調べて分かる道具箱

虹の方角と高さ

調べたい日
時刻

はじめはその日の日の入りの1時間前(15分きざみに切り下げた時刻)をえらんであります。太陽がいちばん低いほうが、弧は大きく空に出ます。

北緯 35.6581 度・東経 139.7414 度・標高0メートルの平らな地面として計算します。 経緯度は国立天文台「各地のこよみ」に載っている値です。

これは天気の予報ではありません。気象業務法(昭和27年法律第165号)第2条第6項は「予報」を「観測の成果に基づく現象の予想の発表」と定め、第17条第1項は気象庁以外の者が予報の業務を行うには気象庁長官の許可が要るとしています。虹は同法第2条第1項の「気象」(大気の諸現象)に当たるので、このページは虹が出るかどうかを扱いません。雨が降るかどうかにも触れません。実際の天気は気象庁のページで確かめてください。

虹の輪の中心(対日点)の方角東北東方位 76.6度
太陽の方角(うしろを向くと虹の中心)西南西方位 256.6度

太陽が 42度より低いところにあります。もし虹が出たとすれば、輪は地面の上に見える高さです。

太陽の高さ文と帯で出しています(理由は下の注記)
42度より低い
虹の輪の中心の高さ中心は太陽のちょうど反対側にあります
太陽と同じだけ、地平線の下です
主虹(内がわむらさき40度・外がわ赤42度)主虹(しゅにじ)は地面の上に出ています。外側が赤、内側がむらさきです。
地面の上に出ています
副虹(内がわ赤51度・外がわむらさき54度)副虹(ふくにじ)は地面の上に出ています。外側がむらさき、内側が赤です。
地面の上に出ています
虹の弧を、方角と高さの目もりに落とした図0度20度40度60度347度32度東北東122度167度主虹(外が赤・内がむらさき)副虹(外がむらさき・色の順が逆)アレキサンダーの暗帯地平線ここから下は地面うしろに太陽

方角と高さの目もりに合わせて描いているので、輪は横につぶれて見えます。実際の空では正しい円です。図の色は場所を見分けるための塗り分けで、空の明るさや虹の色そのものではありません。

その日の 30分ごと(日の出から日の入りまで)

日の出から日の入りまで30分ごとの、虹の輪の中心の方角・太陽の高さの帯・主虹の見え方
時刻虹の輪の中心の方角太陽の高さ主虹の見え方
6:00276.0度(西)42度より低い地面の上に出ています
6:30280.5度(西)42度より低い地面の上に出ています
7:00285.2度(西北西)42度より低い地面の上に出ています
7:30290.3度(西北西)42度より低い地面の上に出ています
8:00295.8度(西北西)42度より低い地面の上に出ています
8:30301.9度(西北西)42度より低い地面の上に出ています
9:00308.8度(北西)42度より低い地面の上に出ています
9:30316.7度(北西)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
10:00325.7度(北西)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
10:30336.0度(北北西)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
11:00347.4度(北北西)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
11:30359.4度(北)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
12:0011.5度(北北東)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
12:3022.9度(北北東)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
13:0033.3度(北北東)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
13:3042.5度(北東)42度より高い輪ぜんぶが地平線の下
14:0050.4度(北東)42度より低い地面の上に出ています
14:3057.4度(東北東)42度より低い地面の上に出ています
15:0063.6度(東北東)42度より低い地面の上に出ています
15:3069.1度(東北東)42度より低い地面の上に出ています
16:0074.2度(東北東)42度より低い地面の上に出ています
16:3078.9度(東)42度より低い地面の上に出ています
17:0083.4度(東)42度より低い地面の上に出ています

⭐ 一覧は日の出から日の入りまでですが、日の出・日の入りのその瞬間、太陽の中心はまだ(もう)地平線の下にあります。日本の日の出・日の入りは太陽の上のふちが地平線に来た時刻で決めているからです。だから一覧のいちばん最初や最後の行が「太陽が地平線の下」になることがあります(一覧より前や後の時刻をえらんだときも同じです)。 そのとき弧の高さは「—」になります (0度とは書きません。0度は「輪が地平線に1点だけ触れている」 という別の意味の正しい値だからです)。上のふちで決める話は日の出・日の入りの時刻のページに書きました。

ここに出る太陽の位置は幾何学的な値で、大気の曲がり(大気差)を入れていません。国立天文台「こよみの計算」の高度には大気差が算入されているので、地平線ぎわで0.5度ほど食い違います。

標高0メートル・平らな地面に立っている前提で計算しています。丘や飛行機のような高いところからは、半円より大きな弧や、まるい輪として見えることがあると WMO は書いています。

気象庁の『気象観測ガイドブック』は全56ページを調べましたが「虹」の語が1件もありませんでした。だから日本語の一次資料は気象庁の「よくある質問」1本だけです。米国気象局 JetStream の虹の頁は本文が取得できなかったので、出典に使っていません。

⏳ 太陽の高さと弧の高さは、帯と文で出しています。このサイトには「南中高度を数字で出さない ── 国立天文台の高度には大気差が入っていて、 突き合わせられない数字は出さない」という決めごとが日の出・日の入りのページから続いています。 今回は国立天文台の63点と実際に突き合わせた(方位の差は最大0.065度)ので技術的な前提は 変わりましたが、いちど決めたことを覆すかどうかはサイトの持ち主が決めることなので、こちらは前の決めごとのままにしています。高さは帯(42度より低いなど)と文で出し、数字は下の「太陽の高さと、見える弧の対応表」で出しています。

やってみる

1問目 / 全6問

夕方、東の空に虹が出ていました。太陽はどっちにありますか。

虹はどっちに出るのか ── 出る場所だけは、天気に関係なく決まっています。 日付と時刻と場所をえらぶと、もし虹が出たとしたら空のどっちに、どのくらいの高さに見えるかを図にします。 虹の輪はいつでも太陽のちょうど反対側を中心にした半径およそ42度の輪なので、太陽の位置さえ分かれば場所は決まります。 虹が出るかどうか=天気そのものは扱いません。

虹の中心は対日点(たいにってん)── いつでも太陽のちょうど反対側です

対日点(たいにってん)とは、太陽から自分を通してまっすぐ延ばした 先にある点のことで、虹の輪はいつでもここを中心にします。 WMO(世界気象機関)の 国際雲図帳が、弧の中心を「光源から観測者を通してまっすぐ延ばした先の点」= 対日点(antisolar point)だと定義しています。

だから虹は出たとこ勝負に見えても、出る場所だけは決まっています。 気象庁も「太陽光が反射して起こる現象ですから、虹は必ず太陽を背にした方向に現れます」と 書いています。

つまり中心の方角は太陽の方位ちょうど+180度、中心の高さは太陽の高さにマイナスを付けた値です。 「朝は西、夕方は東」というよく聞く言い方は、この一言の言いかえにすぎません。 この道具がその+180度を「西」ではなく方位の数字と16方位の名前で出しているのは、ずれが小さくないからです。夏の朝、太陽が真東より北寄りから昇っていれば、 虹の中心は真西より南寄り ── 出るのは「西南西」であって「西」ではありません。 方位の決め方そのものは方位の名前のページに書きました。

虹の大きさは変わりません ── 半径およそ42度の輪

雨の強さでも、季節でも、場所でも、虹の輪の大きさは変わりません。 WMO の国際雲図帳は主虹について「むらさきが内側(弧の半径40度)、赤が外側(半径42度)」と数字で決めています。副虹は「赤が内側(半径51度)、むらさきが外側(半径54度)」で、色の順が逆になります。

この「半径」は長さではなく角度です。地平線から真上(天頂)までが ちょうど90度なので、42度は天頂までの半分より少し下 ── 見上げて、水平線と真上のまんなかよりやや下のあたりです。 だから虹が「大きく見える」「小さく見える」ということはありません。 変わるのは、輪のうちどれだけが地面の上に出ているかだけで、 それを決めているのは太陽の高さひとつです。

太陽が42度より高いと、虹は地面の下に入ります

中心が太陽の反対=地平線より下にあって、半径が42度で動かないなら、太陽が42度より高く昇った瞬間に輪ぜんぶが地平線の下へ沈みます。 WMO の国際雲図帳もそう書いています ──「太陽や月が42度より高く昇ると、主虹は地平線の下になる」。逆に太陽が地平線すれすれのときは、 輪のちょうど半分=半円が空に出ます。

太陽の高さごとの、主虹のてっぺんの高さ・地面の上に出ている弧・弧の足のひらき
太陽の高さ主虹のてっぺんの高さ見えている弧半円のどれだけ弧の足のひらき
0度42度180度100%±42度
10度32度157.41度87%±41.01度
20度22度132.31度74%±37.74度
30度12度100.24度56%±30.89度
40度2度42.53度24%±14.04度
42度0度0度0%±0度

てっぺんの高さは「42度 − 太陽の高さ」なので、まっすぐ減ります。ところが見えている弧のほうは、まっすぐ減りません。 太陽が10度でも弧はまだ87%残っているのに、40度まで来ると24%まで落ちます。最後のほうで一気に縮むわけです。

⭐ いちばん下の行の「0度」は、「見えない」という意味ではありません。 太陽がちょうど42度のときは、輪が地平線に1点だけ触れています。 その1点の値が0度です。 上の道具が「—」を出すのは、太陽がこれより高くて輪ぜんぶが地面の下に入ったときだけで、 そのときは0度とは書きません(0度は正しい値なので、 まぎれると入力の間違いに気づけなくなります)。

虹が朝と夕方に多いのは、雨が朝夕に多いからではなく、この幾何のためです。 ⭐ 国立天文台の値で確かめてみます。東京の2026年6月21日12時の太陽は高度77.2度 ──真夏の昼は、たとえ雨が降っていても輪は地面の下です。 同じ東京の12月22日12時は30.7度なので、冬至の日は日が出ているあいだずっと輪が地面の上に出る高さにあります。

42度という数字は、ニュートンが計算して、自分で測って確かめました

42度は言い伝えではありません。ニュートンは『光学』(1704年)(新しいタブで開きます)第1篇第2部 命題9で、水に入るときの光の曲がりぐあいを「赤は108対81、むらさきは109対81」と置いて計算し、 主虹の半径を赤42度2分・むらさき40度17分、副虹を赤50度57分・むらさき54度7分と、分の単位まで書きました。

同じ式をこのページで計算し直すと、主虹は赤 42度1.8分・むらさき 40度16.2分。主虹の差は1分角に届きません。副虹のほうは赤 50度58.7分・むらさき 54度9.6分で、印字された値との差はもう少し大きくなります (上の4つの数とくらべてみてください)。 しかもニュートンはそれで満足せず、「そのころ手元にあった道具で、主虹の外側の半径を 実際に測って約42度を得た」と書き、 主虹と副虹のあいだの暗い帯の幅も約8.5度と測っています。計算と実測が合ったから、 この数字は300年たっても動いていません。

いまの水の屈折率でも確かめられます。IAPWS R9-97(新しいタブで開きます)の表3にある検証値(波長0.589マイクロメートル・0℃・0.1MPa で 1.334344)を 同じ式に入れると主虹の半径は 41度53.0分 ── WMO が決めた40度(むらさき)と42度(赤)のあいだにきちんと収まります。ただし画面に出している半径は WMO の値のほうです。 IAPWS の検証値は黄色い光1色ぶんしかないので、色ごとの半径をこの式から作ることはしていません。 計算し直した値は、あくまで検算です。

外がわが赤、内がわがむらさき。副虹は色が逆で、あいだは暗い

気象庁は「普通の虹は、外側が赤、内側がむらさきと決まっています」と書き、 外から内へ赤・だいだい・黄・緑・青・むらさきの順としています。 色の数は6色とも7色ともいわれますが、気象庁は理科年表を根拠に6色を採り、 「可視光線の色の境界には個人差がある」と添えています。

ふたつめの虹(副虹)は主虹の外がわに出て、色の順が逆になります。 そして主虹と副虹のあいだ、42度から51度までの9度の帯は、輪の内側より暗くなります。WMO はこれを「弧の外は内より空が暗い」と書いていて、アレキサンダーの暗帯と呼ばれます。ニュートンの実測では約8.5度でした。 ⭐ 二重の虹を見つけたら、暗い帯を先に探すと副虹が見つけやすくなります。 上の図でも、この帯を塗り分けてあります。

太陽のまわりに出る色の輪は、虹ではありません

「虹が出た」と言われる写真には、暈(かさ)や幻日(げんじつ)が混じっています。 見分けは簡単で、色の輪の中心が太陽の側にあるか、反対側にあるかを見ればよいのです。

気象庁は暈を「太陽や月を中心としてできる視半径22°と46°の光の輪」と説明し、 上層雲の氷の粒(氷晶)による屈折でできると書いています。しかも「内暈も外暈も屈折率が小さい赤色が内側、紫色が外側」 ── 外がわが赤の虹とは、色の順まで逆です。虹は水の粒、暈は氷の粒。虹は太陽の反対、暈は太陽のまわり。この道具は太陽の方位も同時に出すので、写真を撮った方角を思い出せば、 どちらだったかを自分で確かめられます。その雲が何かを見分けたいときは雲の種類のページへどうぞ。

このページは天気の予報ではありません

気象業務法(昭和27年法律第165号)第2条第6項は「予報」を「観測の成果に基づく現象の予想の発表」と定め、第17条第1項は 気象庁以外の者が予報の業務を行うには気象庁長官の許可が要るとしています。 そして同法第2条第1項は「気象」を「大気(電離層を除く。)の諸現象」と定めていて、虹は大気の現象ですから、この「気象」に当たります。

だからこのページは「虹が出るかどうか」を一切扱いません。 扱うのは、太陽の位置という天体の運行から出る幾何 ──「もし虹が出たとしたら、それはどこに見えるか」だけです。 雨が降るかどうかにも触れません。実際の天気は気象庁の天気予報(新しいタブで開きます)で確かめてください。この線引きは、雲のページ(/cloud)で予報をしないのと同じです。縁起や前ぶれの話も書きません。 出どころが言っていないことを、こちらが足すことはしません。

この道具の太陽の位置は、国立天文台の値とどれだけ合っているか

数字を出すからには、合っているかを測らなければいけません。 国立天文台 暦計算室「こよみの計算」(新しいタブで開きます)(ver.2.0h)に、3地点 × 3日 × 7時刻=63点の太陽の高度と方位を求めて、2026-08-30に取得しました。取り込んだのは結果の表だけで、この計算ページをビルドのときにも動かすときにも叩いていません(「予告なく変更することがあります」と自ら書いてあるものに、毎回つなぎに行かない)。

方位のちがい63点すべて・いちばん悪い点で
0.065度(那覇 2026-06-21 12時)
太陽が空にあるとき(55点)大気差を足してから比べたときの、いちばん悪い点
0.051度(札幌 2026-08-29 6時)
太陽が地平線より十分下のとき(7点)⭐ こちらは大気差を足さないほうが合いました
0.047度(那覇 2026-08-29 6時)
地平線ぎわ(1点)幾何では地平線の下、国立天文台の値では上
0.492度(札幌 2026-12-22 16時)

食い違いのもとは大気差です。空気はレンズのように光を曲げるので、 太陽は実際より高いところにあるように見えます。国立天文台の結果ページには 「高度には大気差が算入されています。」と書いてあり、こちらは幾何学的な値なので、地平線に近いほど食い違います。

帯を分けた根拠は、測った事実だけです。「地平線より下では大気差ぶんの差が出ない」というのは63点を実際に並べて分かったことで、国立天文台がどういう規則で計算しているかを断定するものではありません。 また、しきい値を1本にゆるめて「全部0.5度以内」と言うこともしていません。 それは食い違いを隠すことになるからです。 日の出・日の入りの時刻そのものは日の出・日の入りのページが、同じ大気差の話ごと扱っています。

この図が「正しい円」に見えないのは、方角の目もりに合わせているからです

上の図は、よこを方角、たてを空の高さにした 等間隔の格子に弧を落としています。だから半径42度の輪が、横につぶれて見えます。 実際の空では正しい円です。

正しい円で描くこともできますが、そうすると方角の目もりが等間隔でなくなり、読めなくなります。 この道具がいちばん出したいのは「どっちの空か」なので、方角が読めるほうを選びました。 どちらを取ってもどこかが崩れる、という取捨です。 だから図のそばに、 そう書いてあります。 図の塗り分けの色は、場所を見分けるためのものです。空の実際の明るさでも、 虹の色そのものでもありません。 地平線より下にある弧を破線で描いているのも同じ理由で、 色ではなく形で区別しています。

出どころ: WMO 国際雲図帳「Primary rainbow」(新しいタブで開きます)/WMO 国際雲図帳「Secondary bow」(新しいタブで開きます)/WMO 国際雲図帳「Rainbow」(新しいタブで開きます)/気象庁「雲・大気現象・大気光象について」(新しいタブで開きます)/Isaac Newton『Opticks』(1704) Book I Part II Prop. IX(新しいタブで開きます)/IAPWS R9-97(水の屈折率)表3(新しいタブで開きます)/国立天文台 暦計算室「こよみの計算」太陽の高度と方位(新しいタブで開きます)/気象業務法(昭和27年法律第165号)(新しいタブで開きます)/文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』(新しいタブで開きます)。確かめられなかったこと ── 【1】気象庁『気象観測ガイドブック』(PDF 56ページ)… 開いて全56ページを調べましたが、「虹」も「光象」も1件もありませんでした。ここから虹の定義は引けません。 【2】米国気象局 NOAA JetStream「Rainbows」… 開けませんでした。応答は返ってくるのですが、中身が目次だけで虹の解説が1文もありません(同じ場所の別のページも、まったく同じ中身が返ってきます)。だから出典に使っていません。 【3】デカルト『気象学』(Les Météores, 1637)… 原典は取りに行っていません。だから「42度を最初に説明したのはデカルト」とは書きません。ニュートンが『光学』の中で「同じ説明をデカルトが『気象学』で進め、外側の虹のほうを直した」と書いていることだけを引いています。 「42度を最初に説明したのはデカルト」とは書いていません。ニュートンが『光学』の中でデカルトの『気象学』に触れている、という一文を引いただけで、 デカルトの原典そのものは取りに行っていないからです。 ⭐ 画面に出している半径(40・42・51・54度)は WMO 国際雲図帳の値で、このページが計算した値ではありません。 計算し直した値は、その WMO の値と食い違わないことを確かめるためだけに使っています。

よくある質問

対日点とは何ですか?読み方は?

「たいにってん」と読みます。太陽から自分を通してまっすぐ延ばした先にある点で、WMO(世界気象機関)の国際雲図帳は、虹の弧の中心を「光源から観測者を通してまっすぐ延ばした先の点」(antisolar point)だと定義しています。方角は太陽の方位+180度、高さは太陽の高さにマイナスを付けた値です。この道具が「虹の中心」として出しているのがこの点です。

虹はどっちの空に出ますか

太陽のちょうど反対側です。気象庁は「太陽光が反射して起こる現象ですから、虹は必ず太陽を背にした方向に現れます」と書いています。だから朝(太陽が東)なら西の空、夕方(太陽が西)なら東の空です。ただし「東」「西」ではおおざっぱすぎます。太陽は真東・真西からずれて昇り沈むので、この道具は太陽の方位を計算して180度足した値を、度の数字と16方位の名前の両方で出します。

どうして虹は朝と夕方に多いのですか

虹の輪は太陽の反対側を中心にした半径およそ42度の輪なので、太陽が高いほど輪は地面の下に沈みます。太陽が42度より高く昇ると、輪は丸ごと地平線の下に入ります(WMO 国際雲図帳)。逆に太陽が地平線すれすれのときは、輪のちょうど半分が空に出ます。つまり朝夕に多いのは、雨が朝夕に多いからではなく、太陽が低いあいだしか輪が地面の上に出られないからです。

42度は、どうやって空で測ればいいですか

地平線から真上(天頂)までがちょうど90度なので、42度は天頂までの半分より少し下です。見上げて、水平線と真上のまんなかよりやや下のあたり、と思ってください。指の幅で角度をはかる目安は、このページでは出しません。出どころにしようとした米国気象局 JetStream の虹の頁は本文が取れなかったからです。指ではかる話は雲のページ(/cloud)にあるので、そちらを見てください。

半円より大きな虹は見られますか

平らな地面に立っているかぎり、いちばん大きくても半円までです。輪の下半分は地面にさえぎられるからです。ただし WMO の国際雲図帳は、飛行機のようなとても高いところからは円の大部分、ときには完全な輪として見えることがあると書いています。この道具は標高0メートル・平らな地面の前提で計算しているので、その場合は範囲の外です。

虹が二重に見えるのはなぜですか

外側にもう1本出るのが副虹(ふくにじ)です。水の粒の中で光が2回はね返ってから出てくるためで、WMO は副虹を「赤が内側(半径51度)、むらさきが外側(半径54度)」と定義しています。主虹は外側が赤なので、色の順が逆になるのが目印です。そして主虹と副虹のあいだ、42度から51度までの9度の帯は、輪の内側より暗く見えます(アレキサンダーの暗帯)。二重の虹をさがすときは、この暗い帯を先に見つけると分かりやすくなります。

太陽のまわりに虹のような輪が出ました。これも虹ですか

虹ではありません。暈(かさ)か幻日(げんじつ)です。気象庁は暈を「太陽や月を中心としてできる視半径22°と46°の比較的大きい」光の輪と説明し、上層雲の氷の粒(氷晶)による屈折でできると書いています。虹は水の粒で、太陽の反対側。暈は氷の粒で、太陽のまわり。色の順も逆で、暈は「屈折率が小さい赤色が内側、紫色が外側」です。中心が太陽の側にあったら、それは虹ではありません。

雪の日に虹は出ますか

出ません。気象庁が「雪は固形物ですから水滴のように、太陽光が屈折や反射することができないため雪が降っている時や雪が降った後では、虹はできません」と書いています。虹には液体の水の粒が要ります。ただし霧の粒でできる霧虹(きりにじ)というものはあり、WMO はこれを「とても小さい水の粒」でできる主虹だとしたうえで、外がわにうすい赤・内がわにうすい青のふちが付くことはあっても、見えるのは「白い帯」だと書いています。なぜ色が分かれないのかまでは、この資料には書かれていません。

この道具は「あした虹が出るか」を教えてくれますか

教えません。気象業務法第2条第6項は「予報」を「観測の成果に基づく現象の予想の発表」と定め、第17条第1項は気象庁以外の者が予報の業務を行うには気象庁長官の許可が要るとしています。虹は大気の現象なので、この法律の「気象」に当たります。ここで出しているのは、もし虹が出たとしたら幾何としてどこに見えるかだけで、雨が降るかどうかにも触れていません。天気は気象庁のページで確かめてください。

この道具の太陽の位置は、国立天文台の値とどれだけ合っていますか

国立天文台「こよみの計算」から3地点 × 3日 × 7時刻の63点を取って突き合わせました。方位の差は63点すべてで最大0.065度でした。高さのほうは1本の物差しでは比べられません。国立天文台の高度には大気差(大気で光が曲がって実際より高く見える効果)が入っていて、こちらは幾何学的な値だからです。太陽が空にある55点は大気差を足すと最大0.051度、地平線より十分下の7点は足さないほうが合って最大0.047度。残る1点(札幌 2026-12-22 16時)は地平線ぎわで、0.492度ずれます。

月の光でも虹は出ますか

出ます。WMO の国際雲図帳は虹の定義に「太陽または月の光による」と書いていて、月でできるものを moonbow(月虹)と呼びます。太陽による虹の色はふつう鮮やかだが、月によるものはずっと弱く色が無いこともある、ともあります。輪の中心は月のちょうど反対側で、大きさは太陽の虹と同じです。