調べて分かる道具箱

YAML と JSON の変換

どちらへ変換するか
どの版の YAML として読むかここを変えると、出てくる JSON そのものが変わります

Python の PyYAML と Ruby の Psych は YAML 1.1、 JavaScript の js-yaml 4 は YAML 1.2 に沿っています。 手元の道具がどちらかを知りたいときは、no と書いた1行を読ませてみてください ── false になれば 1.1 の読み方です。

例を入れる

読み取りも変換も、この画面の中(お使いの機器の中)だけで行っています。 設定ファイルには接続先や合言葉が入っていることがあるので、ここは譲れないところです。

JSON にしましたYAML 1.2 の決まりで読みました{ "name": "ポタモの設定", "version": 1.1, "countries": [ { "name": "ノルウェー", "code": "no" }, { "name": "日本", "code": "jp" } ], "on": { "push": true }, "open": "yes", "tel": 12, "sizes": [ 1, 2, 3 ], "memo": "ここは\nそのまま\n" }

版によって答えが変わる値読む道具しだいで、別の値になるところです

  • 6行目の countries[0].code の no は、YAML 1.1 では false(真偽値)、YAML 1.2 では "no"(文字列)になります。
  • 9行目の on の on は、YAML 1.1 では true(真偽値)、YAML 1.2 では "on"(文字列)になります。
  • 11行目の open の yes は、YAML 1.1 では true(真偽値)、YAML 1.2 では "yes"(文字列)になります。
  • 12行目の tel の 012 は、YAML 1.1 では 10(整数)、YAML 1.2 では 12(整数)になります。

それぞれの値が、どの型として読まれたか全部で26個

左端に帯の付いた行が、YAML の版で答えの変わるところ
どこにある値か書いてある文字YAML 1.1 ではYAML 1.2 では
name2行目・キーname囲んでいない"name"文字列"name"文字列
name2行目ポタモの設定囲んでいない"ポタモの設定"文字列"ポタモの設定"文字列
version3行目・キーversion囲んでいない"version"文字列"version"文字列
version3行目1.10囲んでいない1.1小数1.1小数
countries4行目・キーcountries囲んでいない"countries"文字列"countries"文字列
countries[0].name5行目・キーname囲んでいない"name"文字列"name"文字列
countries[0].name5行目ノルウェー囲んでいない"ノルウェー"文字列"ノルウェー"文字列
countries[0].code6行目・キーcode囲んでいない"code"文字列"code"文字列
countries[0].code6行目・版で変わりますno囲んでいないfalse真偽値"no"文字列
countries[1].name7行目・キーname囲んでいない"name"文字列"name"文字列
countries[1].name7行目日本囲んでいない"日本"文字列"日本"文字列
countries[1].code8行目・キーcode囲んでいない"code"文字列"code"文字列
countries[1].code8行目jp囲んでいない"jp"文字列"jp"文字列
on9行目・キー・版で変わりますon囲んでいないtrue真偽値"on"文字列
on.push10行目・キーpush囲んでいない"push"文字列"push"文字列
on.push10行目true囲んでいないtrue真偽値true真偽値
open11行目・キーopen囲んでいない"open"文字列"open"文字列
open11行目・版で変わりますyes囲んでいないtrue真偽値"yes"文字列
tel12行目・キーtel囲んでいない"tel"文字列"tel"文字列
tel12行目・版で変わります012囲んでいない10整数12整数
sizes13行目・キーsizes囲んでいない"sizes"文字列"sizes"文字列
sizes[0]13行目1囲んでいない1整数1整数
sizes[1]13行目2囲んでいない2整数2整数
sizes[2]13行目3囲んでいない3整数3整数
memo14行目・キーmemo囲んでいない"memo"文字列"memo"文字列
memo14行目ここは␊そのまま␊| や > で書いた"ここは そのまま "文字列"ここは そのまま "文字列

よくある質問

YAML で no と書くとどうなりますか?

読む道具しだいです。YAML 1.1 に従う道具では真偽値の false になります。実際に PyYAML 6.0.1 と Ruby Psych 5.1.2 に読ませたところ、どちらも false になりました。YAML 1.2 では真偽値は true と false の2語だけなので、no は文字列のままです。js-yaml 4.1.0 で試すと文字列でした。ノルウェーの国コードが NO なので、国の一覧を書くとノルウェーだけ false に化けます。Norway problem と呼ばれる有名な事故です。

no や yes を文字列のまま使うには、どう書けばいいですか?

引用符で囲みます。'no' でも "no" でも構いません。囲めばどの版のどの道具でも文字列として読まれます。この道具で JSON から YAML に変換すると、囲まないと型が変わってしまう文字列を自動で囲み、なぜ囲んだのかも一覧で出します。数字に見える文字列、たとえば郵便番号の 012 や版番号の 1.10 も同じように囲む必要があります。

自分が使う道具が YAML 1.1 と 1.2 のどちらで読むか、どうすれば分かりますか?

その道具に no と書いた1行を読ませてみるのが確実です。false になれば 1.1、no という文字列のままなら 1.2 の読み方です。Python の PyYAML と Ruby の Psych は 1.1、JavaScript の js-yaml 4 は 1.2 に沿っています。ただし 1.2 に沿うとしている道具でも、2進数の 0b1010 や下線入りの 1_000、日付の形を仕様より広く読むことがあります。これも実際に確かめた結果です。

JSON をそのまま YAML として使えますか?

使えます。YAML 1.2 の仕様が、JSON は YAML の部分集合であると書いています。つまり正しい JSON は、そのまま正しい YAML でもあります。この道具に JSON を貼り付けて YAML として読ませても、同じ結果になることを確かめられます。逆は成り立ちません。YAML のコメントや末尾のカンマ、1つのファイルに複数の文書を入れる書き方は、JSON には移せません。

字下げにタブを使えますか?

使えません。YAML 1.2 の仕様が、移植性のために字下げへタブ文字を使ってはならないと定めています。使えるのは半角スペースだけです。日本語を打っているときは全角スペースも混ざりやすく、こちらは字下げとして数えられないため、キーの名前の一部になってしまいます。どちらもこの道具が見つけてお知らせします。

貼り付けた内容はどこかに送られますか?

送られません。読み取りも変換も、すべてこの画面の中(お使いの機器の中)で行っています。外部の変換サービスも使っていません。設定ファイルには接続先や合言葉が書かれていることがあるので、内容がこの機器から出ないことは、この道具でいちばん大事にしているところです。

貼り付けると、もう一方に変換します。そのときそれぞれの値がどの型として読まれたかも出すので、書いたつもりと違う型になっていたことに気づけます。

no と書くと、false になります

YAML でいちばん有名な事故です。国の一覧を書くとします。

ノルウェーの国コードは NO です。ところがこれを引用符で囲まずに書くと、ノルウェーだけが false に化けます。 国の一覧のはずが、1つだけ「うそ」という値になるわけです。

原因はYAML 1.1 が真偽値として認めている語が6つあることです ──yes・no・on・off・true・false。 これに大文字だけの形(NO)と 頭文字だけ大文字の形(No)も含まれるので、国コードの NO も当たります。

いまの YAML 1.2 では、真偽値は true と false の2語だけになりました。 だから同じ1行でも、読む道具しだいでfalse にも、no という文字列にもなります。 上の道具で版を切り替えると、出てくる JSON そのものが変わることを確かめられます。

直し方は、引用符で囲むだけです

code: 'no' と書けば、どの版のどの道具でも文字列になります。 この道具で JSON から YAML に変換すると、囲まないと型が変わってしまう文字列を自動で囲み、 なぜ囲んだのかも一覧で出します。

キーにも型があります ── on: が true という名前に変わる

値だけの話ではありません。キーの名前も同じ規則で型が決まります。 GitHub Actions の設定ファイルは、いつ動かすかをon: というキーで書きます。ところが on は YAML 1.1 の6語のうちの1つなので、1.1 に従う道具で読むと、キーの名前が true になります。

実際に読ませて確かめました。同じ1行 on: push を読ませると、 キーの名前は PyYAML では True、Ruby Psych では true、js-yaml では on でした。 手元の道具で workflow の設定を読み込んで on というキーを探しても見つからないのは、このためです。

さらにJSON のキーは必ず文字列です。だから YAML のキーが真偽値や数になると、 JSON にするときに文字列へ書き直すしかありません。 この道具は書き直したことを必ず知らせます── 黙って直すと、名前が変わったことに気づけないからです。

同じ YAML 1.1 でも、答えが違うことがあります

1:30 と書いた1行を、YAML 1.1 に従う2つの道具に読ませました。結果はPyYAML が 90、Ruby Psych が 5400。どちらも同じ版を名乗っているのに、値が60倍ちがいました。

YAML 1.1 には60進数という書き方があります。時計と同じ数え方で、1:30 を「1分30秒」と読めば 90、「1時間30分」と読めば 5400秒。 どちらに読むかが実装で分かれていました。 3つに区切った 12:34:56 なら、どちらも 45296 で一致します。

だからこの道具は、こういう値について1つの答えを出して黙るということをしません。 「60進数として読まれることがあり、実装によって値が違う」と出します。YAML 1.2 では、そもそも 1:30 は文字列です。

0 で始まる数字は、8進数になります

YAML 1.1 は、0 で始まる数字を8進数として読みます。だから 012 は 12 ではなく 10 です。 郵便番号や部屋番号を引用符なしで書くと、この形に当たります。

面白いのは090 が文字列のまま残ることです。8進数に 9 という数字は無いので、 どの数の形にも当てはまらず、文字列として扱われます。012 は数に化けるのに、090 は化けない── 同じ「0 で始まる数字」なのに結果が分かれます。

YAML 1.2 では 8進数の書き方が 0o12 に変わり、012 はふつうの10進数の 12 になりました。 つまり 012 は 10 にも 12 にもなり、0o12 は文字列にも 10 にもなります。 どちらの向きにも食い違うので、 数字に見える文字列は引用符で囲むのが安全です。

JSON は YAML の一部です

YAML 1.2 の仕様書(新しいタブで開きます)が、どの JSON ファイルも、そのまま正しい YAML ファイルであると書いています。 上の道具に JSON を貼って「YAML → JSON」で読ませても、ちゃんと読めるのは そのためです。

仕様書には但し書きもあります。YAML ではコロンの前に置けるキーの長さが1024文字までと決められているので、 それより長いキーを持つ JSON はここから外れます。 ふつうの設定ファイルで当たることは、まずありません。

逆は成り立ちません

YAML にできて JSON にできないことは、たくさんあります ──コメント(#)、末尾のカンマ、1つのファイルに文書を2つ以上入れる書き方(---)、同じ中身に名前を付けて使い回す書き方(& と *)。 この道具に、末尾にカンマの付いた JSON を貼ってみてください。JSON としては読めないのに、YAML としてなら読めることが分かります。

字下げに使えるのは、半角スペースだけです

YAML はタブで字下げできません。 仕様書(新しいタブで開きます)が「移植性のため、字下げにタブ文字を使ってはならない」とはっきり書いています。 見た目はスペースと区別がつかないので、画面を見ても分からないのがたちの悪いところです。

日本語を打っているときは、全角スペースも混ざります。 こちらはエラーにならず、キーの名前の一部になります。 名前が変わってしまうので、その項目は「無い」ことになります。 この道具は、どちらも見つけて何行目かを知らせます。

書き方ごとに、どう読まれるか

下の表の値は、実際に3つの実装に同じ文字列を読ませて記録したものです。 1.1 の列は PyYAML 6.0.1、1.2 の列は js-yaml 4.1.0 の結果です。

引用符で囲めば、どの行も文字列のままになります
書き方YAML 1.1 ではYAML 1.2 では
noノルウェーの国コード。YAML でいちばん有名な事故で、Norway problem と呼ばれますfalse"no"
yeson / off も同じ。1.1 は6つの語を真偽値として読みますtrue"yes"
onGitHub Actions の設定ファイルの on: は、1.1 で読むとキーが true になりますtrue"on"
0121.1 は 0 で始まる数字を8進数として読みます。1.2 はふつうの10進数です1012
0o12逆向きの食い違い。8進数の書き方が 1.2 で 0o に変わりました"0o12"10
0908進数に 9 は無いので 1.1 では文字列のまま。1.2 では 90 という数になります"090"90
1.10版で違いは出ませんが、数になるので末尾の 0 が消えます。版番号を書くと 1.10 が 1.1 になります1.11.1
1e31.1 は指数に符号を求めるので 1e3 は文字列。1.0e+3 と書けば 1.1 でも数になります"1e3"1000
1:301.1 の60進数。PyYAML は 90、Ruby Psych は 5400 と、同じ 1.1 でも答えが違いました90(実装により 5400)"1:30"
2026-08-151.1 には日付の型があります。1.2 の core schema には無いのですが、js-yaml は日付にしました日付"2026-08-15"(js-yaml は日付)

この道具が読める範囲

YAML には、この道具が読めない書き方があります。読めないものは、黙って飛ばさずにその場でお断りします── 黙って飛ばすと、抜け落ちたことに気づけないからです。

読めるもの

  • キーと値(入れ子・字下げ)
  • 並び(- で始まる行)
  • { } と [ ] で書く形(JSON はこの形なので、そのまま読めます)
  • 引用符(' と ")とコメント(#)
  • 文書の始まりの ---
  • 改行を残す | と、つなげる >

読めないもの(見つけたら、その場でお知らせします)

  • アンカーと参照(&名前 と *名前)
  • タグ(!!str のような型の指定)
  • 1つのファイルに文書を2つ以上(--- で区切る形)
  • %YAML のような指示行
  • ? で始まる複雑なキー

型の決まりは、思い込みではなく実際に読ませて確かめました(2026-08-15)。 使ったのは PyYAML 6.0.1(Python・YAML 1.1)、Ruby Psych 5.1.2(YAML 1.1)、js-yaml 4.1.0(JavaScript・YAML 1.2 に沿う実装)の3つです。 規則そのものの出どころは、YAML 1.2.2 仕様の Core Schema(新しいタブで開きます)とYAML 1.1 の型の一覧(新しいタブで開きます)です。 なお 1.2 に沿う実装でも、仕様より広く読むところがありました ── js-yaml は 0b1010 と 1_000 を数として、日付の形を日付として読みます。 この道具は、仕様書の表のほうに合わせています。 変換はすべてこの画面の中で行っていて、貼り付けた中身はどこにも送っていません。