調べて分かる道具箱

21枚のカードで、えらんだ札を当てる

1枚えらんでください(押すと、その札の動きを追いかけられます)

1つ目の山

2つ目の山

3つ目の山

まだえらんでいません。上の21枚から1枚押してください。

配る前で、どの札をえらんでいても、上から1〜21番目のどれか(21通り)です。

候補は、聞くたびに3分の1になります

山を聞くたびに、選んだ札のありかが何番目〜何番目まで狭まるか
何回目上から何番目のどれか何通り
配る前1〜21番目21通り
1回目のあと8〜14番目7通り
2回目のあと10〜12番目3通り
3回目のあと11番目1通り

枚数を変えると、当たらなくなることがあります

枚数ごとの、決まるまでの回数と最後の場所
枚数山1つ何回で決まるか上から何番目
9枚3枚2回5番目
12枚4枚決まりません(2通りで止まる)—
15枚5枚3回8番目
18枚6枚決まりません(2通りで止まる)—
21枚この手品7枚3回11番目
24枚8枚決まりません(2通りで止まる)—
27枚9枚3回14番目
30枚10枚決まりません(2通りで止まる)—
33枚11枚4回17番目
45枚15枚4回23番目
51枚17枚4回26番目

よくある質問

どうやるのですか?

21枚を3つの山に配ります(1枚ずつ順ぐりに置くので、1つの山は7枚)。相手にどれか1枚を覚えてもらい、その札がどの山にあるかだけを聞きます。聞いた山をまん中にして3つの山を重ね、また配る ── これを3回くり返すと、その札は上から11番目にあります。相手には何も言わせません。聞くのは「どの山か」だけです。

なぜ上から11番目なのですか?

山を聞くと、その札が「どの山の、上から何枚目か」まで分かります。まん中にして重ねるので、新しい場所は「7枚 + 山の中で上から何枚目か」になります。これをくり返すと、ありかの候補が21通り → 7通り → 3通り → 1通りと狭まります。3回目で1つに決まり、それが上から11番目です。ちょうど21枚のまん中です。

なぜ3回なのですか。2回ではだめですか?

だめです。1回聞いて分かるのは「3つのうちどれか」=3通りぶんなので、2回では9通りしか見分けられません。21枚は9通りより多いので足りません。3回なら3×3×3で27通り ── 21枚はここに収まるので当てられます。上の表で、候補が21→7→3→1と減っていくところが見られます。

枚数を増やしたらどうなりますか?

27枚までなら、同じ3回で当たります(27枚のときは上から14番目)。3回で見分けられるのが27通りだからです。もっと増やすなら回数も増えて、51枚なら4回かかります。51枚はトランプ1組から1枚抜いた枚数なので、手元の札でそのままできます。

3の倍数なら何枚でもできますか?

できません。山が偶数枚になる枚数(12枚・18枚・24枚・30枚)では、何回くり返しても当たりません。候補が2通りまで減ったところで止まり、そこから先はいくらやっても減らないからです。上の表で、その枚数の行に「決まりません」と出ます。「3の倍数なら同じ操作でできる」と書いてある解説を見かけますが、実際に配って数えると当たりません。

手品として、どう見せればいいですか?

相手には「札を覚えて、どの山にあるかだけ教えてください」と伝えます。配り方はいつも同じにしてください。左から順に1枚ずつ置く、と決めておかないと、山の中の並びが変わって当たらなくなります。集めるときに聞いた山をまん中に入れるところは、相手の目の前で堂々とやって大丈夫です ── そこが仕掛けだと気づかれにくいのは、3つの山を重ねる動作が自然だからです。最後は11枚目を数えて出すだけですが、いきなり出さずに1枚ずつめくって「止めて」と言わせると、当てた感じが強く出ます。

21枚を3つの山に配って、えらんだ札のある山をまん中にして重ねる。 これを3回やると、その札は上から11番目に来ます。 相手に聞くのは「どの山にあるか」だけです。

相手は何も言っていないのに、当たってしまう

この手品で相手が教えてくれるのは、「3つの山のうちどれか」だけです。 札の名前も、色も、数字も言いません。それなのに当たります。

からくりは、山を聞いた時点で、ありかがかなり絞れているところにあります。21枚を3つに配ると、1つの山は7枚。 山が分かった瞬間に、21枚あった候補は7枚に減っています。

しかも、山の中での順番はそのまま残っています。 1枚ずつ順ぐりに配ったので、山の中の並びは配る前の並びの順番どおりです。 だから「どの山か」を聞くだけで、「どの山の、上から何枚目か」までの情報が手に入ります。

まん中に入れると、候補がまん中へ寄っていきます

聞いた山をまん中にして重ねるのが、この手品の全部です。 まん中に置くと、その山の上には7枚がまるごと乗ります。だから札の新しい場所は「7 + 山の中で上から何枚目か」になります。

山の中の枚数は7枚しかないので、この計算で行ける場所も7通りしかありません。 つまり21通りが7通りに減ったということです。 もう一度配れば、その7通りがさらに3分の1に減ります。

配る前: 上から1〜21番目(21通り)
1回目のあと: 上から8〜14番目(7通り)
2回目のあと: 上から10〜12番目(3通り)
3回目のあと: 上から11番目(1通り)
3回目で1通り ── 上から11番目に決まります。

この11番目は、21枚のちょうどまん中です。偶然そうなったのではありません。まん中に入れ続けているので、行き着く先もまん中になります。

なぜ3回でいいのか ── 3×3×3 = 27

1回聞いて分かるのは3通りぶんです(1つ目・2つ目・3つ目の山)。 だから2回聞けば3×3で9通り、3回聞けば3×3×3で27通りまで見分けられます。

21枚は27通りに収まっているので、3回で足ります。 逆に9通りでは21枚に足りないので、2回では当たりません。 上の道具で2回で止めてみると、候補が3通り残ったままなのが見られます。

⭐ ここから、27枚でも3回で当たることが分かります。21枚から6枚増えても、27通りの中に収まっているからです(27枚のときは上から14番目)。 枚数を増やしても、すぐには回数が増えません。

⭐ 3の倍数なら何枚でもできる、ではありません

「3で割り切れれば同じやり方でできる」と書いてある解説を見かけます。実際に配って数えると、そうはなりません。

山が偶数枚になる枚数(12枚・18枚・24枚・30枚)では当たりません。候補は2通りまで減りますが、そこで止まります。 あと1回、あと2回とくり返しても、その2通りは永久に減りません。

止まる理由は、行き先が2か所とも「自分自身」になってしまうからです。 まん中に入れる操作は、候補をまん中へ引き寄せる働きをします。 山が奇数枚なら、 引き寄せられる先はまん中の1枚に決まります。 ところが山が偶数枚だと、まん中がちょうど2枚のすきまになるので、両どなりの2枚がどちらも動かなくなります。

上の表で枚数ごとの結果を出しています。この表の数字は手で書いたものではありません。その枚数で実際に配って重ねる手順を回して、候補が1つに決まるかどうかを数えた結果です。

出どころ

山が奇数枚のときにだけ成り立つことと、行き着く先がまん中(枚数を p×q とすると (pq+1)÷2 番目)になることは、Champanerkar & Jani「Stable Fixed Points of Card Trick Functions」(arXiv:1308.3396・ 2013年)(新しいタブで開きます)で示されています。この論文はp も q も3以上の奇数という条件を置いていて、 偶数のときは扱っていません。 このページは、その偶数のときに何が起きるかを、 実際に配って数えて出しています。

1回目のあとが上から8〜14番目、2回目のあとが上から10〜12番目になることは、英語版 Wikipedia「Twenty-One Card Trick」(新しいタブで開きます)にも同じ数字が載っています(27枚のときに14番目になることも同じ)。

このページの回数と場所は、式からだけでは出していません。実際に21枚を配って重ねる手順をそのまま動かし、21通りの選び方すべてで同じ場所に来ることを確かめた結果と突き合わせてあります。 式のほうが間違っていても気づけるように、両方から出して比べる検査を置いています。