調べて分かる道具箱

モールス信号の変換

符号を受け取って読みたい方は、受け取った符号を、文字にするへどうぞ。

文字を符号にする

例を入れる

送る符号

-.. ..--. -. -..-.

全部で 47 単位(短点1つぶんを1単位として数えた長さ)。

打つ速さ

いま鳴らしているのは ポタモ。短点1つが 150 ミリ秒で、長点はその3倍です。 速さを変えても長さの比は変わりません。

入れた文字を1字ずつ符号にしたもの
字符号長さ
ホ-..7単位
゜半濁点..--.13単位
タ-.5単位
モ-..-.13単位

受け取った符号を、文字にする

どちらの表で読むか(和文と欧文は混ぜられません)

どちらの表で読むか

いま和文(かな)の表で読んでいます。無線局運用規則 別表第一号 1 の表です。

例を入れる

和文(かな)として読むと

ラレラ

よくある質問

和文モールスと欧文モールスは何が違うのですか?

使う表がまるごと違います。欧文は A〜Z と数字・記号の表、和文はイロハ48文字と濁点・半濁点・長音などの表です。日本では無線局運用規則の別表第一号が両方を定めていて、1が和文、2が欧文です。同じ符号でも、どちらの表で読むかで別の字になります。だからこのページは、符号を読む前にモードを選んでもらう作りにしています。

同じ符号が、和文と欧文で別の字になることがあるのですか?

あります。しかも例外がありません。欧文の A〜Z 26文字は、1文字残らず和文のどれかの字と同じ符号です。A はイ、B はハ、E はヘ、S はラ、T はム。記号もぶつかっていて、欧文の右括弧は和文では左向きの括弧、欧文のピリオドは和文では読点にあたる区切点です。表から計算して数えると、重なりは36組あります。

短点と長点の長さは、どれくらい違うのですか?

長点は短点のちょうど3倍です。ITU-R M.1677-1 という国際規格が、短点1つぶんを1単位として、長点は3単位、同じ字の中の点と点のすきまは1単位、字と字のすきまは3単位、語と語のすきまは7単位と定めています。決まっているのは比だけです。だから速く打っても遅く打っても、同じ符号として読めます。

モールス信号を音で聞けますか?

聞けます。文字から符号に直すと「▶ 聞いてみる」のボタンが出て、押すとその符号のとおりに音が鳴ります。打つ速さは5・8・12・20語/分から選べて、選んだ速さでの短点1つの長さがミリ秒で出ます。長点はその3倍です。速さを変えても、この1対3の比は変わりません。

SOS はなぜ SOS なのですか?

実は、決めた条文に「SOS」という3文字は出てきません。1906年ベルリンの業務規則第16条は「遭難船は次の信号を使う」と書いて、短点3・長点3・短点3 の符号そのものを印刷しているだけです。文字を当てる記述も、なぜこの並びにしたのかの説明もありません。Save Our Souls や Save Our Ship は、後から付けられた語呂合わせです。

「ガ」や「パ」はどうやって送るのですか?

濁点と半濁点にも符号があり、字の後ろに続けて打ちます。ガはカの符号(・-・・)の後ろに濁点(・・)、パはハの符号(-・・・)の後ろに半濁点(・・--・)です。つまりガは2つ、パも2つの符号を送ることになります。この決まりも無線局運用規則の別表第一号に書かれています。

小さい「ゃ」や句点「。」は送れますか?

和文の表に符号がありません。小書きの字は大きい字と区別できないので、キョウはキ・ヨ・ウとして送ります。句点「。」にいたっては置きかえ先も決まっていないので、このページでは近い符号に寄せずに「符号が無い」とそのまま出します。ないものをあるように見せると、受け取る側が読み違えるからです。

数字は和文と欧文で同じですか?

同じです。0〜9の10個は和文の表でも欧文の表でもまったく同じ符号で、どちらも5つの点でできています。ただし和文にはもう1つ「数字の略体」という短い書き方の表があり、そちらでは1が・-、0が-になります。この略体は欧文のAや和文のイと同じ符号なので、どの表で読むかを決めていないと読めません。

文字を符号に、符号を文字に直します。和文と欧文はモードで分けています── 同じ符号が、どちらの表で読むかで別の字になるからです。

短点と長点の長さの比は、1対3と決まっています

モールス符号でいちばん大事な決まりは、実は文字の表ではなく長さの比のほうです。国際規格ITU-R M.1677-1(新しいタブで開きます)の第2節が、短点1つぶんを1単位として、次のように定めています。

短点は1単位、長点は3単位、文字の間は3単位133ET
左が E(トン1つ・1単位)、右が T(ツー1つ・3単位)。 あいだの3単位が、字と字のすきまです。青い帯が音の出ているところ。
短点(トン)
1単位
長点(ツー)
3単位 ── 短点のちょうど3倍
同じ字の中の、点と点のすきま
1単位
字と字のすきま
3単位
語と語のすきま
7単位

ここが面白いところです。1単位が何秒なのかは、どこにも決まっていません。決まっているのは比だけ。だから、ゆっくり打っても速く打っても、同じ符号として読めます。 音の長さそのものではなく長さの比で字を決めたから、機械でも人でも、 速さを合わせずに読み取れるわけです。

E は1単位、Q は13単位 ── 字によって13倍ちがいます

比が決まっていると、1字を送るのにかかる時間が計算できます。 E(トン1つ)は1単位。いちばん長い J・Q・Y は13単位で、13倍の差があります。 上の道具の表に、1字ずつの長さを出しているのはそのためです。

では、短い符号はどの字に当たっているのでしょうか。 このページを作るときに読んだ1906年ベルリン条約の英語の原文(新しいタブで開きます)で、a〜z を実際に数えてみました(18万3868字)。1位は e、2位は t ── そしてこの2つが、1要素だけで書ける2文字です。

数えた出現数で重みを付けると、実際の英文は1字あたり平均およそ6.0単位。 26文字を等しく使ったときはおよそ8.2単位なので、約1.4倍速く送れることになります。 よく使う字ほど短い符号になっている、というわけです。

ただしなぜそう割り当てたのかを書いた一次資料は、見つけられませんでした。 「活字ケースの活字の数を数えて決めた」という話をよく見かけますが、 確かめられなかったので、ここには書きません。 確かなのは、いま数えて分かることだけです。

逆に、数字10個はきれいに揃っていません。 要素の数はどれも5つでそろうのに、 5(トン5つ)は9単位、0(ツー5つ)は19単位で、2倍以上の差があります。 要素の数がそろっていることと、長さがそろっていることは別なのです。

和文と欧文を混ぜると、どちらとも読めてしまいます

このページがモードを分けているのは、見た目の都合ではありません。同じ符号が、和文と欧文で別の字を指すからです。

しかも例外がありません。欧文の A〜Z の26文字は、1文字残らず和文のどれかの字と同じ符号です。 A はイ、B はハ、E はヘ、S はラ、T はム。「この字だけは大丈夫」という逃げ道が1つも無いので、 どちらの表で読むかを決めずに符号だけ受け取っても、意味は決まりません。

下の表は、2つの表から機械で数え上げたものです(36組)。 手で書き写した一覧ではないので、どちらかの表を直せばここも一緒に変わります。

同じ符号が和文と欧文で別の字を指す組
符号欧文では和文では
-Tム
.Eヘ
--Mヨ
-.Nタ
.-Aイ
..I゛(濁点)
---Oレ
--.Gリ
-.-K/どうぞワ
-..Dホ
.--Wヤ
.-.Rナ
..-Uウ
...Sラ
--.-Qネ
--..Zフ
-.--Yケ
-.-.Cニ
-..-X/×(掛け算)マ
-...Bハ
.---Jヲ
.--.Pツ
.-..Lカ
..-.Fチ
...-Vク
....Hヌ
-.--.((左括弧)ル
-.-.-送信の初めサ
-..-./(斜線・割り算)モ
-...-=(二重線)メ
.-.-.+(十字符・足し算)ン
.-...待ってオ
..-..Éト
-.--.-)(右括弧)((下向き括弧)
.-.-.-.(終点(ピリオド))、(区切点)
.-..-."(引用符(前と後ろの両方に打つ)))(上向き括弧)

数字の0〜9も和文と欧文で同じ符号ですが、どちらも同じ数を指しているので、 この表からは外してあります。食い違わないからです。

括弧は、左右が入れかわってぶつかります

重なりの中でも、いちばん厄介なのがここです。 -.--.- は欧文では右の括弧ですが、和文では左向きの括弧にあたります。閉じたつもりが開いているわけで、 文の意味が反対に読めてしまう可能性があります。

SOS の条文に、「SOS」という3文字は出てきません

遭難信号を最初に決めたのは、1906年のベルリン国際無線電信会議です。 その業務規則の第16条には、こう書いてあります。

「Ships in distress shall use the following signal:(符号)repeated at brief intervals.」 ── 遭難した船は次の信号を使う。短い間隔でくり返す。

条文に印刷されているのは、短点3つ・長点3つ・短点3つの符号そのものだけです。文字を当てる記述がありません。じっさい、この規則を収めた公式の印刷物(米国政府印刷局・1912年)を全文検索しても、「SOS」という3文字は1度も出てきません。

なぜこの並びが選ばれたのかも、条文には書かれていません。理由が記録されていない、というのがこの話のいちばん面白いところです。Save Our Souls(われらの魂を救え)や Save Our Ship(わが船を救え)という説明を見かけますが、これは後から付けられた語呂合わせで、条文に根拠はありません。

「続けて打つ」と「S・O・S と3文字で打つ」は、別の信号です

条文が定めたのはひと続きの9要素で、途中に字の切れ目がありません。 いっぽう S・O・S を3文字として打つと、字と字のすきま(3単位)が2か所入ります。同じ9要素なのに、長さが変わります。

ひと続きに打つと23単位、3文字に分けると27単位ひと続き = 23単位3文字に分ける = 27単位0510152025
横軸は単位(短点1つぶん)。上が条文どおりのひと続き(23単位)、 下が S・O・S と3文字に分けた場合(27単位)。字の切れ目が2か所入るぶん、下が4単位長くなります。

欧文の表(ITU-R M.1677-1)

国際規格が定めている表です。文字は a〜z の26個のほかに、アクセント付きの e が1つだけ載っています (この版に à や ü は入っていません)。

欧文の文字の符号
字符号長さ
A.-5単位
B-...9単位
C-.-.11単位
D-..7単位
E.1単位
F..-.9単位
G--.9単位
H....7単位
I..3単位
J.---13単位
K-.-9単位
L.-..9単位
M--7単位
N-.5単位
O---11単位
P.--.11単位
Q--.-13単位
R.-.7単位
S...5単位
T-3単位
U..-7単位
V...-9単位
W.--9単位
X-..-11単位
Y-.--13単位
Z--..11単位
Éアクセント付きの eITU の表で a〜z の次に載っている27個目。e にアクセント記号が付いた字..-..11単位

数字

欧文の数字の符号
字符号長さ
0-----19単位
1.----17単位
2..---15単位
3...--13単位
4....-11単位
5.....9単位
6-....11単位
7--...13単位
8---..15単位
9----.17単位

記号

掛け算の × は、X とまったく同じ符号です。 規格が「× のときは X の信号を送れ」と決めているので、 これは間違いではなくそういう決まりです。 上の道具で -..- を読ませると、X と × の両方が出るのはそのためです。

欧文の記号の符号
字符号長さ
.終点(ピリオド).-.-.-17単位
,小読点(コンマ)--..--19単位
:重点(コロン)---...17単位
?問符..--..15単位
'略符(アポストロフィ).----.19単位
-連続線・横線・引き算-....-15単位
/斜線・割り算-..-.13単位
(左括弧-.--.15単位
)右括弧-.--.-19単位
"引用符(前と後ろの両方に打つ).-..-.15単位
=二重線-...-13単位
+十字符・足し算電報の終わりの合図にも同じ符号を使う(原典 Part II 5).-.-.13単位
×掛け算X とまったく同じ符号。原典が「× は X を送れ」と決めている-..-11単位
@単価記号(アットマーク).--.-.17単位

字ではなく、合図のための符号

文章には出てこないけれど、やりとりの合図として打つ符号もあります。 打ち間違えたときの「訂正」が短点8つなのが分かりやすい例です。「どうぞ」は文字の K とまったく同じ符号なので、 これも読むときには両方の可能性が残ります。

欧文の合図の符号
字符号長さ
了解Understood...-.11単位
訂正Error(短点8つ)打ち間違えたときに短点を8つ続けて打ち、打ち直す........15単位
どうぞInvitation to transmit文字の K とまったく同じ符号-.-9単位
待ってWait.-...11単位
通信の終わりEnd of work...-.-15単位
送信の初めStarting signalすべての送信の前に打つ-.-.-15単位

和文の表(無線局運用規則 別表第一号)

日本の和文モールスは、省令の別表が字と符号を1つずつ定めています。 いろは48文字に、濁点と半濁点が加わる形です。 ガはカの符号+濁点、パはハの符号+半濁点と、2つに分けて送ります。

いまはあまり書かないヰ と ヱ にも、ちゃんと符号があります。 表が作られた時代の五十音がそのまま残っているところです。

和文の文字の符号
字符号長さ
イ.-5単位
ロ.-.-11単位
ハ-...9単位
ニ-.-.11単位
ホ-..7単位
ヘ.1単位
ト..-..11単位
チ..-.9単位
リ--.9単位
ヌ....7単位
ル-.--.15単位
ヲ.---13単位
ワ-.-9単位
カ.-..9単位
ヨ--7単位
タ-.5単位
レ---11単位
ソ---.13単位
ツ.--.11単位
ネ--.-13単位
ナ.-.7単位
ラ...5単位
ム-3単位
ウ..-7単位
ヰ.-..-13単位
ノ..--11単位
オ.-...11単位
ク...-9単位
ヤ.--9単位
マ-..-11単位
ケ-.--13単位
フ--..11単位
コ----15単位
エ-.---17単位
テ.-.--15単位
ア--.--17単位
サ-.-.-15単位
キ-.-..13単位
ユ-..--15単位
メ-...-13単位
ミ..-.-13単位
シ--.-.15単位
ヱ.--..13単位
ヒ--..-15単位
モ-..-.13単位
セ.---.15単位
ス---.-17単位
ン.-.-.13単位
゛濁点ガ は「カ」の符号の後ろにこれを続けて打つ..3単位
゜半濁点パ は「ハ」+これ..--.13単位

記号

和文の記号は5つだけです。伸ばす音(長音)、読点にあたる区切点、 段落、そして括弧が2つ。句点「。」の符号はありません。

和文の記号の符号
字符号長さ
ー長音.--.-15単位
、区切点.-.-.-17単位
」段落.-.-..15単位
(下向き括弧-.--.-19単位
)上向き括弧.-..-.15単位

数字の略体

和文の表には、数字をもう1つ短く書く略体が別に載っています。 ふつうの数字が5つの点でできているのに対し、こちらは1が・-、0が-です。

ただし、これは読み分けがとても難しい表です。 略体の 1 は、和文のイとも欧文のAとも同じ符号になります。 上の道具でこの略体を使っていないのは、そのためです。

和文の数字の略体
数略体ふつうの数字
1.-.----
2..-..---
3...-...--
4....-....-
5..........
6-....-....
7-...--...
8-..---..
9-.----.
0------

数値の出どころ。欧文の表と長さの比はITU-R M.1677-1(2009年10月)(新しいタブで開きます)、和文の表と日本での欧文の表は無線局運用規則 別表第一号(新しいタブで開きます)(昭和25年電波監理委員会規則第17号・第12条関係)。2つの資料の欧文の表が1文字も食い違わないことは、単体テストで 突き合わせています。遭難信号の条文と、英語の文字の数え方は1906年ベルリン条約の公式印刷物(米国政府印刷局・1912年)(新しいタブで開きます)から取りました。裏の取れなかったことは書いていません。