調べて分かる道具箱

ライフゲーム

規則はこの4つだけです

まず、どの升目にもまわりに8マスあります (たて・よこに4つ、ななめに4つ)。 数えるのはその8マスにいる生きている升目の数だけ。 その数だけを見て、次の世代どうなるかが決まります。

  1. 生きのこる … 生きている升目は、まわりの8マスに生きた升目が2つか3つあれば、次の世代も生きる
  2. さびしい … 生きている升目は、まわりが1つ以下なら、次の世代は死ぬ
  3. こみすぎ … 生きている升目は、まわりが4つ以上なら、次の世代は死ぬ
  4. 生まれる … 死んでいる升目は、まわりがちょうど3つなら、次の世代に生まれる

これで全部です。この4つに当てはまらないとき ── つまり死んでいる升目のまわりが3つでないとき ── は、何も起きません(死んだまま)。それは5つめの規則ではなく、 「どの規則も当てはまらなかった」というだけのことです。

もう1つ大事な決まりがあります。生まれるのも死ぬのも、盤じゅうで一斉に起こります。左上から順に書きかえていってはいけません。左上の升目を先に新しくしてしまうと、 そのとなりがまだ来ていない世代の値を数えることになり、 答えが変わってしまいます。このページでは、次の世代を別の紙に書き写すようにして作っています。

お手本を置く

いま置いてあるのはグライダー。5つだけで、4世代ごとに1マスずつ斜めに進む。止まらない。

盤のはしの外はどうなっているか

盤の外は、ずっと死んだ升目が続いていることにします。端に着いた形は、そこで壊れます。

世代を進める
はやさ

いま 0 世代め / 生きている石 5 個

盤

狭い画面では、盤を横にスクロールできます。

丸い石があるところが「生きている升目」、空っぽのところが「死んでいる升目」です。黄色いわくは、キーボードで石を置く場所です(矢印キーで動きます)。

升目に石を置いて、世代を進めるだけの遊びです。動かしている規則は、下の4行しかありません。それなのに、進んでいく形・呼吸する形・永久に旅を続ける形が出てきます。

4行しか無いのに、なぜ生き物のように見えるのでしょう

規則には「進め」とも「形を保て」とも書かれていません。 書いてあるのは数だけです。それでも進む形が出てくるのは、数が形の情報を持っているからです。

たとえばブロック(2×2の4つ)が変わらない理由は、数えてみるとすぐ分かります。 4つのうちどの升目から見ても、まわりにいる仲間はちょうど3つ。 1つめの規則が「2つか3つなら生きのこる」と言っているので、4つとも生きのこります。そして外側の升目はどれも、 まわりの仲間が2つ以下しかないので生まれません。だから永久に変わらないのです。

ブリンカー(たてに3つ)も同じ考え方で読めます。まん中の升目はまわりが2つなので生きのこり、 上下のはしはまわりが1つしか無いのでさびしくて死にます。 いっぽう左右のとなりは、たてに並んだ3つ全部がまわりにいるのでちょうど3つ、つまり生まれます。 こうして「たて3つ」が「よこ3つ」に入れかわり、次にまた戻ってきます。

形が動いて見えるのは、実際には升目が動いていないからです。石そのものは1つも移動していません。前のはしで生まれ、後ろのはしで死ぬのがくり返されているだけで、 それが人の目には「進んでいる」と映ります。 電光掲示板の文字が流れて見えるのと同じことです。

グライダーは5つの石だけで、永久に斜めへ進みます

お手本のグライダーを置いて、進めてみてください。 4世代進むと、まったく同じ形が右へ1マス・下へ1マスずれた場所に現れます。 同じ形に戻ったということは、そこからまた同じことが起きるということなので、じゃまが無いかぎり、いつまでも進み続けます。

たった5つです。1970年のコラムは、これを「コンウェイの発見のうち、もっとも驚くべきものの一つ」と紹介しています。「2手進むと斜めの線で裏返り、さらに2手進むと向きが直って、 元の場所から斜めに1マス動いている」と、動き方まで書かれています。

ライフゲームにも「光の速さ」があります

同じコラムに、グライダーは「光の速さの4分の1で盤を滑っていく」と書かれています。ライフゲームの光の速さとは、1世代に1マスのことです。

なぜそれが上限になるのかは、規則から分かります。どの升目も、まわりの8マスしか見ていません。だから1世代のあいだに、ある升目の情報が届く先はとなりまで。 2マス先へ伝わるには、どうしても2世代かかります。どんな形を作っても、これより速く何かを伝えることはできません。

グライダーは4世代かけて斜めに1マス進むので、ちょうどその4分の1の速さということになります。お手本の小さい宇宙船は4世代でまっすぐ2マス進むので、こちらは2分の1。並べて動かすと、宇宙船のほうが先に端へ着きます。

1970年10月、1本のコラムで世界に広まりました

考えたのは、ケンブリッジ大学の数学者ジョン・ホートン・コンウェイです。 広まったきっかけは、1970年10月のサイエンティフィック・アメリカン誌に載った、マーティン・ガードナーの連載コラム「数学ゲーム」でした。 タイトルは「コンウェイの新しい一人遊び『ライフ』の驚くべき組み合わせ」。

当時はコンピュータで動かすものではありませんでした。コラムは「かなり大きな市松模様の盤と、2色の平たい駒をたくさん用意しなさい」と読者に呼びかけ、升目に入る小さな平たい駒が見つかるなら碁盤も使えると書いています。 このページで生きている升目を丸い石で描いているのは、それにならったものです。

元のコラムでは、規則は3つに分けて書かれていました

いま4つと数えるのがふつうですが、コラムの書き方は「生きのこり」「死」「誕生」の3つでした。 まん中の「死」が「こみすぎで死ぬ」と「ひとりぼっちで死ぬ」の2文でできているので、それを分けると4行になります。中身は1つも増えていません。数え方が違うだけで、同じことを言っています。

50ドルの賞金がかかった問題がありました

コラムには、コンウェイの予想も載っています。「どんな形から始めても、石の数は限りなくは増えない」。 そして「年内にこれを証明するか、くつがえした人に50ドル出す」と書かれていました。

答えが出たのは同じ年の11月です。マサチューセッツ工科大学のビル・ゴスパーたちが、30世代ごとにグライダーを1機ずつ産み出し続ける形を見つけました (ゴスパーのグライダー銃(新しいタブで開きます)と呼ばれています)。グライダーは5つの石を持って出ていくので、石の数は増え続けます。予想はくつがえされ、賞金は支払われました。 お手本の「グライダー銃」で、動くところを見られます。

盤のはしをどうするかで、答えが変わります

ここは、多くのライフゲームのページが黙って決めているところです。元のライフゲームは「果てのない平面」の上で考えます。ところが画面の盤には、はしがあります。はしの外に何があることにするかを決めないと、 端の升目のまわりの数が数えられません。

このページでは選べるようにして、選んだ内容を画面に書いています。 「外は死んでいる」なら、盤の外はずっと死んだ升目が続くことになるので、 角の升目のまわりは8マスではなく3マスしかありません。 「反対側につながる」なら、右のはしの右どなりは左のはしなので、 角でもちゃんと8マスあります。

いちばん違いが出るのがグライダーです。最初に置いてあるグライダーをそのまま動かすと、「外は死んでいる」では右下へ進んでいき、 角にぶつかって39世代めにブロック(4つ)になって止まります。 いっぽう「反対側につながる」を選ぶと、右下から消えたグライダーが左上から出てきて、いつまでも旅を続けます。形も規則も同じなのに、結果が変わります。端の決め方は、飾りではなくて計算の一部だということです。

グライダー銃でも違いが出ます。「外は死んでいる」では、出ていったグライダーが下のはしでブロックになり、次のグライダーと ぶつかって、どちらも消えます。盤は60世代ごとに同じ形にもどり、銃は動きつづけます。 「反対側につながる」では、グライダーが上から戻ってきて銃にぶつかり、64世代めに銃がこわれます。

これは生き物の模型ではありません

「生まれる」「死ぬ」という言葉を使っているので、生き物を真似た計算だと思われがちですが、4つの規則のどこにも、生き物のことは1文字も出てきません。 書いてあるのは、まわりにいくつあるかという数だけです。 名前のほうが、数の増え引きが生き物の集まりに似て見えることからついています。

コラムには、コンウェイが規則を選んだときの目当ても書かれています。「集団のふるまいが予測できなくなるような規則にすること」。 つまり予測しにくさを狙って選ばれた数字であって、 生き物の何かを測って決めたものではありません。 だからこのページは、これを生き物の模型としては説明しません。

では何がすごいのかというと、これほど短い規則から、 これほど複雑なものが出てくるという一点です。 お手本のRペントミノを置いてみてください。石はたった5つです。 コラムには、コンウェイがこの形を460手まで追いかけて、 まだ終わっていなかったと書かれています。 コンピュータで一瞬に見えるこの動きを、当時は1手ずつ手で書き写して460回たどった人がいた、ということでもあります。

指でもキーボードでも置けるようにするために

升目は20×20(グライダー銃のときは40×20)で、1つは25ピクセル角です。 押しやすさの目安には2つの段があって、44ピクセルは上の段(WCAG 2.5.5・AAA)、24ピクセルが下の段(WCAG 2.5.8・AA)です。 升目を44ピクセルにすると盤は横に880ピクセルを超えて画面に入らないので、 ここはAA の下限より少し大きい25ピクセルにしました。

そのうえで、1つずつ押さなくてよい道を2本用意しています。 1つはお手本のボタンで、指1本で形をまるごと置けます (こちらのボタンは44ピクセル以上あります)。 もう1つはキーボードです。盤の中では矢印キーで1マスずつ動き、スペースキーか Enter キーで石を置いたり取ったりできます。 Tab キーで止まる升目は1つだけにしてあるので、盤を通り過ぎるのに400回 Tab を押す必要はありません。 いまどこにいるかは、黄色いわくで見えています。

生き死には色ではなく形で分かるようにしてあります (丸い石があるか、空っぽか)。 端末が「動きを少なくする」設定になっているときは、自動では動かしません。1世代ずつ進めるボタンだけを出します。

引用と数値の出どころ: 規則の原文・グライダー・50ドルの賞金・「予測できなくすること」は Martin Gardner「Mathematical Games」Scientific American 223 (October 1970): 120-123(新しいタブで開きます)から、本文を読んで取りました(日本語は当サイトの訳)。ゴスパーのグライダー銃はLifeWiki(新しいタブで開きます)によります。「39世代めにブロックになる」「4世代で1マス斜めにずれる」 「30世代ごとに1機」「64世代めに銃がこわれる」といった数は、 このページを動かしているものと同じ計算で確かめて書いています。 置いた形は、どこにも送っていません。

よくある質問

ライフゲームの規則は何ですか?

4つだけです。生きている升目はまわりの8マスに生きた升目が2つか3つあれば次の世代も生き、1つ以下なら死に、4つ以上でも死にます。死んでいる升目はまわりがちょうど3つのときだけ生まれます。この4つに当てはまらないときは何も起きません。生まれるのも死ぬのも、盤じゅうで同時に起こります。

ライフゲームのグライダーとは何ですか?

5つの石でできた形で、4世代ごとに1マスずつ斜めに進みます。進んだあとの形は元とまったく同じなので、じゃまが無ければ永久に進み続けます。1970年10月のコラムでは「コンウェイの発見のうちもっとも驚くべきものの一つ」として紹介され、その進む速さは「光の速さの4分の1」と書かれています。

ライフゲームはだれが考えたのですか?

イギリスの数学者ジョン・ホートン・コンウェイです。1970年10月のサイエンティフィック・アメリカン誌で、マーティン・ガードナーの連載コラム「数学ゲーム」が取り上げたことで一気に広まりました。コンウェイは「集団のふるまいが予測できなくなるような規則にすること」を目標に、規則を選んだと書かれています。

盤のはしから出た形はどうなりますか?

このページでは選べます。「外は死んでいる」を選ぶと盤の外はずっと死んだ升目が続くことになり、端に着いた形はそこで壊れます。「反対側につながる」を選ぶと右と左、上と下がつながって、出ていった形は反対側から出てきます。元のライフゲームは果てのない平面の上で考えるので、どちらも本物とは少し違う近道です。

ライフゲームは生き物のシミュレーションですか?

違います。4つの規則のどこにも生き物のことは書かれていません。書いてあるのは「まわりにいくつあるか」という数だけです。生まれる・死ぬという言葉は、数の増え方が生き物の集まりに似て見えることからついた呼び名で、生物学の模型として作られたものではありません。規則は「ふるまいが予測できなくなること」を目当てに選ばれました。

置いた形はどこかに送られますか?

送られません。世代を進める計算は、すべてあなたの画面の中だけで行っています。どんな形を置いたかをサーバーへ送ってもいませんし、保存もしていません。ページを読み込み直すと、最初のグライダーに戻ります。