調べて分かる道具箱

方位と角度の変換

何方位で答えるか
方位(16方位)東
その方位の角度90度
入力をどう読んだか
角度として読みました(100度)。
よみ・英語の略号
ひがし・E
この方位が受け持つ角度
78.75度以上 101.25度未満(幅 22.5度)
反対の方位
西(270度)「東の風」は東から西へ吹く風です。
この角度を気象庁の方式で書くと
16方位なら 東・番号4/36方位なら 番号 10番号の 0 は方位ではなく「静穏(風向を求めない)」に取ってあるので、 北は0ではなく16です。36方位は10度きざみで、32方位(11.25度きざみ)とは別のものです。
昔の言い方(十二支・八卦)
卯(う)/八卦では震
16方位の方位盤・東(90度)北北北東北東東北東東東南東南東南南東南南南西南西西南西西西北西北西北北西090180270
上が北で、時計回りに角度が増えます。太い目盛りが東西南北。破線が東の受け持つ帯(78.75〜101.25度)で、針がそのまん中の90度を指しています。 外側の数字は角度(度)です。

境目の決め方: ちょうど境目の角度は、時計回りに次の方位(大きいほう)に入れます。16方位なら11.25度は北北東です。いま選ばれている16方位では、1つぶんが22.5度、 その半分の11.25度ずつが中心の両側に付きます。

押すと入る例どれも「そこが面白い」ところです

よくある質問

方位と角度は何が違うのですか?

角度は向きを0度から360度までの数で表したもので、方位はその角度に名前をつけたものです。16方位では、それぞれの方位が22.5度ぶんの帯を受け持ち、自分の角度がその帯のまん中に来ます。気象庁の『気象観測の手引き』が「このとき,真北を,16方位の場合は16,36方位の場合は36の中心に定める。」と書いているためで、北が受け持つのは0〜22.5度ではなく348.75〜11.25度になります。だから359度も1度も、どちらも北です。

北北東は何度ですか?

22.5度です。16方位は一周360度を16等分するので22.5度きざみになり、北から時計回りに北(0度)・北北東(22.5度)・北東(45度)・東北東(67.5度)・東(90度)と進みます。英語の略号ではNNEです。気象庁の『気象観測の手引き』は「真北を基準に全周を時計回りに16又は36に等角度で分割し」と書いていて、この基準と向きが出どころです。

100度はどの方位になりますか?

16方位では東です。東の角度は90度ですが、それぞれの方位は自分の角度を「まん中」にした帯を受け持つので、東が受け持つのは78.75度以上101.25度未満になります。100度はその中に入るので東です。表に載っている角度と一致しない値でも、必ずどこかの帯に入ります。

「北の風」は、どちらへ向かって吹く風ですか?

北から南へ向かって吹く風です。気象庁の『気象観測の手引き』は「風向は,風の吹いてくる方向をいう。例えば北から南へ風が吹いているときの風向は北,南から北へ風が吹いているときの風向は南である。」と書いています。風向は矢印のように進む先を指しているのではなく、吹いてくるほうを指しています。ここは取り違えが多いところです。

三十二方位はJISで決まっているのですか?

いいえ。11.25度きざみで分けること自体は360を32で割った算数ですが、「北微東」のような名前を定めた法令・JIS・国際機関の文書は見つけられませんでした。見つかったのは辞書と個人のサイトだけです。このページでは三十二方位を、航海で使われてきた慣用の言い方として扱っています。気象庁が使う細かいほうは三十二方位ではなく三十六方位(10度きざみ)です。

気象庁の方位番号で、北はなぜ16なのですか?

0が「静穏」に取ってあるからです。『気象観測の手引き』は方位の番号を「NNE(1)・NE(2)・ENE(3)・E(4)・……N(16)」と書き、別のところで「静穏時の風向は求めず,風向を文字で表すときは「-」,数字で表すときは「0」とする。」と書いています。つまり0は北ではなく「風向を求めなかった」という意味です。

子午線の「子」と「午」は何のことですか?

十二支の子(ね)と午(うま)で、それぞれ北と南の方角を指します。国立天文台の暦計算室は「北を子とし、東回りに名づけていきます。子(北)と午(南)を結ぶ線を子午線と呼びます。」と書いています。同じ決まりから、東(卯)と西(酉)を結ぶ線は卯酉(ぼうゆう)線と呼ばれます。午が南であることは、正午・午前・午後にも残っています。

角度を入れれば方位の名前が、方位の名前を入れれば角度が出ます。北は0度、東は90度で、16方位は22.5度きざみ。 表に載っていない半端な角度も、どの方位の帯に入るかで答えを出します。

北が受け持つのは0〜22.5度ではなく、348.75〜11.25度です

ここがこのページでいちばん大事なところです。16方位の表を貼っただけのページは 「北=0度」としか書いていないので、1度や359度が何になるのかが分かりません。

気象庁の『気象観測の手引き』には、こう書かれています。「このとき,真北を,16方位の場合は16,36方位の場合は36の中心に定める。」大事なのは「中心」という言葉です。北の帯は0度から始まるのではなく、0度をまん中にして左右に11.25度ずつ伸びています。 だから北が受け持つのは348.75度から11.25度までで、0度をまたぎます。359度も1度も、どちらも北です。

ただし、ちょうど境目の角度をどちらに入れるかは書かれていません。11.25度が北なのか北北東なのかは、原文からは決められません。決めないと答えが出せないので、 このページでは「境目は時計回りに次の方位(大きいほう)に入れる」と決めて、 その規則を道具の下に書いています。黙って決めないためです。

気象庁の方位番号は、北が0ではなく16です

観測の世界では、方位を数字で書くことがあります。『気象観測の手引き』の書き方は「NNE(1)・NE(2)・ENE(3)・E(4)・……N(16)」。 北北東が1で、ぐるっと回って北が16です。0から始まりません。

なぜ0が空いているのか。同じ手引きの少しあとに答えがあります。「静穏時の風向は求めず,風向を文字で表すときは「-」,数字で表すときは「0」とする。」つまり0は「北」ではなく「風向を求めなかった」という意味です。 風がないときに0と書いて、それを北と読まれてしまっては困る。だから0を空けてあるわけです。

このサイトが「読めない入力に0を返さない」という決まりを守っているのと、 まったく同じ考え方です。0は立派な答えの1つなので、 「分からなかった」の意味に使うと、答えと区別がつかなくなります。

「北の風」は、北へ吹く風ではありません

方位を風の話に使うときだけ、向きがひっくり返ります。 『気象観測の手引き』の定義はこうです。「風向は,風の吹いてくる方向をいう。例えば北から南へ風が吹いているときの風向は北, 南から北へ風が吹いているときの風向は南である。」

つまり風向は「出どころ」を指しています。 矢印のように「行き先」を指しているのではありません。 道具の結果に「反対の方位」を出しているのは、この取り違えを防ぐためです。

使う方位の数も場面で違います。気象庁の「予報用語」は、風向について「観測では16または36方位を用いているが、予報では8方位を用いる。」と書いています。天気予報で「南の風」と言うときの南は「(南)を中心に45度の範囲」、つまり157.5度から202.5度までのことです。 ここでも南は帯のまん中で、端ではありません。

十六方位の一覧

角度は帯のまん中で、その下に受け持つ範囲を書いています。 いちばん右は気象庁の方位番号です。

十六方位の名前・角度・気象庁の方位番号
方位角度(度)上が中心・下が範囲番号
北きた / N0348.75〜11.2516
北北東ほくほくとう / NNE22.511.25〜33.751
北東ほくとう / NE4533.75〜56.252
東北東とうほくとう / ENE67.556.25〜78.753
東ひがし / E9078.75〜101.254
東南東とうなんとう / ESE112.5101.25〜123.755
南東なんとう / SE135123.75〜146.256
南南東なんなんとう / SSE157.5146.25〜168.757
南みなみ / S180168.75〜191.258
南南西なんなんせい / SSW202.5191.25〜213.759
南西なんせい / SW225213.75〜236.2510
西南西せいなんせい / WSW247.5236.25〜258.7511
西にし / W270258.75〜281.2512
西北西せいほくせい / WNW292.5281.25〜303.7513
北西ほくせい / NW315303.75〜326.2514
北北西ほくほくせい / NNW337.5326.25〜348.7515

三十二方位は「慣用」です。決めた文書を見つけられませんでした

一周を32に割ると11.25度きざみになります。ここまでは算数です。 ところが「北微東」のような名前を定めた法令・JIS・国際機関の文書は、 探しても見つかりませんでした。見つかったのは辞書と個人のサイトだけです。

だからこのページでは、三十二方位を「航海で使われてきた慣用の言い方(羅針方位)」として扱います。「JISで決まっている」とは書きません。名前も「主方位(北・北東・東など8つ)+微+いちばん近い東西南北」という 組み立ての規則から作ったもので、読み方は載せていません── 読み方を書いた資料を見つけられなかったので、推測で振らないことにしました。

まぎらわしいのは、気象庁が使う細かいほうは32方位ではなく36方位だ、 というところです。手引きは「36方位は風向を10度単位で表す方法で,国際的なデータ交換などに使用されている。」と書いています。10度きざみなので、11.25度きざみの32方位とはどこも重なりません(東西南北の4つを除いて)。細かいほう=32方位、と思い込むとここでずれます。

三十二方位で増える十六の方位と、その組み立て方
方位(慣用)角度(度)組み立て
北微東N by E11.25北から東へ1つぶん
北東微北NE by N33.75北東から北へ1つぶん
北東微東NE by E56.25北東から東へ1つぶん
東微北E by N78.75東から北へ1つぶん
東微南E by S101.25東から南へ1つぶん
南東微東SE by E123.75南東から東へ1つぶん
南東微南SE by S146.25南東から南へ1つぶん
南微東S by E168.75南から東へ1つぶん
南微西S by W191.25南から西へ1つぶん
南西微南SW by S213.75南西から南へ1つぶん
南西微西SW by W236.25南西から西へ1つぶん
西微南W by S258.75西から南へ1つぶん
西微北W by N281.25西から北へ1つぶん
北西微西NW by W303.75北西から西へ1つぶん
北西微北NW by N326.25北西から北へ1つぶん
北微西N by W348.75北から西へ1つぶん

子午線の「子」は北、「午」は南です

地球をたてに切る線を子午線と呼びます。この名前は十二支の方角から来ています。国立天文台の暦計算室はこう書いています。「北を子とし、東回りに名づけていきます。子(北)と午(南)を結ぶ線を子午線と呼びます。」

子(ね)が北、午(うま)が南。この2つを結んだ線だから子午線です。 同じ決まりから、東(卯)と西(酉)を結ぶ線は卯酉(ぼうゆう)線と呼ばれます。 午が南であることは、正午・午前・午後にもそのまま残っています ── 十二支は時刻にも使われていて、午の刻は11時から13時、そのまん中が正午です。 太陽がいちばん南(午)に来る時刻、というわけです。

十二支は12等分なので30度きざみです。16方位(22.5度きざみ)とは 割り切れないので、重なるのは東西南北の4つだけ。 丑は30度、寅は60度で、北東(45度)とは別の向きです。

十二支の方角と、受け持つ時刻
十二支方角(度)時刻
子ね023-01時
丑うし3001-03時
寅とら6003-05時
卯う9005-07時
辰たつ12007-09時
巳み15009-11時
午うま18011-13時
未ひつじ21013-15時
申さる24015-17時
酉とり27017-19時
戌いぬ30019-21時
亥ゐ33021-23時

四隅の名前は、十二支ではなく八卦から借りています

十二支だけでは、四隅を言い表せません。国立国会図書館の「日本の暦」は「すると北東、東南、南西、西北が表現できないため、中国では易の八卦(はっけ)に基づいた 坎(かん)、艮(ごん)、震(しん)、巽(そん)、離(り)、坤(こん)、兌(だ)、 乾(けん)を用いて表現していました」と書いています。

日本ではさらに、その四隅を両どなりの十二支をつなげて呼びました。 北東は丑と寅の間だから艮(うしとら)、 南東は辰と巳の間だから巽(たつみ)。 「たつみ」という名前や地名は、ここから来ています。

  • 艮(うしとら)=45度。丑と寅の間にあたる向きです。
  • 巽(たつみ)=135度。辰と巳の間にあたる向きです。
  • 坤(ひつじさる)=225度。未と申の間にあたる向きです。
  • 乾(いぬい)=315度。戌と亥の間にあたる向きです。

磁石が指す北は、真北ではありません

このページの角度は、すべて真北(地図の上の北)を0度としています。 ところが方位磁石の針は、真北をぴったりは指しません。『気象観測の手引き』は、 風向計を設置するときの注意として「日本付近では磁石の指針のさす北は真北より西に偏っている(「偏角」という)」と書いています。

ずれの大きさは場所によって違い、しかも年によって少しずつ動きます。ここに数字を書くと、いつか古くなって間違いになるので書きません。 いまの値は国土地理院の磁気図(新しいタブで開きます)で確かめられます。地図で調べた方角と、磁石で測った方角がずれるのは、これが理由です。

数値の出どころ。北を0度とする決まり・16方位と36方位・方位番号・風向の定義は気象庁『気象観測の手引き』第4章(新しいタブで開きます)、予報が8方位であることは気象庁「予報用語 風」(新しいタブで開きます)、十二支の方角と子午線・卯酉線は国立天文台 暦計算室「暦Wiki/十二支」(新しいタブで開きます)、八卦と四隅の呼び名は国立国会図書館「日本の暦」干支②方位神(新しいタブで開きます)から取っています。三十二方位(11.25度きざみ)だけは公的な一次資料を見つけられなかったので、慣用として扱っています。