調べて分かる道具箱

校正記号の一覧

25 個

記号の一覧
書く向き
直す前
直した後

直す前は「今日はは晴れです」、直した後は「今日は晴れです」。

トルツメ

線を引いた字を消して、あいだを詰める(とるつめ)

  • 消す・直す・入れる
  • 縦書きも同じ

印刷校正記号は JIS Z 8208 に定めがあります(1965年制定・2007年改正)。この一覧は規格票の写しではなく、広く使われている形を自分で描いたものです。縦書きの絵は、横書きの記号を時計回りに回した形で描いています。

やってみる

1問目 / 全5問

「トルツメ」と書かれた字は、どうなる?

校正記号は、直したいところに赤で書く印です。記号を押すと、直す前 → 直した後が絵で出ます。横書きと縦書きを切り替えられます。

原稿 → 赤字 → 直った文

校正は、刷った文を原稿と見くらべて、直すところに赤で印を書く仕事です。 その印が校正記号。印を見た人が文を直して、直った文ができます。

印は「何を・どこで・どう直すか」を、字を書かずに伝えます。

縦書きは、時計回りに回す

横書きの記号を時計回りに回すと、縦書きの記号になります。 改行の印や、字を入れる ∧ はこの向きです。

小書きや句読点の ∧ は、別の向きで説明する解説もあります。道具では「縦書きは要確認」と示しています。

字の上に書かず、余白へ引き出す

直す字の上に赤字を書くと、元の字が読めなくなります。だから線で余白へ引き出して、そこに書きます。この線が引き出し線です。

引き出し線は、ほかの字や線と重ならないように引きます。

トルツメとトルアキ

トルは「取る」。ツメは取ったあとを詰める、アキは取ったあとを空けたまま。同じ字を取っても、あとの並びが変わります。

トルだけでも詰める意味になり、トルアキはトルママとも書きます。

赤で書く

校正の指示は赤で書くのが習わしで、指示そのものを「赤字」と呼びます。 黒い本文の上で、直す場所だけが赤く浮きます。

補足や疑問は、赤と分けて鉛筆や青で書きます。

JIS に定めがある

印刷校正記号は JIS Z 8208に定めがあります。日本産業標準調査会の JIS 検索で、1965年に制定され 2007年に改正された 「印刷校正記号」として載っています。

このページの記号は規格票の写しではなく、広く使われている形を自分で描いたものです。

符号には、ひとつずつ名前がある

文の中で使う符号には、ひとつずつ決まった呼び名があります。

昭和二十一年(1946年)三月、文部省の教科書局調査課国語調査室が「くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)」という冊子をまとめました。教科書や文書の書き表し方をそろえるための案です。そこには「くぎり符号は、左のごとき約二十種の中から、その文の内容と文体とに応じて適当に用ひる。」とあり、符号が名前つきで並んでいます。「。」はマル(句点)、「、」はテン(読点)、「・」はナカテン。「 」はカギ、『 』はフタヘカギです。

ふだん見かけない符号にも名前が付いています。この案は〔 〕をソデガッコ、[ ]をカクガッコ、【 】をカメノコガッコと呼びます。亀の甲らのような形だからです。〝 〟はノノカギ。カタカナの「ノ」が二つ並んで見える形です。

この冊子は今も引かれています。令和四年(2022年)一月七日の文化審議会建議「公用文作成の考え方」の解説は、関係資料一覧に「くぎり符号の使い方〔句読法〕(案)」(昭和21年 文部省教科書局調査課国語調査室)を挙げています。呼び名も生きていて、建議には「句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。」とあります。

出どころ: くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)(昭和21年・文部省教科書局調査課国語調査室)(新しいタブで開きます)と 公用文作成の考え方(建議)(令和4年1月7日 文化審議会)(新しいタブで開きます)の原文。

テンは、飛ばして読めるように打つ

読点「、」をどこに打つかは、原則が文で書かれています。

同じ冊子は、テンの打ち方を順番に決めています。第一の原則は「テンは、第一の原則として文の中止にうつ」。文がいったん止まるところに打ちます。第二の原則は「テンは、第二の原則として、副詞的語句の前後にうつ」。「昨夜、」「やはり、」のように、文をくわしくする言葉の前後です。

おもしろいのはその先です。原則どおりに打ったあと、「その上で、口調の上から不必要のものを消すのである」と続きます。まず打ってから、声に出して要らないものを取る、という順番になっています。

見分け方も書いてあります。「テンではさんだ語句を飛ばして読んでみても、一応、文脈が通るやうにうつのである。」。テンとテンではさんだところを読み飛ばして、それでも文がつながるなら、その打ち方でよいわけです。冊子はこれを「テンの打ち方における最も重要な、一ばん多く使はれる原則」と呼んでいます。

出どころ: くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)(昭和21年・文部省教科書局調査課国語調査室)(新しいタブで開きます)の原文(テンの打ち方の項)。

「?」と「!」の決まりは、変わった

同じ符号でも、使ってよい場面は時代で変わります。

昭和二十一年の案は、疑問符と感嘆符をこう決めていました。「疑問符は、原則として普通の文には用ひない。たゞし必要に応じて疑問の口調を示す場合に用ひる」。感嘆符も「普通の文には原則として用ひない。たゞし、必要に応じて感動の気持をあらはした場合に用ひる」。ふだんの文で使うのは、例外の扱いでした。

七十五年後の令和三年(2021年)三月十二日、文化審議会国語分科会の報告は、表記の実態のひとつとして「区切り符号や括弧類(「?」(疑問符)、「!」(感嘆符)、「【】」(隅付き括弧)等)の使用が広がっていること。」を挙げました。翌年の建議は、見出しに「必要に応じて「?」「!」を用いる」と書いています。

使うときの決まりも添えられています。「なお、「?」「!」の後に文が続く場合には、全角又は半角1文字分空ける。」。符号のうしろに、字一つぶんか、その半分の空きを入れるということです。

出どころ: くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)(新しいタブで開きます)、 新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)(令和3年3月12日 文化審議会国語分科会)(新しいタブで開きます)、 公用文作成の考え方(建議)(令和4年1月7日 文化審議会)(新しいタブで開きます)の原文。

横書きの読点を、どちらにするか

横書きの読点には、「、」と「,」の二つが使われてきました。

令和三年三月十二日、文化審議会国語分科会は「新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)」をまとめました。そこでは、書き表し方の実態のひとつとして「左横書きの公用文における読点として、「,」(コンマ)よりも「、」(テン)が用いられることが多いという実態があること。」が挙げられています。

報告は、自分の書き方についても断りを入れています。「この報告の表記は、従来の公用文表記の基準に従っている。ただし、句読点については、各府省庁及び一般の社会生活における表記の実態を踏まえた検討の結果、読点には「,」(コンマ)ではなく、「、」(テン)を用いることとした。」。報告そのものが、読点を書きかえた文書になっています。

翌年の建議「公用文作成の考え方」は、こう示しました。「句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは、読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。ただし、一つの文書内でどちらかに統一する。」。どちらも使えて、一つの文書の中ではそろえる、という決め方です。

出どころ: 新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)(令和3年3月12日 文化審議会国語分科会)(新しいタブで開きます)と 公用文作成の考え方(建議)(令和4年1月7日 文化審議会)(新しいタブで開きます)の原文。

よくある質問

校正記号の一覧は?

上の一覧に 25 個あります。トルツメ・トルアキ・直す・入れる・入れ替え・改行・一字下げ・全角アキ・半角アキ・ツメ・大文字・小文字・ルビ・圏点など、校正の解説の多くで同じ意味に説明されている記号だけを載せました。記号を押すと、直す前と直した後が絵で出ます。

校正記号は縦書きだとどう書く?

多くの記号は、横書きの形を時計回りに回した向きで書きます。改行の印や、字を入れる ∧ がその例です。上の道具で「縦書き」を押すと、回した形で絵が出ます。小書きや句読点の ∧ は別の向きで説明する解説もあるので、そうした記号には「縦書きは要確認」と添えています。

トルとトルツメの違いは?

同じ意味です。トルは「取る」で、字を消す印。トルツメは、消したあとの空きを詰めるところまで書いた言い方で、トルだけでも詰めるのがふつうです。空けたままにしたいときは、トルアキ(トルママ)と書き分けます。

半角アキ(スペース)の校正記号は?

∨ の先を、空けたい字と字のあいだに差し込んで、上に「二分」か「半角」と書きます。二分は全角の2分の1という意味です。字1つぶん空けるときは「全角」か □ を書きます。詰めるときは反対に、∧ で空きを挟んで「ツメ」と書きます。

改行の校正記号は?改行をやめるときは?

改行は、行を変えたい場所に、上の横線が長く下の横線が短いかぎ形の印を書きます。改行したあとの行の頭は一字下げます。改行をやめるときは、行の終わりと次の行の頭を線でつなぎます。文を前の行へ追い込むので、追い込みとも呼びます。

一字下げの校正記号は?

行の頭に、開いた四角のような印を書いて「一字下ゲ」と添えます。字1つぶん、行の頭を下げる意味です。反対に、頭の空きをなくして上げるときは「天ツキ」や「下ゲズ」と書きます。

入れ替えの校正記号は?

となり合う2つの字は、横に倒した S の字で挟みます。向きは逆 S でもかまいません。離れた字どうしは、それぞれを丸で囲み、両端に矢じりを付けた線でつなぎます。

英語の大文字・小文字の校正記号は?

大文字にする字は、下に3本線を引きます。小文字にする字は丸で囲み、丸で囲んだ「小」を添えます。どちらも欧文の字に使う印です。

校正記号はどこで決まっている?一覧表はある?

印刷校正記号は JIS Z 8208 に定めがあります(1965年制定・2007年改正。日本産業標準調査会の JIS 検索で確認)。規格票そのものは、日本産業標準調査会の閲覧システムで読めます。このページの一覧は規格票の写しではなく、広く使われている形を自分で描いて、押すと動く形にしたものです。