いものを「—」で埋めずに、 列そのものが無いと書いています。

別表第五号 2(2) の数字と記号17行・3つの欄
見出し海上移動業務(国際通信)海上移動業務(国内通信)航空移動業務
0NADAZERONAH-DAH-ZAY-ROH数字のまるよみ: すうじのまるZEROZE-RO
1UNAONEOO-NAH-WUN数字のひとよみ: すうじのひとONEWUN
2BISSOTWOBEES-SOH-TOO数字のによみ: すうじのにTWOTOO
3TERRATHREETAY-RAH-TREE数字のさんよみ: すうじのさんTHREETREE
4KARTEFOURKAR-TAY-FOWER数字のよんよみ: すうじのよんFOURFOW-er
5PANTAFIVEPAN-TAH-FIVE数字のごよみ: すうじのごFIVEFIFE
6SOXISIXSOK-SEE-SIX数字のろくよみ: すうじのろくSIXSIX
7SETTESEVENSAY-TAY-SEVEN数字のななよみ: すうじのななSEVENSEV-en
8OKTOEIGHTOK-TOH-AIT数字のはちよみ: すうじのはちEIGHTAIT
9NOVENINENO-VAY-NINER数字のきゆうよみ: すうじのきゆうNINENIN-er
00航空移動業務で、端数のない百位の数字に使う(注2)。この道具は1桁ずつ読むので使わない。——HUNDREDHUN-dred
000航空移動業務で、端数のない千位の数字に使う(注3)。この道具は1桁ずつ読むので使わない。——THOUSANDTOU-SAND
.(小数点)DECIMALDAY-SEE-MAL小数点よみ: しようすうてんDECIMALDAY-SEE-MAL
.(終点)同じ「.」でも終点は別の行。打った「.」は小数点として引いている。STOPSTOP終点よみ: しゆうてん—
(⭐ 和文の表では同じ記号を「下向括弧」と呼ぶ。—右向括弧よみ: みぎむきかつこ—
)⭐ 和文の表では同じ記号を「上向括弧」と呼ぶ。—左向括弧よみ: ひだりむきかつこ—
/—斜線よみ: しやせん—

発音の欄にある小文字(FOW-er・NIN-er・HUN-dred)は、 打ち間違いではありません。注1が「ラテンアルファベットによる英語式の発音の表示において,大文字の部分は語勢の強いことを示す。」と書いていて、大文字のところを強く読むという意味です。 こちらの注は文字として法令のXMLに残っているので、法令のまま出しています (文字の表の「下線」とは別の注です)。 ただしこの欄も、上の文字の表と同じで全部は写せていません ── 航空の発音の欄には「国際音標文字による表示」が続けて入っていて、 そちらは文字ではなく画像だからです。 この表で13枚、文字の表とあわせて41枚あります。

法令が自分で解いてみせている使用例

別表第五号 2(2) には、数字の読み方の例が10件ついています。 ⭐ 同じ数でも、海上(国際通信)と航空では別の音になります。

別表第五号 2(2) の使用例。改行は法令の表のまま
数海上移動業務(国際通信)航空移動業務
10OO-NAH-WUN NAH-DAH-ZAY-ROHWUN ZE-RO
75.7SAY-TAY-SEVEN PAN-TAH-FIVE DAY-SEE-MAL SAY-TAY-SEVENSEV-en FIFE DAY-SEE-MAL SEV-en
100OO-NAH-WUN NAH-DAH-ZAY-ROH NAH-DAH-ZAY-ROHWUN HUN-dred
118OO-NAH-WUN OO-NAH-WUN OK-TOH-AITWUN WUN AIT WUN WUN AIT DAY-SEE-MAL ZE-RO(注)
118.1OO-NAH-WUN OO-NAH-WUN OK-TOH-AIT DAY-SEE-MAL OO-NAH-WUNWUN WUN AIT DAY-SEE-MAL WUN
118.125OO-NAH-WUN OO-NAH-WUN OK-TOH-AIT DAY-SEE-MAL
OO-NAH-WUN BEES-SOH-TOO PAN-TAH-FIVE
WUN WUN AIT DAY-SEE-MAL WUN TOO FIFE
WUN WUN AIT DAY-SEE-MAL WUN TOO(注)
118.150OO-NAH-WUN OO-NAH-WUN OK-TOH-AIT DAY-SEE-MAL OO-NAH-WUN
PAN-TAH-FIVE NAH-DAH-ZAY-ROH
WUN WUN AIT DAY-SEE-MAL WUN FIFE ZE-RO
WUN WUN AIT DAY-SEE-MAL WUN FIFE(注)
7600SAY-TAY-SEVEN SOK-SEE-SIX NAH-DAH-ZAY-ROH NAH-DAH-ZAY-ROHSEV-en TOU-SAND SIX HUN-dred
11000OO-NAH-WUN OO-NAH-WUN NAH-DAH-ZAY-ROH NAH-DAH-ZAY-ROH NAH-DAH-ZAY-ROHWUN WUN TOU-SAND
38143TAY-RAH-TREE OK-TOH-AIT OO-NAH-WUN KAR-TAY-FOWER TAY-RAH-TREETREE AIT WUN FOW-er TREE

⭐ この10件を2つの欄で読むと20通りになります。 そのうち、上の道具の「1桁ずつ読む」やり方で16通りが法令の例と一字一句そろい、4通りはそろいません。 そろわないのは次の行です── どれも航空移動業務の欄でした。

  • 100(航空移動業務)── 注2(端数のない百位に HUNDRED を使う)が効いている行
  • 118(航空移動業務)── VHF 周波数の注(小数点の後は最大2けた・整数なら ZE-RO を1回)が効いている行
  • 7600(航空移動業務)── 注2(端数のない百位に HUNDRED を使う)が効いている行
  • 11000(航空移動業務)── 注3(端数のない千位に THOUSAND を使う)が効いている行

⭐ そろわない理由は、法令の注のほうに書いてあります。注2は「HUNDREDは,航空移動業務において,端数のない百位の数字の発音に使用する。」、 注3は「THOUSANDは,航空移動業務において,端数のない千位の数字又はHUNDREDの語を使用する数字における千位の数字の発音に使用する。」。まとめて読む決まりは航空移動業務についてのものだと、 条文自身が言っています。この道具は1桁ずつ読むので、その行だけ再現しません (周波数の読み上げ器は作らないと決めています)。 そろわない行があることを、数で出して隠さないようにしました。

やってみる

1問目 / 全5問

「バ」は、通話表でどう送りますか?

よくある質問

「朝日のア」は、誰が決めたのですか

法律の下にある決まり(省令)です。無線局運用規則という規則の別表第五号に「通話表」という表があって、そこに「ア 朝日のア」「イ いろはのイ」と一字ずつ書いてあります。この規則は昭和25年に、電波監理委員会という今はもう無い役所が作りました。だから「誰かが考えた語呂合わせ」ではなく、開けば必ずそこにある表です。このページの言い方は、その表を e-Gov の法令データ(機械が読むためのXML)からそのまま写しています。

ひらがなで打ってもいいですか

はい。表の見出しはカタカナですが、この道具はひらがな・カタカナ・半角カタカナ・全角の英数字を全部受け取って、表を引ける形に直してから答えを出します。「あさひ」でも「アサヒ」でも「アサヒ」でも同じ結果になります。ただし直したときは「ひらがなはカタカナに直して引いています」のように、画面に必ず書きます。黙って直すと、なぜその答えになったのかが分からなくなるからです。

漢字を打つと、どうして変換されないのですか

漢字の読み方がひとつに決まらないからです。「東」は「ひがし」とも「とう」とも読み、「一日」は「ついたち」とも「いちにち」とも読みます。機械に当てさせることはできますが、外すことがあります。外した読みを「法令ではこう送ります」と出してしまうと、まちがいを教えることになります。だからこの道具は、漢字が混ざったらそこを空にせず「読み方が決められない字」として列に残し、よみを打ってくださいと出します。

「バ」や「パ」は、どう言えばいいのですか

「はがきのハに濁点」「はがきのハに半濁点」です。別表第五号の「使用例」の2に、そのとおり書いてあります ──「「バ」又は「パ」は,「はがきのハに濁点」又は「はがきのハに半濁点」と送る。」。通話表には「バ」の行そのものが無く、清音の行と「゛濁点」「゜半濁点」の行を組み合わせて送ります。だからこの道具は、バを「はがきのハ」と「濁点」の2枚のカードに分けて見せます。カードの数が字の数と合わないのは、まちがいではありません。

アルファベットの「ジュリエット」は、なぜ t が2つ(JULIETT)なのですか

別表第五号の欧文通話表にも、NATO の公式ページにも「JULIETT/Juliett」と t が2つで載っています。ただし「なぜ2つなのか」の理由は、このページで開いた一次資料のどれにも書かれていませんでした。よく言われる説明はありますが、確かめられていないので、ここでは書きません。確かなのは、日本の法令と NATO の表がどちらも t 2つで一致している、ということだけです。

数字の9を「ナイナー」と言うのは本当ですか

航空の無線では本当です。別表第五号の2(2)にある航空移動業務の欄は、使用する語が NINE、発音が NIN-er と書いてあります。アメリカの FAA の手引き(AIM 4-2-7)にも同じ Nine (NIN-ER) が載っていて、両方の国の公式文書が一致します。ただしこれは航空の欄の話で、海上移動業務の国際通信では NOVENINE、海上の国内通信では「数字のきゆう」です。同じ9でも、どの業務で誰と話すかで読み方が変わります。

警察や自衛隊やコールセンターの通話表も、同じですか

分かりません。このページでは、それらの表の一次資料を開けていないので、何も書きません。分かっているのは、無線局運用規則の第14条第4項が「海上移動業務及び航空移動業務以外の業務の無線電話通信においても、語辞を一字ずつ区切つて送信する場合は、なるべく前項の通話表を使用するものとする。」と書いていることです。「なるべく」なので、海上と航空以外では義務ではありません。だから組織ごとに別の表を作っても、規則に反するわけではありません。

この表を覚えたら、無線を使えますか

使えません。このページは記号のしくみを紹介する読み物と道具で、無線の教材ではありません。日本で無線機を使うには、無線局の免許や、無線従事者の資格が要ります(アマチュア無線もそうです)。表を覚えることと、電波を出してよいかどうかは別の話です。ここに載せた条文も、読みやすさのために言いかえているところがあります。正確な条文は e-Gov 法令検索の無線局運用規則を見てください。

「1500」は、どう送るのですか

3通り書いてあります。別表第五号の1の注によると、まちがえるおそれが無いと思えるときは、ふつうの発音で「せんごひやく」と言ってもよく、また「数字の」を省いて「ひとごまるまる」と送ってもよい、とされています。省かないなら「数字のひと・数字のご・数字のまる・数字のまる」です。上の道具には「『数字の』を省く」という切りかえを付けてあるので、注に書いてある2通りを見くらべられます。注の原文は「数字を送信する場合には,誤りを生ずるおそれがないと認めるときは,通常の発音による(例「1500」は,「せんごひやく」とする。)か又は「数字の」の語を省略する(例「1500」は,「ひとごまるまる」とする。)ことができる。」です。

電話で名前が通じないとき、「朝日のア、いろはのイ」と一字ずつ言い直します。 この言い方は誰かの思いつきではなく、無線局運用規則の別表第五号に 一字ずつ書いてあります。打った字をその言い方に直し、 受け取った言い方から字にも戻します。

「朝日のア」は語呂合わせではなく、法令の別表に一字ずつ書いてあります

電話で名前が通じないときに使う「朝日のア、いろはのイ」。これは誰かが考えた覚え方では なく、無線局運用規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十七号)の別表第五号「通話表(第14条関係)」に 一字ずつ書いてあります。e-Gov の法令データで全文のXMLを取ると、表のセルは 「ア 朝日のア」で、しかも「朝日」に「あさひ」というルビが付いたまま入っています。ふつうに「朝日のア」で文字を探しても見つからないのは、 ルビの印があいだに挟まっているからです。

数えると、文字の枠が53セル(言い方のある字48・空けてある枠3・濁点と半濁点2)、数字が10行、 記号が5行。第14条第3項は 「別表第五号に定める通話表を使用しなければならない」と書いていて、 海上と航空の無線電話では守らなければならない決まりです。 同じ規則の別表第一号はモールス符号なので、この2つは 同じ規則の中の兄弟の表になっています。potamo のモールス符号のページが使っているのは、そのもう一方です。

濁点は「文字」ではなく、あとから付ける印として送ります

表を上から下まで探しても「バ」の行はありません。かわりに別表第五号の「使用例」の2に、 こう書いてあります ──「「バ」又は「パ」は,「はがきのハに濁点」又は「はがきのハに半濁点」と送る。」。つまり通話表では、濁音・半濁音をいったん 清音に戻し、うしろに「〜に濁点」を付けて送ります。 表を見ながら自分でやると、ここでいちばん詰まるところです。

上の道具はバを「はがきのハ」と「濁点」の2枚のカードに割って見せるので、詰まりません。同じ考え方は別表第一号のモールスにもあって、 ガはカの符号のうしろに濁点の符号を続けて打ちます。日本語の濁点は別の文字ではなく印であるという扱いが、 法令の表の作りにそのまま出ています。

表は旧かなのまま止まっています ── 切手(きつて)・日本(につぽん)

法令のルビをそのまま読むと、キの行は「切手(きつて)」、ニの行は「日本(につぽん)」、 マの行は「マツチのマ」、9は「数字のきゆう」。促音や拗音を小さく書かない、公布された昭和25年当時の書き方のまま 止まっています。ヲの行は「尾張(をわり)」、ヌの行は「沼津(ぬまず)」で、 いまの仮名づかい(おわり・ぬまづ)とも違います。

このページは表記を現代風に直しません。直してしまうと出典と食い違い、 「法令にこう書いてある」という一番の売りが崩れるからです。 法令が古い書き方のまま生きているところを、そのまま見てもらうことにしました。

ヤ行のイとエ、ワ行のウには「―」が引いてあります

和文の表は五十音の枠で組まれていて、ヤ行のイとエの位置、ワ行のウの位置に、 語ではなく「―」が入っています。数えるとちょうど3か所。 ヤ行とワ行にはその音が無いので、枠だけ残して中身を空けてあるのです。

一方でワ行の「ヰ」と「ヱ」にはちゃんと語が入っていて、「ゐどのヰ」と「かぎのあるヱ」。 いまの学校では習わない字が、現行の法令の表には生きて残っています。 文字48という数は、この ヰ・ヱ を数えたうえでの数で、 別表第一号(モールス)の和文48文字と同じ顔ぶれになります。 単体テストが、この2つの表の文字の集合がぴたりと一致することを確かめています ── 別々に書き写した表が一致するので、どちらの写しも合っていると言えます。

欧文の数字の言い方は3通りあります ── 航空・海上(国際)・海上(国内)

別表第五号の2(2)は、数字の欄が3つの列に分かれています。航空移動業務は ZERO・ONE・TWO…で、発音は ZE-RO・WUN・TOO・TREE…。海上移動業務(国際通信)はまったく別で、 NADAZERO・UNAONE・BISSOTWO…と、英語の数詞の前に別の言葉がくっついた形になっています。海上移動業務(国内通信)は和文と同じ「数字のまる」「数字のひと」です。

⭐ つまり「無線での数字の読み方」はひとつではなく、どの業務で、どこと話すかで変わります。 上の道具はその3つの列をそのまま3つの切りかえにしました。 法令が使用例に載せている 118.1 を並べると、こうです。

118.1航空移動業務
WUN WUN AIT DAY-SEE-MAL WUN
118.1海上移動業務(国際通信)
OO-NAH-WUN OO-NAH-WUN OK-TOH-AIT DAY-SEE-MAL OO-NAH-WUN

同じ数字が、欄を替えるとここまで変わります。上の道具で切りかえて見くらべてみてください。

同じ「(」なのに、和文の表と欧文の表で呼び名が違います

和文の記号の欄は「( 下向括弧」「) 上向括弧」。ところが欧文の欄では、 同じ記号を「右向括弧」「左向括弧」と呼んでいます。同じ法令の、同じ別表の中で、呼び名が入れ替わっているのです。

なぜ入れ替わっているのかは、開いた資料のどこにも書かれていませんでした。「法令はもともと縦書きだから、縦に組んだ紙の上では開き括弧が下を向くのだろう」という 説明を思いつきますが、確かめると裏づけになりませんでした。e-Gov のXMLで文に付く 「縦書き」の印(WritingMode="vertical")は、欧文の欄の「右向括弧」の文にも同じように付いているからです。 XMLの上では、和文の欄と欧文の欄で組み方が分かれていません。 だから理由は決めつけずに、確かめられたことだけを書きます ──同じ別表の中で、同じ記号の呼び名が入れ替わっている。

ついでに和文の記号には「長音」「区切点」「段落」があり、欧文には「斜線」があります。 記号の顔ぶれまで、和文と欧文でそろっていません。

アルファ・ブラボーは1956年生まれ。1927年の表では T が Tokio でした

NATO の公式ページ「The NATO phonetic alphabet」に、いまの表に落ち着くまでの並びが 全部載っています。1927年に ITU が作った最初の国際的な通話表は都市と国の名前でできていて、Amsterdam, Baltimore, Canada, Denmark, … Santiago, Tokio, Uruguay, Victoria, Washington, Xantippe, Yokohama, Zululand。T と Y が日本の地名でした。

1941年に米軍が Able Baker を採り、1951年に IATA が Alfa, Bravo, Coca …(N は Nectar) を出します。NATO は N を November にするかどうかで議論したうえで、1956年3月1日から今の表を有効にしました。 日本の別表第五号の欧文表は、この1956年の表と同じ顔ぶれです。

ただし「同じ」と言い切る前に、数えて確かめました。NATO が公開している掲示物と 別表第五号の欄を26字ぶん突き合わせると、違うのは3件だけ です。 ただし突き合わせたのは1つ目の発音だけです ── 法令が2通り書いているC と Uについて、掲示物は1つずつしか 載せていないので、そこはくらべようがありません。

H違うのは発音
法令 HOH TELL / NATO hoh-tel
V違うのは発音
法令 VIK TAH / NATO vic-tah
X違うのは使用する語
法令 X―RAY / NATO Xray

NATO の表そのものは、このページには載せていません(掲示物に著作権の表示が あるためです)。載せているのは、突き合わせて違った3件と、「26字のうち違うのは3件だけ」という数までです。

漢字は変換しません ── 決められないものを、決めたふりをしないため

「和文通話表 漢字」と調べる人がいますが、この道具は漢字を通話表に直しません。漢字の読み方はひとつに決まらないからです。「東」は ひがし とも とう とも読み、「一日」は ついたち とも いちにち とも読みます。 読みを機械で当てるには形態素解析の辞書が要り、数メガバイトを積んでも外すときは 外します。外した読みを「法令ではこう送ります」と出したら、まちがいを教えることに なります。

だから漢字が混ざったら、そのセルを空にせず「読み方が決められない字」として列に残し、 「よみを打ってください」と出します。読めない入力に空文字や0を返さないのは potamo 全体の決まりです。 そもそも第14条第3項は「一字ずつ区切つて送信する場合」の表なので、 一字ずつのよみを打つのが、この表の本来の使い方でもあります。

一般の無線では「なるべく」使う ── 義務と努力義務が条文で分かれています

第14条第3項は、海上移動業務と航空移動業務について 「海上移動業務又は航空移動業務の無線電話通信において固有の名称、略符号、数字、つづりの複雑な語辞等を一字ずつ区切つて送信する場合及び航空移動業務の航空交通管制に関する無線電話通信において数字を送信する場合は、別表第五号に定める通話表を使用しなければならない。」と書きます。ところが続く第4項は、言い方が変わります ── 「海上移動業務及び航空移動業務以外の業務の無線電話通信においても、語辞を一字ずつ区切つて送信する場合は、なるべく前項の通話表を使用するものとする。」。

アマチュア無線や、そのほかの業務無線では「なるべく」であって義務ではないということです。だから会社や役所が自分たちの表を作っても、法令に反するわけでは ありません。コールセンターや警察や自衛隊で使われていると言われる独自の表に ついては、このページでは一次資料を1本も開けていないので、何も書きません。 書けるのは、開いて確かめた別表第五号のことだけです。

和文通話表・欧文通話表の一覧は、すでにいくつも公開されています。 このページが足しているのは3つだけです ──打った字がその場で表に当たること、当たらなかったら理由を言うこと、表を法令の機械可読データまで遡って出していること。 同じ規則のもう一方の表はモールス符号に、 船が旗と形で伝える合図は国際信号旗と船の記号と合図に、 記号そのものの名前は記号の名前にあります。

表に出ている数(53セル・48字・26行・17行・使用例の20通り中16通り)は、 すべてこのページがその場で数えたものです。よそから写した数字はひとつもありません。 逆引きで受け取れる言い方は、和文121通り・欧文118通り です。

出どころ: 通話表の表・注・使用例・第14条は、e-Gov 法令検索の無線局運用規則(新しいタブで開きます)です。このページ(人が読むほう)は開いても本文が返ってこないので、中身は法令API(機械が読むXML)で確かめました(1,149,613バイト)。根拠の電波法第61条は同じく e-Gov の電波法(新しいタブで開きます)、航空の発音はFAA の AIM 4-2-7(新しいタブで開きます)、通話表の歴史はNATO「The NATO phonetic alphabet」(新しいタブで開きます)で確かめました。 上の「違うのは3件」を数えた相手は、この歴史のページではなくNATO の掲示物PDF「NATO phonetic alphabet, codes & signals」(新しいタブで開きます)(1,411,030バイト)のほうです。歴史のページには発音の欄がないので、そちらでは数えられません。確かめられなかったことは次のとおりです。 開けていないので、上の出どころには並べていません。

ICAO Doc 9432 Manual of Radiotelephony
HTTP 403 で拒否された
IMO 決議 A.918(22)(SMCP)
HTTP 404 で見つからなかった
総務省 電波関係法令 無線局運用規則
HTTP 403 で拒否された
別表第五号 欧文の「国際音標文字による表示」(2(1) の28行と 2(2) 航空の13行)と、発音欄の下線
国際音標文字は法令XMLでは画像(Fig)で入っていて文字にできず、下線を表す指定はXMLに1つも無い