調べて分かる道具箱

灯台の光り方

海上保安庁の資料にある見本

海上保安庁の資料にある見本
単閃緑光 毎3秒に1閃光Fl G 3s / 閃光・緑・周期 3 秒・1秒に 0.33 回
0123

横が時間(秒)、塗ってあるところが光っている時間。急閃光(1秒に1回)・長閃光(2秒)・モールスの点(0.5秒)は IALA E-110 の値、閃光1回(0.5秒)はこの図の値で、閃光のあいだは E-110 の決まり(2閃光で 1 秒・3閃光以上で 2 秒)に合わせています。

見本の出どころ: 海上保安庁 第三管区 千葉「航路標識の塗色・灯火の色・光り方」・海上保安庁「別記3-2 塗色及び灯質の選定標準」(第七管区 三池・PDF)・海上保安庁「灯台表 第1巻 追加表」(道は本文の「出典」に)。閃光の長さ: IALA 勧告 E-110「Rhythmic Characters of Lights on Aids to Navigation」(新しいタブで開きます)(Ed.4・2016年12月)

やってみる

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1問目 / 全5問

「Fl(2) G 6s」は、どんな光り方ですか?

よくある質問

「Fl(2) G 6s」は、どう読むのですか

Fl が閃光(ピカッと光る)、かっこの中の 2 が 1 周期に光る回数、G が緑、6s が周期 6 秒です。海上保安庁(第三管区 千葉)のページは、これを「群閃緑光毎6秒に2閃光」と読み下しています。かっこが無ければ 1 回で「単閃光」です。

灯台は、色で見分けるのではないのですか

色も使いますが、海上保安庁(横須賀)のページにあるとおり光の色は白・赤・緑の 3 色(わずかに黄)しかありません。3 色だけでは隣の灯台と区別がつかないので、「何秒に何回光るか」というリズムを組み合わせて灯質を作っています。夜の海では、時計で秒を数えるだけでどの灯台か分かります。

この図の閃光の長さは、本物の数ですか

急閃光の刻み(1 秒に 1 回、明 0.5 秒暗 0.5 秒)・長閃光の 2 秒・モールスの 1 点の 0.5 秒は、国際航路標識協会(IALA)の勧告 E-110(第4版・2016年12月)にある例と規定のとおりです。海上保安庁の資料には、これらの秒数がありません。閃光 1 回の長さだけは E-110 も「暗い時間は閃光の 3 倍以上、周期は 2 秒以上」という関係だけを決めていて(例は閃光 1 秒・周期 4 秒)、この図の 0.5 秒は、見本の「毎3秒に1閃光」にその関係で収まるように決めた、この図の値です。明暗光の明:暗 = 3:1 は、海上保安庁の例「明3秒暗1秒(Oc 4s)」と E-110 の例(明 3 秒暗 1 秒)の両方に合っています。

画面が光らないときがあります

2 つの場合があります。OS の「動きを減らす」設定がオンのとき、それと 1 秒に 2 回を超える光り方のときです。点滅が速すぎると具合の悪くなる人がいるので(WCAG 2.3.1 は 1 秒に 3 回を超える閃光を避けるよう求めています)、そのときは時間の帯だけを出します。「光るのを止める」で自分で止めることもできます。

北・東・南・西の標識の光り方に、決まりはありますか

あります。海上保安庁「別記3-2 塗色及び灯質の選定標準」に、北は連続急閃光、東は毎10秒に3急閃光、南は毎15秒に6急閃光と1長閃光、西は毎15秒に9急閃光とあります。3・6・9 は時計の文字盤で東・南・西の位置です。南だけ長閃光が 1 つ付くのは、6 と 9 を数え間違えないためだと言われますが、その理由は資料に書かれていないので、ここでは事実だけ書きます。

左げん・右げんとは何ですか

海上保安庁(千葉)のページに「『左げん』、『右げん』とは、港や湾の奥部を水源としたとき水源に向かっての左右です」とあります。港に入るときの左が緑、右が赤で、防波堤の先の灯台もこの色です。同じページの表で、左げん側は緑の単閃光・群閃光・モールス符号光・明暗光が使われています。

実在の灯台の灯質は、どこで調べられますか

海上保安庁が刊行している「灯台表」です。毎月「追加表」が PDF で公開されていて、たとえば 2026 年第 2 号には「平良港北防波堤灯台 Fl G 3s 単閃緑光 毎3秒に1閃光」とあります。このページの見本の 1 つ目はそこから取りました。

このページを航海に使ってよいですか

いけません。このページは灯質の読み方を体で覚えるための教材で、閃光 1 回の長さはこの図の値です。実際の航海には海図・灯台表・水路誌と、最新の航行警報にあたってください。

灯台の光り方(灯質)は「Fl(2) G 6s」のように書きます。入れると、その周期で画面が光ります。灯台は色より「何秒に何回」で見分けるものなので、 記号は時間のかたちです。読み方と見本は海上保安庁の資料から、閃光の長さは IALA の勧告から取っています。航海には海図と灯台表を使ってください。

灯質は、色と「光の出し方」の組み合わせ

海上保安庁(横須賀)のページはこう説明しています ── 「夜標はほかの標識と間違えられないように、また、船や町のあかりとはっきり区別できるような光を出しています。これを『灯質』といって、光の色と光の出し方の組み合わせでできています」。 光の色は白・赤・緑の 3 色(わずかに黄)しか無いので、見分けの本体は光の出し方=時間のかたちです。

記号は 4 つの部品でできている

海上保安庁(千葉)のページは「和文は灯質を表し英字はその灯質の略記号を表します」として、たとえば「単閃緑光毎3秒に1閃光」を「FL G 3S」、「群閃緑光毎6秒に2閃光」を「FL (2) G 6S」と対応づけています。 前から順に、光り方(F 不動光・Fl 閃光・Oc 明暗光・Iso 等明暗光・Q 急閃光・Mo モールス符号光)、回数(かっこの中)、色(W R G Y)、周期(何秒に 1 回か)です。

閃光と明暗光は、光と闇のどちらが長いかで分かれます。横須賀のページの定義では、単閃光は「決まった間隔をおいて、ピカッと1回光る」、単明暗光は「決まった秒数だけ光って、また何秒かをおいて、繰り返し光る」です。 千葉のページの例「単明暗緑光明3秒暗1秒 Oc G 4S」のとおり、明暗光は光っている時間のほうが長いのが特徴で、上の帯では塗りの長さが逆になります。

隣どうしで、必ず変えてある

なぜここまで種類があるのか。横須賀のページの答えは「隣同士の灯台が同じような光方をしていると、船は間違えて浅瀬や海岸に乗り上げる心配があるからです」。 灯質は目印であると同時に、名札です。夜の海で灯台が見えたら、時計で秒を数え、灯台表と突き合わせれば、自分がどこにいるかが分かります。

方位標識は、時計の文字盤で覚える

海上保安庁「別記3-2 塗色及び灯質の選定標準」には、危険なものの北・東・南・西に置く方位標識の光り方が決まっています。 北は連続急閃光、東は毎 10 秒に 3 急閃光、南は毎 15 秒に 6 急閃光と 1 長閃光、西は毎 15 秒に 9 急閃光。 3・6・9 は時計の文字盤で東・南・西の位置で、北だけは数えずに光り続けます。上の見本で 4 つを順に光らせると、数えるだけで方角が分かるのを確かめられます。

この図の閃光の長さは、どこから来たか

海上保安庁の資料には、周期と回数と色はあっても、閃光 1 回・急閃光の刻み・長閃光・モールスの 1 点の秒数がありません。そこは国際航路標識協会(IALA)の勧告 E-110(第4版・2016年12月)から取りました。急閃光は「1 秒に 1 回(明 0.5 秒暗 0.5 秒)」が例そのもの、速い連続急閃光は 1 秒に 2 回、長閃光は「2 秒以上の光」、モールスの点は「約 0.5 秒」で線はその 3 倍以上です。閃光 1 回の長さだけは E-110 も関係(暗は閃光の 3 倍以上・周期は 2 秒以上)で決めていて、この図の 0.5 秒は見本の「毎3秒に1閃光」にその関係で収まる値です。明暗光の明:暗 = 3:1 は、海上保安庁の例(Oc G 4S)と E-110 の例(明 3 秒暗 1 秒)が同じでした。

ついでに 1 つ。この図が光らせる上限「1 秒に 2 回」は、E-110 の速い連続急閃光(毎分 120 回)とちょうど同じ速さです。

出典