調べて分かる道具箱

国際信号旗

例を入れる

空白で区切ると、別々に揚げる信号になります(代表旗もそこで数え直します)。

旗は全部で3枚です。

  • Sの旗1枚目S機関を後進にかけている
  • Oの旗2枚目O人が海中に落ちた
  • 第1代表旗の旗3枚目第1代表旗この信号の1枚目の「S」をもう一度

同じ字が続くと、2枚目は別の旗になります

船は、旗を1種類につき1枚ずつしか積んでいません。 だから1回の掲揚(けいよう)の中で、同じ旗を2枚あげることができません。 「BB」と伝えたくても、B の旗は1枚しかないのです。

そこで使うのが代表旗(だいひょうき)です。 これは文字でも数字でもなく、「前に出ている旗を、もう一度読んでください」という合図だけの旗で、 第1・第2・第3の3枚あります。第1代表旗は上から1枚目、第2代表旗は2枚目、第3代表旗は3枚目をくり返す、という意味です。

原典(NGA Pub.102)の規則:「The first substitute always repeats the uppermost signal flag of that class of flags which immediately precedes the substitute. … No substitute can ever be used more than once in the same group.」 ── 第1代表旗はいつも、その代表旗のすぐ前にある同じ種類の旗のうち一番上を くり返す。そして同じ代表旗を、1つの信号の中で二度使うことはできない。

1100 が「1・第1代表旗・0・第3代表旗」になるまで

原典に載っている例です。上の道具に 1100 と入れると、この通りになります。

  1. 1枚目の 1 は、そのまま 1 の旗。数字旗の1枚目です。
  2. 2枚目も 1 ですが、1 の旗はもう揚がっています。1枚目をくり返すので第1代表旗。
  3. ここが山場です。その第1代表旗も、数字旗の2枚目として数えます。だから次の 0 は3枚目になります。
  4. 最後の 0 は「3枚目をくり返す」ので第3代表旗。第2代表旗は出番がありません。

文字の旗と数字の旗は、別々に数えます

もう1つの原典の例が L2330 です。答えはL・2・3・第2代表旗・0。 2回目の 3 が第3代表旗ではなく第2代表旗になるのは、数え方がその種類の旗の中で何枚目かだからです。 数字旗は 2・3 の順に出ているので、3 は2枚目。 先頭の L は文字旗なので、数字旗の枚数には入りません。

同じ代表旗は、1回の掲揚で二度使えません

代表旗は3枚しかなく、しかも同じ信号の中で使い回せません。 つまり同じ文字を 続けられるのは4回まで(旗1枚+代表旗3枚)です。 上の道具にAAAAA と入れると、5枚目で止まって理由が出ます。

止まったときは信号を2つに分けて揚げます。 上の道具でも、空白で区切ると別々の信号になり、代表旗をもう一度使えるようになります。

やってみる

1問目 / 全6問

「VV」と送りたいとき、旗は何枚あがりますか?
Vの旗

よくある質問

同じ文字が2回続くとき、同じ旗を2枚あげないのはなぜですか?

船には同じ旗が1枚ずつしか積んでいないからです。かわりに「代表旗(だいひょうき)」という専用の旗を揚げて、「前に出ている旗をもう一度読んでください」と伝えます。第1代表旗は、その種類の旗のうち上から1枚目をくり返すという意味です。だから VV は V と第1代表旗の2枚になります。

代表旗は何枚ありますか?

第1・第2・第3の3枚です。上から何枚目をくり返すかが違います。さらに「1回の掲揚の中で、同じ代表旗は二度使えない」という決まりがあるので、同じ文字を続けられるのは4回までです。5回続けたいときは、信号を2つに分けて揚げます。

1100 が「1・第1代表旗・0・第3代表旗」になるのはなぜですか?

2枚目の1は、数字旗の1枚目(1)のくり返しなので第1代表旗です。ここが面白いところで、その第1代表旗も「数字旗の2枚目」として枚数に数えます。すると0は3枚目になり、4枚目の0は「3枚目のくり返し」=第3代表旗になります。第2代表旗は出番がありません。これは NGA Pub.102 に載っている例そのものです。

文字の旗と数字の旗は、まとめて数えるのですか?

別々に数えます。代表旗は「その種類の旗の中で上から何枚目か」を指すからです。L2330 は L・2・3・第2代表旗・0 になります。2回目の3は、数字旗の中では2枚目なので第2代表旗です。先頭の L は文字旗なので、数字旗の枚数には入りません。

R の旗には意味がないのですか?

一字だけで揚げたときの意味が、決められていません。原典である NGA Pub.102 の一字信号の表は、R の行だけが空いています。ネット上の一覧では埋まっていることがありますが、原典(1969年版・2005年版とも)では欠番です。旗そのものは赤地に黄の十字で、ほかの文字と組み合わせて使います。

旗の絵は自由に使ってよいのですか?

国際信号旗のデザインそのものは、1932年のマドリード会議で決まった古いもので、保護の期間はとうに終わっています。米国版の原典も「著作権を主張しない」と明記しています。日本でも、著作権法13条1号により法令とその附属の図は権利の目的になりません。ただし本や資料に載っている日本語の訳文は訳した人のものなので、そのまま写すことはできません。

旗の色に決まった色番号はありますか?

探した範囲では、Pantone のような公開された規格値は見つかりませんでした。このページの色は原典の図から採ったものです。使う色は赤・紺・黄・黒・白の5色だけです。遠くからでも見分けやすい組み合わせで、5色しか使わないので、旗の種類が増えても混ざりません。

文字を入れると、船が実際に揚げる旗の列になります。 同じ字が続くところでは、2枚目がまったく別の旗に変わります。

R には、一字だけの意味がありません

26枚の文字旗は、1枚だけで揚げても意味を持ちます。 V は「援助が欲しい」、O は「人が海中に落ちた」というふうに、 1枚で1つの文になっています。

ところがR だけは、その意味が決められていません。 原典の一字信号の表で、R の行だけが空いているのです。 ネット上の一覧では R が埋まっていることが よくありますが、 このページは原典に合わせて空のままにしています。 旗そのものは(赤地に黄の十字で)ちゃんとあって、ほかの文字と組み合わせるときに使います。

26枚の文字旗

意味は原典の英文から訳したものです。かっこの中は、漁場にいる漁船が使うときだけの意味です。

ことばの説明

水先人(みずさきにん)
その港や海峡の海に詳しく、船に乗り込んで安全な道を教える人。パイロットとも呼ばれます。
検疫(けんえき)
港に入る前に、病気を持ち込んでいないかを確かめる手続きのこと。
行き足(ゆきあし)
機関(エンジン)を止めたあとも、船が水の上を進みつづける勢いのこと。「行き足がない」は、もう進んでいないという意味です。
走錨(そうびょう)
錨(いかり)が海の底をつかみきれず、船が錨ごと流されてしまうこと。
トロール
大きな網を船で引いて魚をとる漁のやり方。「2そうびき」は、2せきの船で1つの網を引くやり方です。
揚網・投網
網を引き上げること/網を海に入れること。同じ旗でも、漁場の漁船が使うときは意味が変わります。

数字と代表旗は、細長い三角の旗です

文字旗が四角なのに対して、数字旗と代表旗は先のとがった細長い旗です。 形がまったく違うので、遠くからでも「これは数字だ」と分かります。 A と B の2枚だけは四角の先が二またに割れていて、これも見分けの助けになっています。

旗の絵を自由に描いてよい、3つの理由

このページの旗はすべて自分で描いた図です。 原典の画像は1枚も使っていません。 そもそも旗のデザインは、次の3つの理由から誰が描いてもよいものです。

  1. デザインが古い。いまの形は1932年のマドリード会議で決まったもので、保護の期間はとうに終わっています。
  2. 米国版の原典が「著作権を主張しない」と書いている。NGA Pub.102 には NO COPYRIGHT CLAIMED UNDER TITLE 17 U.S.C.(アメリカの著作権法(新しいタブで開きます)のもとでの著作権を主張しない)と明記されています。
  3. 日本の法令も同じ扱い。著作権法(新しいタブで開きます)13条1号は「憲法その他の法令」を権利の目的とならないものとして挙げていて、昭和8年逓信省令第51号とその添付の図(旗の図)もこれに当たります。

ただし、写せないものもあります。IMO 版(2005年)や『国際信号書(和英対訳)』に載っている日本語の訳文は、訳した人の著作物です。 だからこのページの日本語は、英文から自分で訳したものを使っています。

図と色について。旗の図はNGA Pub.102(新しいタブで開きます)の図を見て自分で描いた略図です。しま模様の本数や斜めの向きなど、 細かいところまで原典と厳密に同じではありません。 色は赤 #DC0024・紺 #0C0181・黄 #FDEB01・黒・白の5色ですが、これは規格の色ではありません── Pantone のような公開された規格値は見つからなかったので、原典の図から採った値を使っています。 一字信号の意味も、原典の英文から訳したものです。