コトラーの名言 ── 何歳で本に載った?
マーケティングのいちばん短い定義の1つは、「もうけの出る形で、人の求め(ニーズ)にこたえること」だ。
One of the shortest definitions of marketing is “meeting needs profitably.”『Marketing Management』第10版(2000年)第1章 2頁
満68〜69歳2000年(本に載った年)
1988年からついた、国際マーケティングの、名前のついた教授の席で教えていたころです(大学の教員紹介)。この版は、ひとりで書いています。
「もうけの出る形で、人の求めにこたえる」という言い方は、1997年の第9版にも、マーケティングの考え方を言い表す言い方の1つとして出ています。この文は、2006年の第12版の第1章や、2017年の英語の自伝にも出てきます。
コトラーの年表(22の出来事)
満68歳
『マーケティング・マネジメント』の第10版を出す
2000年・満68〜69歳
満68歳は、1999年5月27日から2000年5月26日まで
| 年齢 | いつ・何をした |
|---|---|
| 満0歳 | 1931年5月27日 アメリカのシカゴで生まれる 日付は、米国議会図書館の典拠と、本人の自伝によります |
| 満21〜22歳 | 1953年 シカゴの大学で、経済学の修士になる その前の2年は、奨学金を受けて、シカゴの別の大学に通いました(自伝) |
| 満23〜24歳 | 1955年 結婚する |
| 満24歳 | 1955年の秋 博士の論文のための調べもので、インドへ行く インドには1年いました(自伝 第6章) |
| 満24〜25歳 | 1956年 マサチューセッツの大学で、経済学の博士になる |
| 満28〜29歳 | 1960年 1年かけて、大学で高等数学を学ぶ 経済を教える若い先生50人を選んで学ばせる計画に、選ばれました(自伝 第7章) |
| 満30〜31歳 | 1962年 シカゴの近くの大学で、マーケティングの助教授になる 1965年に准教授、1969年に教授になりました(大学の教員紹介) |
| 満35〜36歳 | 1967年 『マーケティング・マネジメント』の初版を出す 本に刷られた年です 言葉の札:最初の本の定義 |
| 満37歳 | 1969年1月 マーケティングの考えを広げる論文を、仲間の研究者と2人で出す 論文の題は「Broadening the Concept of Marketing」です |
| 満39〜40歳 | 1971年 日本語の『マーケティング・マネジメント』が出る 国立国会図書館の目録によります |
| 満40歳 | 1971年7月 「ソーシャル・マーケティング」の論文を、仲間の研究者と2人で出す 題に「計画して社会を変えていくための取り組み」とそえた論文です |
| 満53〜54歳 | 1985年 アメリカのマーケティングの学会がつくった、教える人に贈る賞の、最初の受賞者になる 大学の教員紹介によります |
| 満56〜57歳 | 1988年 『マーケティング・マネジメント』の第6版を出す この年から、国際マーケティングの、名前のついた教授の席につきました(大学の教員紹介) 言葉の札:きわめるには一生 |
| 満68歳(1999年5月27日から)はここ | |
| 満68〜69歳 | 2000年 『マーケティング・マネジメント』の第10版を出す 本人が「ミレニアム版」と名づけた版です 言葉の札:いちばん短い定義 |
| 満71〜72歳 | 2003年 『Marketing Insights from A to Z』を出す マーケティングの考えを、AからZの順に並べて説明した本です |
| 満74〜75歳 | 2006年 『マーケティング・マネジメント』の第12版を、仲間の研究者と2人で出す |
| 満79歳 | 2010年9月 日本語の『コトラーのマーケティング3.0』が出る 英語の本『Marketing 3.0』は、2010年に出ています |
| 満83歳 | 2014年8月 日本語の自伝『マーケティングと共に』が出る 英語の題は My Life with Marketing です(国立国会図書館の目録) |
| 満85〜86歳 | 2017年 英語の自伝『My Adventures in Marketing』を出す |
| 満86歳 | 2017年8月 日本語の『コトラーのマーケティング4.0』が出る |
| 満90歳 | 2022年4月 日本語の『コトラーのマーケティング5.0』が出る |
| 満95歳 | 2026年7月 日本語の『コトラーのマーケティング6.0』が出る この年表は、この行までです |
英文は本からの引用で、訳はこのページでつけました。満年齢は、1931年5月27日の誕生日から、言葉が載った本の刷られた年で数えています
やってみる
1問目 / 全3問
コトラーが本に書いた考え方を5節、生まれてからの学びと仕事と暮らしを8節で読みます。どの節にも、もとになった本や資料の名前を書いています。
長い1文から、短いひとことへ(定義)
1967年の『マーケティング・マネジメント』初版の第1章で、コトラーは、マーケティングを、会社の資源や方針や活動を、分析し、組み立て、計画し、管理することだと、長い1文で定義しました(11〜12頁)。
その文の後半には、何のためにするのかが書いてあり、選んだお客さんの集まりの求めと望みを、もうけの出る形で満たすため、としています。
2000年の第10版の第1章では、いちばん短い定義の1つとして、「もうけの出る形で、人の求め(ニーズ)にこたえること」をあげています(2頁)。
調べる、分ける、ねらう、組み立てる(STP)
1999年の『Kotler on Marketing』で、コトラーは、マーケティングの進め方を R → STP → MM → I → C と書きました。
R は市場を調べること、STP は市場を分け(Segmentation)、ねらう相手を選び(Targeting)、自分の立ち位置を決める(Positioning)ことです。
そのあと、売り方の組み合わせ(MM)を決め、実行し(I)、結果を見て直す(C)と続きます。
4つの P は、1960年の本から(4P)
売り方の手段を、製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販売促進(Promotion)の4つの P に分ける考えは、1960年に出た別の研究者の本『Basic Marketing』にあります。
コトラーは、2006年の第12版で、その研究者の名を挙げて、この4つの分け方を紹介しています(19〜20頁)。
高校の商業の科目「マーケティング」でも、市場の分け方や、売り方の組み合わせを学びます(文部科学省の学習指導要領の解説)。
マーケティングの考えを広げる(ソーシャル・マーケティング)
1969年1月、コトラーは仲間の研究者と2人で、論文「Broadening the Concept of Marketing」(マーケティングの考えを広げる)を書きました。
1971年7月には、別の研究者と2人で、題に「計画して社会を変えていくための取り組み」とそえた論文「Social Marketing」を出しました。
2017年の自伝の第11章では、この「広げる」考えに反対する研究者もいた、と書いています。
中心は、品物から人へ(マーケティング3.0)
2010年の『Marketing 3.0』で、コトラーたちは、マーケティングが、品物が中心(product-centric)の1.0から、お客さんが中心(consumer-centric)の2.0へ移ってきた、と書きました。
そして、人を、価値観をもつ人として見る(values-driven)3.0の時代が来ている、と続けます。
日本語の本も、『コトラーのマーケティング4.0』(2017年8月)、『5.0』(2022年4月)、『6.0』(2026年7月)と出ています(国立国会図書館の目録)。
ここからは、シカゴで生まれてから、マーケティングの先生になり、本を書いてきた道のりです。本人の自伝、大学の教員紹介、米国議会図書館と国立国会図書館の目録から書いています。
シカゴで生まれる
コトラーは、1931年5月27日に、アメリカのシカゴで生まれました(米国議会図書館の典拠・本人の自伝)。
自伝には、アメリカの景気がとても悪かった時代だったと書いています。
両親は、どちらも海外で生まれ、移り住んできた人でした(自伝 12頁)。
奨学金で大学へ
大学は、シカゴの大学から全額の奨学金を受けて、はじめの2年を通いました(自伝 17〜18頁)。
そのころは、会計の学位をとるつもりだったと書いています。
そのあと別のシカゴの大学に移り、1953年に経済学の修士になりました(大学の教員紹介)。
結婚と、インドでの1年
1955年に結婚し、その年の秋から1年、博士の論文のための調べもので、インドにいました(自伝 第6章)。
1956年に、マサチューセッツの大学で、経済学の博士になりました(大学の教員紹介)。
先生になってから、数学を学びなおす
博士になったあと、シカゴの大学で、経済を教える先生になりました(自伝 第7章)。
教えて2年めに、経済を教える若い先生50人を選んで1年学ばせる計画があると聞き、選ばれて、1960年の1年、高等数学を学びました(自伝 第7〜8章)。
その1年で、シカゴの近くの大学の先生と友だちになりました(自伝)。
マーケティングの先生になる
1962年、シカゴの近くの大学で、マーケティングの助教授になりました(大学の教員紹介)。
1965年に准教授、1969年に教授になり、1988年からは、国際マーケティングの、名前のついた教授の席につきました(同)。
1971年には、日本語の『マーケティング・マネジメント』が出ています(国立国会図書館の目録)。
教える人の賞の、最初の受賞者
1985年、アメリカのマーケティングの学会がつくった、マーケティングを教える人に贈る賞の、最初の受賞者になりました(大学の教員紹介)。
1978年と1989年にも、マーケティングの研究に贈られる賞を受けています(同)。
いくつもの国の大学から、名誉博士の学位を受けています(同)。
夫婦で集めたガラスの作品
コトラーは、夫婦で、作家がつくるガラスの作品を集めてきました(自伝 145〜147頁)。
窓のような暮らしの中のガラスとは別に、作品としてのガラスがあることを、自伝で紹介しています。
2つの自伝
2014年8月、日本語の自伝『マーケティングと共に』が出ました(国立国会図書館の目録・229頁)。
英語の題は My Life with Marketing で、2017年には、英語の自伝『My Adventures in Marketing』を出しています。
英語の自伝でも、マーケティングの短い定義や、R から始まる進め方を、自分の言葉でふり返っています。
出典(22件)
米国議会図書館の典拠「Kotler, Philip」(生年月日)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館の典拠(著者の名)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
勤めた大学の公式の教員紹介(英語・学位と職歴と賞)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler『Marketing Management』初版(1967年)の書誌(米国議会図書館)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler『Marketing Management』第6版(1988年)の書誌(国立国会図書館サーチ)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler『Marketing Management』第9版(1997年)の書誌(米国議会図書館)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler『Marketing Management』第10版(2000年)の書誌(米国議会図書館)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler『Marketing Insights from A to Z』(2003年)の書誌(米国議会図書館)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler『Kotler on Marketing』(1999年)の書誌(米国議会図書館)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
E. Jerome McCarthy『Basic Marketing』(1960年)の書誌(米国議会図書館)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler ほか『Marketing 3.0』(2010年)の書誌(米国議会図書館)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
Philip Kotler『My Adventures in Marketing』(2017年・ISBN 978-0-9905767-6-1)(2026-10-11 に見た文)
国立国会図書館の書誌『マーケティングと共に フィリップ・コトラー自伝』(2014年8月)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館の書誌『マーケティング マネジメント 上』(1971年)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館の書誌『コトラーのマーケティング3.0』(2010年9月)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館の書誌『コトラーのマーケティング4.0』(2017年8月)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館の書誌『コトラーのマーケティング5.0』(2022年4月)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
国立国会図書館の書誌『コトラーのマーケティング6.0』(2026年7月)(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 商業編』第2章第5節「マーケティング」48〜49頁(2026-10-11 に見た文)(新しいタブで開きます)
よくある質問
コトラーは何をした人?
1931年にアメリカのシカゴで生まれ、経済学の博士になったあと、1962年からシカゴの近くの大学でマーケティングを教えた学者です。1967年に出した教科書『マーケティング・マネジメント』は、版を重ねています。
コトラーのマーケティングの定義は?
2000年の『マーケティング・マネジメント』第10版の第1章に、いちばん短い定義の1つとして、「もうけの出る形で、人の求め(ニーズ)にこたえること」とあります。1967年の初版では、会社の資源や方針や活動を、お客さんの求めと望みをもうけの出る形で満たすために、分析し、組み立て、計画し、管理すること、と長い1文で定義していました。
STP とは?
市場を分け(Segmentation)、ねらう相手を選び(Targeting)、自分の立ち位置を決める(Positioning)という、マーケティングの手順の頭文字です。コトラーは1999年の本で、市場を調べること(R)のあとに STP を置き、売り方の組み合わせ(MM)、実行(I)、見直し(C)と続けて書きました。
4P はだれが考えた?
製品・価格・流通・販売促進の4つの P に分ける考えは、1960年に出た別の研究者の本『Basic Marketing』にあります。コトラーは、2006年の第12版で、その研究者の名を挙げて、この分け方を紹介しています(19〜20頁)。
コトラーの名言は、どの本に書いてある?
このページの3つの言葉は、1967年・1988年・2000年の『マーケティング・マネジメント』に載ったものです。どれも、本の英文から、このページで訳しました。
コトラーの生年月日は?
1931年5月27日です。アメリカのシカゴで生まれました。