星座と星の見つけ方
北極星の探し方と、季節ごとの星の並び、そして天の川が流れている場所を、 実際の星の位置から描いた図で見られます。
北極星は天の北極から0.74度しか離れていないので、一晩中ほとんど動きません。だから方角の目印になります。北斗七星とカシオペヤ座は北極星をはさんで反対側にあるので、どちらかが見つかれば北極星に行き着けます。
よくある質問
北極星はどうやって見つけますか?
北斗七星のひしゃくの先にある2つの星(メラクとドゥーベ)を結び、その間隔の5倍だけ先へ伸ばすと北極星に届きます。北斗七星が見えない秋から冬は、カシオペヤ座から探します。北斗七星とカシオペヤ座は北極星をはさんで反対側にあるので、どちらか片方は必ず見えています。
なぜ北極星は動かないのですか?
地球の自転軸のほぼ真上にあるためです。北極星の赤緯は+89.26度で、天の北極からわずか0.74度しか離れていません。星は天の北極を中心に回って見えるので、その中心にある北極星だけがほとんど動きません。まったく動かないわけではなく、小さな円を描いています。
星の明るさの「等級」はどう読みますか?
数が小さいほど明るい、という決まりです。1等星より0等星、0等星よりマイナスの星が明るくなります。全天でいちばん明るい恒星のシリウスは−1.46等です。1等級の差は明るさで約2.5倍にあたります。この図では、明るい星ほど大きな丸で描いています。
図の左右が実際の空と逆に見えます
逆ではありません。地図は地球を外から見るので東が右ですが、星図は自分が天球の内側にいるので東が左になります。北を上にして空を見上げると、実際に東は左手側です。この図もそうなっていて、オリオン座の肩と足の位置で確かめてあります。
季節の星座はいつ見えますか?
その季節の夜に見やすい、という意味です。地球が太陽のまわりを回るので、真夜中に南に見える星座が少しずつ変わります。ただし夏の大三角は秋の初めまで見えますし、冬の星座は明け方なら秋にも見えます。季節はあくまで目安です。
星の位置はどこから取っていますか?
SIMBAD(ストラスブール天文データセンター)という、世界中の天文学者が使う天体データベースから取っています。赤経・赤緯と明るさを問い合わせた値をそのまま使っていて、手で書き写した数字はありません。
天の川の正体は何ですか?
おびただしい数の恒星の集まりです。それを望遠鏡で初めて明らかにしたのはガリレオ・ガリレイでした。私たちは円盤の形に星が集まった銀河の内部にいて、その円盤を内側から一周見わたしています。円盤の面の方向は星が重なって見えるので、空をぐるりとめぐる帯として見えます。これが天の川です(国立天文台)。
天の川はなぜ夏に濃く見えるのですか?
夏の夜に向く方角の先に、銀河系の中心があるからです。中心はいて座の方向、赤経17時46分・赤緯マイナス28.9度にあります。中心の方を見ると円盤を長く貫いて見通すので星が多く重なります。逆に冬は中心と反対の外側を向くため、天の川はあっても淡くなります。この図では、冬の大三角の図にも天の川が出ています。
天の川が二筋に裂けて見えるのはなぜですか?
そこに星が無いからではありません。銀河にはガスや細かい塵といった星間物質も含まれていて、とくに円盤の面に集まっています。これが向こう側の星の光を遮り、影のように黒く見えます。この領域を暗黒星雲と呼びます(国立天文台)。つまり暗いところにこそ物質が濃くあります。
織姫と彦星は実際どれくらい離れていますか?
約14.6光年です。空の上では34度しか離れていませんが、地球からの距離がベガ25.0光年、アルタイル16.7光年と違うため、奥行きを入れるとこれだけ離れます。光の速さで進んでも14年以上かかる距離なので、年に一度会うのは相当に大変ということになります。
図の帯の幅は、本当の天の川の幅ですか?
違います。図に描いてあるのは銀緯プラスマイナス10度という、座標の定義で決まる範囲です。実際の天の川の濃さは場所によってまるで違いますし、暗黒星雲で裂けてもいます。あくまで「だいたいこのあたりを流れている」という目安として見てください。
北極星が動かないのは、自転軸の真上にあるからです
星が動いて見えるのは、地球が回っているからです。 その回転の軸を空まで伸ばした先を天の北極といい、 星はすべてそこを中心に回って見えます。
北極星(ポラリス)は、その天の北極のすぐそばにあります。赤緯は+89.26度、つまり天の北極から0.74度しか離れていません。満月の見かけの大きさが約0.5度なので、満月1個半ぶんのずれです。
だから一晩中ほとんど動かず、いつ見ても真北にあります。 まったく動かないわけではなく、小さな円を描いていますが、 肉眼で分かるほどではありません。
北斗七星から5倍のばす
北極星そのものは2等星で、特に明るいわけではありません。 だから明るい星から辿るのが確実です。
北斗七星のひしゃくの先、2つの星(メラクとドゥーベ)を結んで、 その間隔の5倍だけ先へ伸ばすと北極星に届きます。 この2つを指極星(ポインター)と呼びます。 上の「北の空と北極星」の図に、その線を描いてあります。
北斗七星が地平線の下に沈む秋から冬は、反対側のカシオペヤ座から探します。 2つは北極星をはさんで反対側にあるので、どちらか片方は必ず空に出ています。
明るさの「等級」は、数が小さいほど明るい
星の明るさは等級で表します。 ここが直感と逆で、数が小さいほど明るいという決まりです。 1等星より0等星が明るく、さらに明るい星はマイナスになります。
| 星 | 明るさ |
|---|---|
| シリウスおおいぬ座 | -1.46等 |
| アークトゥルスうしかい座 | -0.05等 |
| ベガこと座 | 0.03等 |
| カペラぎょしゃ座 | 0.08等 |
| リゲルオリオン座 | 0.13等 |
| プロキオンこいぬ座 | 0.37等 |
1等級の差が明るさで約2.5倍にあたるので、−1.46等のシリウスは 2.02等の北極星より約30倍明るいことになります。 この図では、明るい星ほど大きな丸で描いています。
星の間の距離は「角度」で測ります
星までの距離ではなく、空の上で何度離れて見えるかを角度で言います。 たとえば夏の大三角のベガとアルタイルは約34度離れています。
角度は手で測れます。腕をいっぱいに伸ばしたとき、 小指の幅が約1度、握りこぶしの幅が約10度です。 ベガとアルタイルなら、こぶし3つ半ぶんということになります。雲の種類のページで粒の大きさを指で測るのと同じやり方です。
天の川は、自分がいる銀河を内側から見た姿です
ぼんやり光る帯の正体は、おびただしい数の恒星の集まりです。 望遠鏡でそれを初めて確かめたのはガリレオ・ガリレイでした。
私たちは、円盤の形に星が集まった銀河の内部にいます。 円盤の面に沿った方向は星が何重にも重なって見え、面から外れた方向は星がまばらになります。 だから空をぐるりとめぐる帯に見えます。 外から眺めれば、中心に棒状の構造があり、 その両端から渦巻きの腕が伸びた棒渦巻銀河の形をしていると考えられています。
上の図の「天の川」を選ぶと、はくちょう座から南のさそり座へ流れていく帯が出ます。 帯に重ねてある十字が銀河系の中心の方向で、 赤経17時46分・赤緯-28.9度、いて座のあたりになります。
夏に濃く、冬に淡いのは、向いている方向が違うから
夏の夜は、ちょうどこの中心の方向を向きます。 中心を見るということは、円盤をいちばん長く貫いて見通すということなので、 重なる星の数が増えて濃く見えます。 冬は逆に中心の反対側、 つまり円盤の外側を向くので、天の川はあっても淡くなります。 上の図で「冬の大三角」を選ぶと、ベテルギウスとプロキオンの間を天の川が通っているのが分かります。冬にも天の川はあります。薄いだけです。
中心までの距離は、国立天文台のVERA(電波望遠鏡による三角測量)が約2万6100光年(誤差±1600光年)と直接測っています。 太陽系はその周りを秒速240kmで回っていて、1周に約2億年かかります。 中心にある巨大ブラックホール「いて座A*」は太陽の400万倍の重さがあり、 2022年に姿が初めて撮影されました。
黒い筋は、星が無いのではなく、隠されているところ
天の川をよく見ると、真ん中が裂けたように黒くなっているところがあります。ここに星が無いわけではありません。銀河にはガスや細かい塵といった星間物質も含まれていて、とくに円盤の面に集まっています。 それが向こう側の星の光を遮り、影として黒く見えているのです。この領域を暗黒星雲といいます。
つまり、暗く見えるところにこそ物質が濃く集まっています。そしてそこは新しい星が生まれる材料の宝庫でもあります。 目で見えないものを電波で観測すると、この黒い帯がいちばん明るく光ります。
七夕の織姫と彦星は、本当に14.6光年離れています
天の川をはさんで向かい合う2つの星が、織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)です。 年に一度、かささぎが橋をかけて2人が渡る、 という言い伝えがあります。
では実際にはどれだけ離れているのでしょうか。空の上での見かけは約34度、こぶし3つ半ぶんです。 しかし地球からの距離が ベガ25.0光年、アルタイル16.7光年と違うので、 奥行きを入れて計算すると本当の距離は約14.6光年になります。
光の速さで進んでも14年以上かかる距離です。 年に一度会うというのは、なかなかの難題ということになります。
なお七夕は、もともと太陰太陽暦(旧暦)の7月7日の行事でした。 いまの暦の7月7日は梅雨の最中で天の川が見えにくいのに対し、 旧暦の7月7日は8月ごろにあたり、月も細く、天の川がよく見える時期になります。
天の川が見える場所は、減っています
環境省は、屋外照明の光が上方向に漏れることで夜空の明るさが増し、星が見えにくくなっていると説明しています。 これを光害(ひかりがい)といい、天文観察への影響も挙げられています。
天の川はもともと淡い光なので、街明かりの影響をまっさきに受けます。 見たいときは、街から離れて、月の出ていない夜を選び、 目が暗さに慣れるまで15分ほど待ってください。 明るい画面を見ると慣れが一度で消えます。
この図の作り方
- 星の位置(赤経・赤緯)と明るさは SIMBAD(ストラスブール天文データセンター)(新しいタブで開きます)から取得した値をそのまま使っています。全8枚の図で 合計45個の星を描いています
- 投影はステレオ投影です。星座の形が保たれるので、 実際の空と見比べられます
- 写真ではなく図にしているのは、夜空の写真には線が写っていないためです。 星座は「どの星とどの星を結ぶか」が答えなので、線ごと描いています
- 天の川の帯は、銀河座標の銀緯±10度を計算して描いています。 位置の正しさは、SIMBAD が公開している46星の銀河座標と突き合わせて確かめました (0.001度以内で一致)。目安として見てください。濃さを表したものではありません
天の川と銀河系について参照したもの
- 国立天文台 広報ブログ 「七夕星の季節に天の川をのぞいて(後編)」(新しいタブで開きます)— 天の川の正体、ガリレイ、暗黒星雲
- 国立天文台 ギャラリー 「天の川銀河紀行」(新しいタブで開きます)— 円盤を真横から見た姿であること、棒渦巻銀河、かささぎの橋
- 国立天文台 VERA 「天の川銀河の基本尺度を正確に決定」(新しいタブで開きます)— 銀河中心までの距離 8.0±0.5 kpc(約26100±1600光年)、回転速度240 km/s、1周約2億年
- 国立天文台 「天の川銀河中心のブラックホールの撮影に初めて成功」(新しいタブで開きます)— いて座A*、太陽の400万倍の質量
- 環境省 「星空を見よう」光害について(新しいタブで開きます)— 上方向に漏れた光で夜空が明るくなること
銀河中心までの距離は、上のVERAの測定が約2万6100光年、 ブラックホール撮影の発表が約2万7000光年と、同じ国立天文台でも数字が少し違います。 測り方も発表の時期も違うためで、どちらかが誤りというわけではありません。 ここでは三角測量で直接測ったVERAの値を本文に採りました。